顧問税理士とは?法人と個人事業主で変わる頼める業務と選び方

顧問税理士に頼める業務と選び方を解説する記事のアイキャッチ

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売上が伸びてきて、『そろそろ顧問税理士を付けたほうがいいのかな』と迷っていませんか。

結論から言うと、顧問税理士は「毎月の数字を一緒に見て、申告と税務の相談まで引き受けてくれる継続の相談相手」です。

この記事では、法人と個人事業主で頼める業務がどう変わるのか、自分の規模なら顧問契約が要るのかを、具体例と表で確かめられます。

顧問税理士とは?毎月そばにいる税金の相談相手です

先に結論

顧問税理士とは、月額の顧問料で継続して契約し、記帳のチェックや決算・申告、日々の税務相談をまとめて引き受ける税理士のことです。年に1回の申告だけを単発で頼む「スポット依頼」とは、関わる回数と相談できる範囲が違います。

税理士の仕事は、法律で3つに決められています。

国税庁の説明では、納税者の依頼で行う「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」の3つが税理士業務です。

しかもこの3つは、税理士・税理士法人・国税局長に通知した弁護士だけができる仕事なんです。

税理士でない人は、たとえ無料でもこれらを引き受けられません。

ここが大事なところです!知り合いの経理に詳しい人に申告書を作ってもらう、というのは本来できないんですね。

顧問契約は、この3つの業務を「年1回」ではなく「毎月」受けられる形にしたものだと考えると分かりやすいです。

頼み方関わる頻度頼める範囲向いている人
顧問契約毎月〜数か月に1回の面談や連絡記帳のチェック、決算・申告、随時の税務相談、税務調査の対応法人、従業員がいる事業、売上が伸びている事業
スポット依頼年1回など必要な時だけ確定申告や決算申告など頼んだ作業だけ取引が少なく、記帳は自分でできる人
自分で申告なしなし取引がシンプルで、会計ソフトで完結できる人

国税庁の資料(税理士制度について)でも、税理士業務の中身が確認できます。

ちなみに日本税理士会連合会によると、税理士の登録者数は令和8年9月末日現在で82,682人です。

数が多いぶん、誰に頼むかで付き合いやすさはかなり変わります。

顧問税理士に頼める業務は?法人と個人事業主で何が変わる

『顧問税理士って、結局なにをしてくれるの?』という疑問は多いですよね。

実は、法人と個人事業主では毎年発生する手続きが違うので、頼める業務の中身も変わってきます。

業務法人の顧問税理士個人事業主の顧問税理士
年1回の申告法人税・消費税の申告(事業年度終了日の翌日から2か月以内)所得税の確定申告(原則翌年3月15日まで)、消費税の申告(個人は原則翌年3月31日まで)
帳簿月次の試算表チェック、決算書の作成記帳のチェック、青色申告決算書の作成
給与まわり源泉所得税、年末調整、法定調書従業員がいれば源泉所得税と年末調整
相談役員報酬、資金繰り、融資の事業計画経費の判断、法人化のタイミング
税務調査立会いと税務署とのやりとり立会いと税務署とのやりとり

法人の場合、申告期限は事業年度の終わりから2か月以内です。

決算の準備から申告までの期間が短いので、毎月の数字を顧問税理士と一緒に固めておくと、決算の時に慌てずに済みます。

個人事業主の場合は、令和8年分の確定申告の納期限が令和9年3月15日です。

年に1回なので自分でもできそうに見えますが、従業員を雇うと給与の源泉所得税の納付も毎月の仕事になります。

源泉所得税は、原則として給与を払った月の翌月10日までに納めます。

給与を払う人が常時10人未満なら「納期の特例」で、1〜6月分を7月10日、7〜12月分を翌年1月20日にまとめて納めることもできます。

こうした期限を一緒に管理してくれるのも、顧問税理士の大事な役割です。

法人と個人事業主で顧問税理士に頼める業務の違いを並べた図解

税務調査の時にいてくれるのが心強い

顧問税理士がいると、税務調査の連絡を税理士経由で受けられる場合があります。

国税庁のFAQでは、税務調査の事前通知は原則電話で行われます。

納税者が事前に同意していれば、税務代理権限証書を出している税理士に通知すれば足りるとされています。

『いきなり税務署から電話が来たらどうしよう』という不安が、だいぶ軽くなるんですね。

税理士が立会いをする時は、税務代理権限証書を税務署に出しておきます。この書類はe-Taxで随時提出できます。

法人の顧問税理士は経営の相談先にもなる

法人の場合、顧問税理士は税金の計算だけでなく、融資の相談でも頼りになることがあります。

日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」では、認定経営革新等支援機関(税理士なども含まれます)の指導と助言を受けている人が特別利率Aの対象になる、という条件があります。

