税務調査で銀行口座は見られる?銀行調査の範囲と事前の備え方

税務調査で銀行口座がどこまで確認されるのかと、事前にできる口座まわりの備えを解説する記事のアイキャッチ

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税務調査の連絡が来て、『銀行口座ってどこまで見られるんだろう』と気になっていませんか。

結論から言うと、事業に関係する口座は見られることがあります。この記事では、税務調査で口座がどう確認されるのかと、事前にできる備え方が分かります。

税務調査で銀行口座は見られる?

先に結論

税務調査では、事業用の通帳の提示を求められることがあります。法人の調査でも、代表者個人名義の預金に事業との関係が疑われれば、その通帳を求められることも。税務署が銀行に直接確認する「銀行調査」が行われる場合もあります。

国税庁の税務調査手続に関するFAQ(問7)では、法人税の調査で、代表者名義の個人預金に事業関連性が疑われる場合に通帳の提示・提出を求めることは、法令上認められた質問検査等の範囲に含まれると書かれています。

『個人の口座だから関係ないはず』と思う方も多いはずです。ただ、事業のお金が少しでも行き来していれば、確認の対象になりうると考えておきましょう。

もう一つ知っておきたいのが、対象の年より前の資料も見られることがある点です。同じFAQ(問9)では、例えば減価償却費を確かめるために、資産を取得した年の帳簿を求めることがあると説明されています。

銀行調査(反面調査)はどんなもの?

税務署が、納税者本人以外の相手に確認する調査を、いわゆる「反面調査」といいます。銀行に口座の取引を照会するのも、この考え方に近いものなんです。

国税庁のFAQ(問23)では、取引先など本人以外への調査をしなければ正確な事実の把握が難しい場合に、反面調査を行うことがあるとされています。反面調査には事前通知の法令上の規定はありませんが、運用上、原則として相手方へあらかじめ連絡するとされています。

実は、銀行への照会はデジタル化も進んでいます。国税庁は令和3年6月の税務行政のデジタル・トランスフォーメーション(税務行政の将来像2.0)で、税務調査や滞納整理に必要な預貯金の情報を、金融機関と専用回線で照会・回答する仕組みを令和3年10月から始める予定と公表していました。

確認のされ方誰に確認するかどんな時に
通帳の提示・提出調査を受ける本人調査の中で、必要があると判断された時
代表者個人の通帳法人の代表者事業との関係が疑われる時
銀行への照会(反面調査)金融機関本人の資料だけでは事実が分からない時

『ネット銀行なら見られないのでは』という声も聞きますが、ネット銀行も金融機関です。口座の種類で扱いが変わる、と考えないほうが安全です。

通帳を「預かりたい」と言われたら

調査の中で、通帳や帳簿を税務署で預かりたいと言われることもあります。これを「留置き」といいます。

『大事な通帳を持っていかれたら困る…』と不安になりますよね。国税庁のFAQ(問10)では、留置きは必要性を説明したうえで、納税者の理解と協力の下、その承諾を得て行うもので、承諾なく強制的に留め置くことはないとされています。

業務で使うから返してほしい、という時も相談できます。同じFAQ(問11)では、返還を求められた場合は特段の支障がない限り速やかに返すとされています。

例えば、毎日の入出金に使っている通帳なら、こう伝えてみてください。

「この通帳は毎日使うので、コピーをお渡しする形でもいいですか」

調査のためにわざわざ作ったコピーを出す場合は、留置きには当たらないと説明されています(問4)。

調査で確かめられやすいお金の動き

では、具体的にどんな動きが確認されやすいのでしょうか。よく言われるのは「帳簿と口座のお金の動きが合っているか」という点です。

例えば、こんな場面は説明を求められがちです。

  • 売上の入金があるのに、帳簿に売上として載っていない
  • 事業用口座から、家族の口座へまとまった金額を移している
  • 個人の口座に、取引先から入金がある
  • 現金で引き出したお金の使い道が帳簿から分からない

担当者とのやり取りは、こんな形になることもあります。

「この入金は何のお金ですか」
「家族から借りたお金で、売上ではありません」

こう答えるなら、借りた時の記録や返済の記録があると話が早く進みます。

クレジットカードの明細も、経費の裏付けとして確認されることがある資料です。事業の支払いと私的な支払いが同じカードに混ざっていると、一つずつ説明が要ることも。

法人の場合、会社と代表者の間のお金の貸し借りも見られやすい所です。詳しくは役員貸付金は税務調査で指摘されるかで解説しています。

事前にできる口座まわりの備え

『今からでも何かできることはある?』という方は、次の点を確認してみてください。

税務調査の前に、事業用口座の分け方や入金の記録など口座まわりで確認しておきたい点をまとめた図解
調査の前に確認しておきたいこと
  • 事業用の口座と私用の口座を分けているか
  • 入金のたびに、何の入金か帳簿で分かるようにしているか
  • 家族や代表者とのお金のやり取りに記録が残っているか
  • 現金の引き出しに、使い道が分かる領収書があるか
  • 事業用のカードと私用のカードを分けているか

すでに混ざっている場合は、無理に作り直そうとせず、事実のとおりに説明できる記録を揃えるのが先です。説明の仕方に迷う所は、税理士に確認しておきましょう。

ここが大事なところです。申告に誤りが見つかった時、自分から修正するタイミングで加算税の扱いが変わります。国税庁のタックスアンサー No.2026では、事前通知の前に自主的に修正すれば過少申告加算税はかからないとされています。

修正申告のタイミング過少申告加算税
事前通知の前に、自分から修正かからない
事前通知の後で、更正を予知する前5%(一定額を超える部分は10%)
調査を受けた後・更正を受けた場合10%(一定額を超える部分は15%)

個人の口座に売上が入っている、家族の口座とのお金の移動が多い。こんな状況で調査の連絡が来たなら、早めに税理士に入ってもらうと、どこを説明すべきか一緒に確認できます。

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相談の進め方は税務調査の相談は顧問税理士へ、調査の全体像は税務調査とは?調査の流れで確認できます。

よくある質問

税務調査で、家族名義の口座まで見られますか?

事業のお金が家族名義の口座に流れていると疑われる場合は、説明を求められることがあります。家族とのお金のやり取りは、目的が分かる記録を残しておきましょう。個別の判断は税理士に確認してください。

銀行に照会されたら、自分に連絡は来ますか?

国税庁のFAQでは、反面調査は相手方(この場合は金融機関)へあらかじめ連絡することとされています。本人への連絡の有無については、公表内容からは分かりません。

通帳の提示を断ることはできますか?

国税庁のFAQでは、正当な理由なく帳簿書類等の提示・提出を拒んだ場合は罰則(1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金)が科されることがあるとされています。説明に不安がある時は、税理士に立ち会ってもらいましょう。

まとめ

この記事の要点
  • 事業用の通帳は、調査の中で提示を求められることがある
  • 法人でも、代表者個人の預金に事業との関係が疑われれば対象になりうる
  • 税務署が銀行に確認する反面調査が行われることもある
  • 口座を分け、入金や家族とのやり取りの記録を残しておくのが備えになる
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顧問税理士の選び方ナビ 編集部

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