経理担当の退職後に経理を外注するには|引き継ぎと税理士への依頼

経理担当の退職後に経理を外注する時の引き継ぎと税理士への依頼を解説する記事のアイキャッチ

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長く経理を任せていた担当者から退職の話があって、『来月から誰が給与を払って、帳簿をつけるんだろう』と焦っている方もいますよね。

結論から言うと、まずは期限のある手続きを止めないこと、そして退職までに資料とやり方を引き継いでおくことが先です。この記事を読めば、外注までの段取りと、税理士に何を頼めばよいかが分かります。

経理担当が退職したら、外注はどう進める?

先に結論

経理担当の退職が決まったら、退職日までに資料と毎月の作業の手順を書き出してもらい、期限のある納付と申告を外注先に引き継ぎます。記帳の入力は代行会社にも頼めますが、決算書や申告書の作成、税金の相談は税理士の業務なので、申告まで任せるなら税理士への依頼が必要です。

退職まで時間が少ないと、引き継ぎは口頭で済ませがちなんです。でも、後から『あの支払い、どこで管理していたんだっけ』となるのがよくある困りごとです。

外注先を探すのと並行して、まずは担当者に「毎月やっていること」を書き出してもらいましょう。

止めてはいけない手続きと期限

経理の仕事の中には、遅れるとペナルティがかかる手続きがあります。退職のタイミングに関係なく期限は来るので、ここだけは先に担当を決めておきたいところです。

手続き期限
源泉所得税の納付原則、給与を払った月の翌月10日まで
源泉所得税(納期の特例を受けている場合)1〜6月分は7月10日、7〜12月分は翌年1月20日
年末調整12月に行う(年間の税額との差額を精算)
法定調書(源泉徴収票など)の提出原則、翌年1月31日まで
法人税の確定申告事業年度が終わった日の翌日から2か月以内
法人の消費税の確定申告課税期間が終わった日から2か月以内

『納期の特例を受けているかどうかも分からない』という方も多いはずです。これは担当者に確認するか、過去の納付書の控えを見ると分かります。

期限を過ぎて申告すると、無申告加算税や延滞税がかかることがあります。延滞税は、納期限の翌日から2か月以内なら年2.8%、2か月を超えると年9.1%です(令和8年)。詳しくは国税庁の延滞税についての案内で確認できます。

退職までに引き継いでおくこと

ここが大事なところです。外注先は、会社の中の事情を知りません。担当者の頭の中にしかない情報を、退職までに紙やデータに残してもらう必要があります。

引き継ぎで集めておくもの
  • 会計ソフトのログイン情報とデータの保存場所
  • 取引している銀行口座、カード、ネットバンキングの一覧
  • 毎月の支払い先と支払日、売上の入金先と入金日の一覧
  • 給与の計算方法、従業員ごとの扶養や手当の情報
  • 前期の決算書と申告書の控え、税理士とやりとりしていた資料
  • 毎月・毎年の作業のカレンダー(いつ何をしているか)

例えば、引き継ぎの場でこんなやりとりをしておくと、後から困りません。

「この取引先への支払いは、毎月いつ、どの口座からですか?」
「月末にネットバンキングで払っています。請求書はこのフォルダにまとめてあります」

ネットバンキングの権限やパスワードの扱いは、退職前に経営者側で切り替えておきましょう。担当者しか操作できない状態のまま退職されると、支払いが止まることも。

退職後に気づきやすい抜け

実は、引き継ぎで漏れやすいのは、毎月ではなく年に一度だけ発生する作業なんです。年末調整や法定調書の提出、決算前の在庫の確認などは、担当者も手順を忘れていることがあります。

例えば、決算月の前に担当者が辞めるケースでは、前期の決算でどんな資料を税理士に渡したかを聞いておくと、次の決算の準備がぐっと楽になります。年末調整の外注については年末調整をアウトソーシングする方法でも紹介しています。

経理担当の退職から外注までの流れを示した図解

税理士と代行会社、どこに何を頼む?

