会社設立の税理士の選び方と設立後の顧問契約まで頼む流れと費用

会社設立で税理士を選ぶポイントと、設立後の顧問契約までの流れを解説する記事のアイキャッチ

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会社を作ろうと決めたものの、『税理士にはいつ、何を頼めばいいの?』と手が止まっていませんか。司法書士や行政書士も出てきて、誰が何をするのか分かりにくいですよね。

結論から言うと、会社設立で税理士に頼むのは「設立前の決めごとの相談」と「設立後の税務署への届出と毎年の決算」です。登記そのものは司法書士の仕事なので、役割を分けて考えるとすっきりします。

この記事を読めば、設立から顧問契約までの流れと、費用の目安、相談先の選び方が分かります。

会社設立で税理士に頼めることは?

先に結論

税理士に頼めるのは、資本金や決算月、役員報酬など税金に関わる決めごとの相談、設立後の法人設立届出書や青色申告の承認申請、毎月の記帳と毎年の決算・申告です。登記の申請は司法書士の担当なので、設立を一括で頼む時は司法書士と組んでいる事務所かを確認しましょう。

税理士の仕事は、税務代理・税務書類の作成・税務相談の3つです。これらは税理士や税理士法人などしか行えません(国税庁 タックスアンサー No.9203 税理士制度について)。

つまり、税務署に出す書類の作成や、自分の会社の場合の税金の具体的な相談は、税理士に頼む話なんです。

会社設立に関わる専門家を並べると、次のようになります。

専門家会社設立で頼める主なこと税理士との関係
税理士決算月・役員報酬の相談、設立後の税務署への届出、記帳・決算・申告設立後もずっと付き合う相手
司法書士設立登記の申請、定款の作成サポート税理士事務所が提携していることが多い
行政書士許認可の申請(飲食店・建設業など)業種によって必要になる
公認会計士会計監査、税理士登録があれば税務も税理士登録の有無を確認
社会保険労務士社会保険・労働保険の手続き従業員を雇う時に必要

『会計士と税理士、どっちに頼めばいいの?』という方もいますよね。中小企業の設立と毎年の申告なら、税理士として登録している人に頼めば大丈夫です。公認会計士に頼む場合は、税理士登録もしているかを確かめておきましょう。

設立前に税理士へ相談しておきたいこと

実は、税理士に相談するなら、会社を作る前が一番いいタイミングです。設立の時に決めた事が、あとで変えにくかったり、変えると手間がかかったりするからです。

決めてしまう前に聞きたい4つのこと

  • 決算月をいつにするか(繁忙期と決算が重ならないか)
  • 資本金をいくらにするか(融資や取引先の見え方も含めて)
  • 役員報酬をいくらにするか(設立後に自由には変えられない)
  • 個人事業のまま続けるか、法人にするか

役員報酬は、決めたら事業年度の途中で自由に変えられるものではありません。いくらにするかで会社と個人の税金・社会保険料が変わるので、売上の見込みを持って相談してみてください。

具体例で見ると、相談の中身はこう変わります

例1: 個人で年商1,500万円のWebデザイナーが、取引先の要望で株式会社にするケース

すでに売上がある人の法人化です。個人と法人のどちらで払うと税金が少なくなるかの試算と、役員報酬の金額、個人事業の廃業の手続きまで一緒に見てもらうと安心です。

個人事業の開業・廃業等届出書は、事業の廃止等があった年分の確定申告期限までに出す手続きです(国税庁 個人事業の開業・廃業等届出手続)。法人化の進め方は 法人成りの税理士の選び方 で詳しく紹介しています。

例2: 会社員が独立して、融資を受けて飲食店の会社を作るケース

売上はまだゼロで、開業資金の借入れが一番の課題です。日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」は、新たに事業を始める人や事業開始後おおむね7年以内の人が対象で、融資限度額は7,200万円です(日本政策金融公庫)。

自分で事業計画書を作り、認定経営革新等支援機関の指導や助言を受けているなどの条件を満たすと、特別利率Aの対象になります。税理士の中には、この認定を受けている人もいます。

状況税理士に一番相談したいこと頼み方の目安
すでに個人で売上がある法人にした方が得かの試算、役員報酬設立前に相談して、そのまま顧問へ
売上ゼロから融資を受けて始める事業計画書、融資の準備創業支援に慣れた事務所に設立前から
副業の延長で小さく始める届出と最初の決算決算だけのスポットも選択肢
従業員を最初から雇う給与計算・源泉徴収・年末調整毎月の顧問契約

「設立のことだけ聞いて、あとは自分でやろうかな」
「最初の決算まで見てもらえると、2年目からの手間がぐっと減りますよ」

こんなふうに、どこまで頼むかは状況で変わります。起業の段階で何を頼めるかは 税理士の創業支援とは にまとめています。

設立後すぐに来る税務の手続きは?