認定を受けているかどうかは、中小企業庁の「認定経営革新等支援機関検索システム」で調べられます。

融資を考えている会社なら、顧問先を選ぶ時に確かめておくと安心です。

自分の状況だと顧問契約が必要?規模別の目安

『うちの規模で顧問契約なんて大げさかも』と感じる方も多いはずです。

ここでは、よくある3つのケースで考えてみます。どれが正解というより、自分に近いケースを探してみてください。

ケース毎月の手間結論の目安
年商600万円のWebデザイナー(個人・従業員なし)取引先が数社で記帳は少なめ会計ソフトで自分で申告か、確定申告だけスポット依頼
年商2,000万円の飲食店(個人・アルバイト3人)現金売上の管理、仕入れ、毎月の給与と源泉所得税顧問契約を検討する価値あり
年商8,000万円の建設業(法人・従業員12人)外注費・材料費が多く、給与と年末調整、消費税も重い顧問契約が基本

例えば、年商600万円のWebデザイナーの場合

取引先が数社で、経費もパソコンや通信費が中心なら、会計ソフトで記帳して自分で申告している人も多いです。

不安なのが年1回の確定申告だけなら、まずはスポットで頼む選択肢もあります。

例えば、年商2,000万円の飲食店を個人で営む場合

飲食店は現金売上が多く、日々の売上の記録と仕入れの管理が欠かせません。

アルバイトを雇っていれば、給与の源泉所得税と年末調整も毎年やってきます。

「本業が忙しくて、帳簿を付けるのが月末にまとめてになってしまう」という状態なら、顧問契約で毎月チェックしてもらうと決算前に慌てにくくなります。

例えば、年商8,000万円の建設会社(法人)の場合

外注先への支払い、材料の仕入れ、従業員の給与と、毎月動くお金の種類が多くなります。

法人税と消費税の申告期限はどちらも事業年度の終わりから2か月以内なので、顧問税理士と毎月の数字を固めておくのが現実的です。

個人事業主の目安をもっと詳しく知りたい方は、個人事業主の税理士の選び方と頼める業務も参考にしてみてください。

逆に「まだ付けなくてもいいのでは」と迷う方は、顧問税理士がいらないケースと契約しない場合のリスクで判断材料をまとめています。

顧問料はいくら?税理士ドットコムが示す目安

『毎月いくら払うことになるの?』というのが、やっぱり気になるところですよね。

実は、税理士の報酬には国が決めた基準がありません。

税理士会が定めていた報酬規定は平成14年(2002年)3月31日で廃止され、今は税理士が依頼内容に応じて金額を提示する形になっています。

そのため、ここでは民間の税理士ドットコムが示している目安を紹介します。あくまで目安で、統計ではない点に注意してください。

年間売上(法人)顧問料(毎月面談)6か月に1回面談記帳代行決算料(年額)
1,000万円未満25,000円〜15,000円〜月5,000円〜追加100,000円〜
1,000万〜3,000万円未満30,000円〜20,000円〜月5,000円〜追加120,000円〜
3,000万〜5,000万円未満35,000円〜25,000円〜月5,000円〜追加140,000円〜
5,000万〜1億円未満40,000円〜30,000円〜月10,000円〜追加160,000円〜

出所: 税理士ドットコム「税理士の費用・報酬・顧問料の相場はいくら?」

個人事業主の場合は、同じく税理士ドットコムの目安で、売上1,000万円未満なら毎月面談で20,000円〜、確定申告料が80,000円〜です。

見てのとおり、面談の回数を減らしたり、記帳を自分でやったりすると金額は変わります。

料金の決まり方をくわしく知りたい方は顧問料の相場と決まり方、とにかく費用を抑えたい方は税理士を安く頼む方法を見てみてください。

売上が伸びて記帳が追いつかない、法人化を考え始めた、という段階なら、条件に合う顧問税理士を探してもらうと比べる手間が省けます。

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顧問税理士の選び方は?契約前に確かめたいこと

顧問税理士は長く付き合う相手です。だからこそ、料金だけで決めると後から『こんなはずじゃなかった』となりがちなんです。

面談の前に、次の点をメモしておくと比べやすくなります。

顧問税理士を選ぶ前のチェック
  • 自分の業種の顧問先を担当したことがあるか
  • 顧問料に含まれる作業と、別料金になる作業はどれか
  • 面談の頻度と、普段の連絡手段(電話・メール・チャット)
  • 実際に担当するのは税理士本人か、事務所の職員か
  • 税務調査の立会いは顧問料に含まれるか
  • 使っている会計ソフトに対応しているか