経理の外注先は、税理士事務所、記帳や給与計算を受ける代行会社、社会保険の手続きを受ける社会保険労務士に分かれます。

税理士でない人は、無償であっても申告書の作成や税金の相談を行えません。そのため、代行会社に頼めるのは記帳の入力や支払いの準備などに限られます。

頼みたい作業税理士事務所代行会社
記帳の入力頼める頼める
給与計算対応する事務所が多い頼める
年末調整頼める書類の取りまとめまで
決算書・申告書の作成頼める頼めない(税理士の業務)
税金の相談頼める頼めない(税理士の業務)

社会保険や労働保険の手続きは、社会保険労務士の仕事です。給与まわりをどこまで税理士に頼めるかは給与計算代行を税理士に頼む費用で詳しく解説しています。

『窓口が分かれると面倒そう』と思いますよね。すでに顧問税理士がいるなら、まずはその税理士に記帳や給与計算まで頼めるか相談してみると、窓口が一つで済みます。

経理を外注すると、費用はいくら?

税理士の報酬には公的な基準がなく、税理士会の報酬規定は平成14年3月31日に廃止されています。ここでは、税理士ドットコムが公表している民間の目安を紹介します。

作業費用の目安(税理士ドットコム)
記帳代行(スポット)1仕訳50〜100円
記帳代行(法人の顧問契約に上乗せ)月額+5,000円〜
給与計算1人1,000円
年末調整従業員10人まで2万円、1人増えるごとに1,000円
決算申告(スポット)15万円〜

例えば、年商5,000万円の建設業を法人で営み、従業員が8人いるケースを考えてみてください。記帳と給与計算、年末調整、決算までを外注すると、毎月の作業と年に一度の作業の両方に費用がかかります。

担当者1人の人件費と比べて高いか安いかは、会社の取引量によって違います。経理全体をまとめて任せる考え方は経理を丸投げしたい会社の準備でも紹介しています。

外注までの流れ
  1. 退職日と、止められない手続きの期限を確認する
  2. 担当者に毎月・毎年の作業と資料の場所を書き出してもらう
  3. 税理士や代行会社に見積もりを頼み、頼む範囲を決める
  4. 退職前に外注先と担当者の引き継ぎの場を設ける
  5. 最初の数か月は、試算表と支払いの記録を経営者自身も確認する

経理担当が辞めて記帳が止まりそう、給与の支払いや年末調整が迫っている、申告まで一緒に見てほしい。こんな状況なら、記帳から申告まで相談できる顧問税理士を探すと、窓口が一つにまとまって楽になります。

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よくある質問

退職まで時間がなく、引き継ぎが不十分なまま外注しても大丈夫ですか?

外注は始められますが、資料の場所や支払いの予定が分からないと、外注先も作業を進められません。最低限、会計ソフトのデータ、口座の一覧、前期の申告書の控えだけは退職前に受け取っておきましょう。

経理担当の退職後、すぐに後任を雇うのと外注するのはどちらがいいですか?

取引の量や、社内に経理の知識がある人がいるかで変わります。後任が決まるまでの間だけ外注し、その後に社内へ戻す会社もあります。

税理士に頼めば、支払いの振込みまでやってもらえますか?

振込み作業まで受けるかは事務所によって違います。口座の操作を外に任せるかどうかも含めて、契約前に確認してみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 経理担当の退職が決まったら、源泉所得税の納付や申告など期限のある手続きの担当を先に決める
  • 退職までに、資料の場所、支払いの予定、毎月の作業を書き出してもらう
  • 記帳の入力は代行会社にも頼めるが、申告書の作成と税金の相談は税理士の業務
  • 外注しても、最初の数か月は経営者自身が試算表と支払いを確認する
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顧問税理士の選び方ナビ 編集部

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