会社ができたら、ほっとする間もなく税務署への届出が続きます。ここが大事なところです。

手続き期限遅れるとどうなるか
法人設立届出書法人設立の日(設立登記の日)以後2か月以内税務署が会社を把握できず連絡が遅れる
青色申告の承認申請書設立の日以後3か月を経過した日と、最初の事業年度終了の日のいずれか早い日の前日まで最初の事業年度を青色で申告できない
源泉所得税の納期の特例給与の支給人員が常時10人未満なら申請できる毎月10日の納付が続く
法人税・消費税の確定申告事業年度終了の日の翌日から2か月以内加算税や延滞税がかかる

法人設立届出書は、定款の写しを添えて納税地の所轄税務署に出します(国税庁 内国普通法人等の設立の届出)。青色申告の承認申請の期限は、国税庁の青色申告の承認申請のページで確認できます。

源泉所得税は原則として給与を払った月の翌月10日までに納めます。納期の特例を受けると、1月から6月分は7月10日、7月から12月分は翌年1月20日にまとめて納められます(国税庁 タックスアンサー No.2505)。

会社設立の前後に税理士へ頼むことを、設立前の相談、設立後の届出、毎年の決算の順に示した図解

『青色の申請、気づいたら過ぎていた…』というのは、自分で手続きをした人によくある話です。設立と同時に税理士と契約しておけば、こうした期限をまとめて管理してもらえます。

会社設立の税理士費用はいくら?

税理士の報酬は自由に決められています。税理士会の報酬規定は平成14年(2002年)3月31日で廃止され、今は依頼内容に応じて税理士が金額を示す形です(東北税理士会 税理士報酬に関するご案内)。

そのため公的な相場はありません。目安として、民間の税理士ドットコムが示している法人の顧問料は次のとおりです。

年間売上毎月訪問の顧問料3か月に一度記帳代行(月額)決算料
1,000万円未満25,000円〜20,000円〜+5,000円〜100,000円〜
1,000万〜3,000万円未満30,000円〜25,000円〜+5,000円〜120,000円〜
3,000万〜5,000万円未満35,000円〜30,000円〜+5,000円〜140,000円〜

あくまで民間の公表している目安なので、事務所によって金額も含まれる作業も違います。顧問契約を結ばず、法人の決算申告だけを頼む場合は15万〜25万円が目安とされています。

設立の手続きにも費用がかかります。税理士ドットコムによると、税理士に頼んで電子定款で認証を受けると、紙の定款で必要な印紙代4万円がかからないとされています。電子認証の手数料は2万円前後が相場で、無料の所もあるようです。

設立費用0円をうたうプランは、顧問契約とセットになっていることが多いです。仕組みと注意点は 会社設立の税理士費用の相場と設立0円プラン で紹介しています。顧問料の考え方は 税理士の顧問料相場 も参考にしてみてください。

設立したばかりで、届出の期限と最初の決算が不安。融資や役員報酬の決め方も一緒に相談したい。そんな状況なら、設立前から顧問契約まで見てもらえる税理士を探すと、事業の準備に集中できます。

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会社設立に強い税理士の選び方

設立の手続きだけなら、どの税理士でも大きな差は出にくいです。差が出るのは、設立後に何年も付き合う顧問としての相性なんです。

会社設立で税理士を選ぶ時のチェック
  • 設立だけでなく、最初の決算まで料金に入っているか
  • 司法書士と組んで、登記まで一括で進められるか
  • 融資を受けるなら、認定経営革新等支援機関か
  • 自分の業種の会社を担当した経験があるか
  • 使いたい会計ソフトやクラウド会計に対応しているか
  • 連絡の方法と返事の早さが合うか