面談では、こんなふうに聞いてみるのがおすすめです。

「決算料と年末調整は、顧問料とは別ですか?」

「税務調査の連絡が来たら、立会いはお願いできますか?」

こうした質問にはっきり答えてくれる事務所なら、契約後のやりとりもスムーズなことが多いです。

税理士事務所の顧問と、大きな会社の顧問の違い

税理士が1人で営む事務所もあれば、複数の税理士が在籍する税理士法人もあります。

日税連によると、税理士法人の届出数は5,346件です。

上場企業のように取引も拠点も多い会社では、複数のスタッフで担当できる税理士法人に頼む形も見られます。

一方、中小企業や個人事業主なら、税理士本人とすぐ話せる小さな事務所のほうが相談しやすい場合もあります。

相手が本当に税理士か確かめておく

日本税理士会連合会の「税理士情報検索サイト」で、名前や事務所から登録を確かめられます。

税理士と税理士法人は、事務所の所在地を管轄する税理士会に所属し、日税連に登録されているからです。

最近はオンラインで顧問を受ける事務所も増えています。対面なしで頼む時の注意点はオンライン顧問の選び方で紹介しています。

女性の税理士に相談したい方は、女性税理士に顧問を頼む時の選び方も読んでみてください。

契約までの流れは?はじめての顧問税理士

『何から始めればいいか分からない』という方のために、契約までの流れをまとめます。

顧問税理士と契約するまで
  1. 自分の状況をメモする(年商、業種、従業員数、使っている会計ソフト、困っていること)
  2. 候補を2〜3事務所探す(紹介、紹介サービス、税理士会の情報など)
  3. 面談で頼む範囲と料金の内訳を聞く
  4. 見積もりを並べて比べる
  5. 契約書で業務の範囲と料金を確認して契約する
顧問税理士と契約するまでの流れを5つの段階で表した図解

1のメモは、面談の時間を短くしてくれます。

例えば「年商2,000万円の飲食店、アルバイト3人、記帳は自分でしているが月末にまとめてになりがち」と書くだけで、税理士も見積もりを出しやすくなるんです。

候補の探し方に迷ったら、税理士の探し方も参考にしてみてください。

税務顧問と会計顧問の違いが気になる方は、税務顧問と会計顧問の違いで頼み分けの目安を紹介しています。

税理士会の無料相談で下調べするのも手

全国15の税理士会は、税理士記念日の2月23日を中心に無料の税務相談会を開いています。

日本税務研究センターと連携した電話の税務相談室もあります。

利用の条件は税理士会ごとに違うので、日本税理士会連合会の相談会のページから確かめてみてください。

自分で比べる時間がない、業種に合う税理士を何人か紹介してほしい、という方は紹介サービスに条件を伝えて探してもらうのも一つの方法です。

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よくある質問

顧問税理士とは何ですか?

月額の顧問料で継続して契約し、記帳のチェック、決算や申告、日々の税務相談、税務調査の対応などをまとめて引き受ける税理士のことです。年1回の申告だけを頼むスポット依頼より、関わる回数と相談できる範囲が広くなります。

法人と個人事業主で、顧問税理士の役割は違いますか?

違います。法人は法人税と消費税の申告が事業年度終了から2か月以内で、月次の試算表や役員報酬の相談が中心になります。個人事業主は所得税の確定申告と記帳のチェックが中心です。従業員がいれば、どちらも源泉所得税や年末調整が加わります。

顧問料の公的な基準はありますか?

ありません。税理士会の報酬規定は平成14年3月31日に廃止され、今は税理士が依頼内容に応じて金額を決めています。目安を知りたい時は、税理士ドットコムなど民間の公表値を参考にし、見積もりで内訳を確かめるのが現実的です。

顧問税理士がいると税務調査は来なくなりますか?

来なくなるとは言えません。顧問税理士がいると、事前の同意があれば調査の連絡を税理士が受けられたり、立会いを頼めたりします。書面添付制度で事前に意見を述べる機会もありますが、国税庁は調査の省略を前提にしたものではないとしています。

相手が本物の税理士か確かめる方法はありますか?

日本税理士会連合会の「税理士情報検索サイト」で登録を確かめられます。税理士と税理士法人は、事務所の所在地を管轄する税理士会に所属し、日税連に登録されています。

まとめ

この記事の要点
  • 顧問税理士は、税務代理・税務書類の作成・税務相談を毎月継続して引き受ける相談相手
  • 法人は申告期限が事業年度終了から2か月以内なので、毎月の数字を一緒に固めておくと楽
  • 個人事業主でも、従業員がいる・現金売上が多い・売上が伸びている時は顧問契約を検討する価値あり
  • 顧問料に公的な基準は無く、税理士ドットコムの目安では法人の売上1,000万円未満で毎月面談25,000円〜
  • 契約前に、料金に含まれる作業・担当者・連絡手段・税務調査の対応を確かめておく
顧問税理士の選び方ナビ

顧問税理士の選び方ナビ 編集部

個人事業主・フリーランス・会社経営者が、自分の状況に合った顧問税理士を探せるよう、公的機関の公開情報をもとに費用・探し方・頼める範囲を解説しています。 公式サイト

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