認定経営革新等支援機関は国が認定する支援機関で、税理士も主な認定先です。中小企業庁の認定経営革新等支援機関検索システムで活動内容を調べられます(中小企業庁 認定経営革新等支援機関)。

相手が税理士として登録しているかは、日本税理士会連合会の「税理士情報検索サイト」で確かめられます。税理士と税理士法人は、事務所の所在地を管轄する税理士会に所属し、日本税理士会連合会に登録されています。

『合同会社でも同じ選び方でいいの?』と気になる方もいますよね。基本は同じですが、合同会社ならではの決めごともあります。詳しくは 合同会社の税理士の選び方 にまとめました。

選ぶ時によくある失敗

よくある失敗

設立費用の安さだけで選んで、顧問料と決算料を合わせた年間の費用を比べなかった。設立後に追加料金がかかる作業が多く、思っていたより高くついたという話はよく聞きます。

設立から顧問契約までの流れ

会社設立で税理士を頼む時の流れは、だいたい次のとおりです。

設立から顧問契約まで
  1. 事業の内容と売上の見込みをまとめる
  2. 税理士を2〜3人探して面談する
  3. 決算月・資本金・役員報酬を相談して決める
  4. 司法書士に登記を頼み、会社を設立する
  5. 法人設立届出書と青色申告の承認申請を出す
  6. 顧問契約を結び、毎月の記帳と最初の決算を任せる

面談では、見積りに何が含まれているかを具体的に聞いておきましょう。記帳を自分でやるか任せるかで、毎月の料金はかなり変わります。

例えば、面談ではこんなことを聞いてみてください。

  • 設立の手続きと最初の決算は、それぞれいくらか
  • 毎月の連絡はメール・チャット・訪問のどれか
  • 担当は税理士本人か、事務所のスタッフか
  • 途中で記帳を任せたくなった時の追加料金はいくらか

答えがはっきりしている事務所ほど、後から「聞いていなかった」となりにくいです。

会社設立で税理士を探してから顧問契約を結ぶまでの流れを示した図解

税理士の探し方そのものは 税理士の探し方 で、起業のどの段階で税理士が必要になるかは 起業の税理士はいつから必要? で紹介しています。

何人もの事務所に自分で問い合わせる時間がない。設立の時期が迫っていて、早く相談できる相手を見つけたい。そんな状況なら、条件を伝えて税理士を紹介してもらう方法も楽ですよ。

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よくある質問

会社設立を税理士に頼むと、登記まで全部やってもらえますか?

登記の申請は司法書士の仕事です。税理士事務所が司法書士と組んでいれば、窓口を一つにして登記まで進められます。依頼の前に、登記まで含まれるかを確認しておきましょう。

会社を設立した後に税理士を探しても間に合いますか?

間に合いますが、法人設立届出書は設立の日以後2か月以内、青色申告の承認申請も期限が早めです。設立したら、できるだけ早く相談してみてください。

会社設立の税務申告は自分でもできますか?

自分で申告することもできます。ただ、法人の決算と申告は個人の確定申告より手間がかかるので、最初の1期だけでも税理士に任せる人も多いです。

会社設立の相談を公認会計士にしても大丈夫ですか?

公認会計士でも、税理士として登録していれば税務の相談や申告を頼めます。日本税理士会連合会の税理士情報検索サイトで登録を確認できます。

会社設立の税理士費用は経費になりますか?

会社の設立や事業のために払った税理士報酬は、会社の経費として扱うのが一般的です。設立前に払った費用の扱いは、税理士に確認しておきましょう。

まとめ

この記事の要点
  • 会社設立で税理士に頼むのは、設立前の相談と設立後の届出・決算。登記は司法書士の担当
  • 決算月や役員報酬は、設立前に税理士と決めておくと後で困らない
  • 法人設立届出書は設立の日以後2か月以内、青色申告の承認申請も期限が早い
  • 顧問料に公的な相場はなく、税理士ドットコムが示す目安は売上1,000万円未満で毎月訪問25,000円〜
  • 設立費用だけでなく、顧問料と決算料を合わせた年間の費用で比べる
顧問税理士の選び方ナビ

顧問税理士の選び方ナビ 編集部

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