電気工事士が法人化する目安は?元請けとの契約名義と社会保険の負担を比較

電気工事士が法人化の目安を、元請けとの契約名義と社会保険の負担から比べる記事のアイキャッチ

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独立して電気工事の仕事が順調に回り始めると、『そろそろ会社にした方がいいのかな』と考えますよね。

結論から言うと、電気工事士の法人化は、税金の差だけでなく「元請けとの契約名義」と「社会保険の負担」を並べて判断するのが大切です。名義が変わると、登録や取引口座の手続きもまとめて動くからなんです。

この記事を読むと、電気工事士が法人化を考える目安と、契約名義の切り替えで気をつけたい点が分かります。

電気工事士が法人化する目安は?

先に結論

電気工事士の法人化の目安は、利益が安定して所得税の税率が高い段階に入った時、元請けから法人での取引を求められた時、職人を雇って事業を広げたい時です。ただし法人は社長1人でも社会保険の加入が要り、電気工事業の登録や元請けとの契約も会社名義に切り替えます。手取りと手続きの両方を税理士と確認してから決めましょう。

税率の仕組みを先に見ておきましょう。

個人の所得税は、国税庁の税率表のとおり、課税所得が695万円以上で23%、900万円以上で33%と段階的に上がります。

資本金1億円以下の会社の法人税は、国税庁の法人税率の説明によると、所得の年800万円以下の部分が15%、800万円を超える部分が23.2%です。

比べる点個人の電気工事業会社にした場合
税の種類所得税(累進課税)法人税+役員報酬に所得税
社会保険従業員5人以上で原則加入社長1人でも加入
元請けとの契約個人名義会社名義に切り替え
電気工事業の登録個人で登録・届出会社として手続き
インボイス個人の登録番号会社として別に登録

『税率が下がるなら、すぐにでも会社にしたい』という気持ちも分かります。ただ、名義が変わると手続きが一気に増えるので、そこも含めて考えておきたいんです。

元請けとの契約名義はどう切り替える?

電気工事の仕事は、元請けとの基本契約や取引口座の登録をもとに回っていることが多いですよね。

会社にすると、契約の相手は「個人の電気工事士」から「会社」に変わります。契約書を結び直し、請求書の名義や振込先の口座も会社のものに切り替えることになります。

インボイスの登録番号も、個人で取った番号は会社では使えないので、会社として登録を申請します。元請けは登録番号を確認して取引することが多いので、切り替えの時期を先に伝えておくと安心です。

『名義を変えたら、仕事を回してもらえなくなるかも…』と不安になる方もいますよね。そう感じるのは自然です。切り替えの理由と時期を先に伝えておくと、元請けも準備がしやすくなります。

元請けの担当者とは、こんなやり取りになることが多いです。

「来月から会社にする予定なんですが、取引口座の切り替えはどうすればいいですか?」
「登記ができたら、会社の登録番号と振込先を出してください。基本契約も会社名義で結び直しましょう」

もう1つ、電気工事業ならではの手続きがあります。東京都環境局の案内のとおり、電気工事業を営むには、建設業許可がない方は登録電気工事業者として登録、建設業許可がある方はみなし登録電気工事業者として届出をします。名義が個人から会社に変わる時の手続きは、営業所のある都道府県の窓口で確認しておきましょう。

建設業許可を持っている方は、許可の引き継ぎも必要です。事業譲渡の前に認可を受ける仕組みがあるので、建設業を法人化する目安と建設業許可の引き継ぎもあわせて読んでみてください。

電気工事士が法人化する時に切り替える、元請けとの契約、インボイスの登録、電気工事業の登録の3つを示した図解

社会保険の負担はどれくらい変わる?

ここが手取りに大きく効くところです。

日本年金機構の説明では、法人の事業所は事業主のみの場合でも健康保険・厚生年金保険の適用事業所になります。個人の事業所は、従業員が常時5人以上いる場合に原則として適用されます。

例えば、見習いを2人雇っている個人の電気工事業なら、今は加入義務がない場合もあります。会社にすると、社長と見習い2人の分の保険料を会社が負担することになるんです。

一方で、社会保険に入っていると人を採用しやすくなる、元請けの現場に入りやすくなる、という面もあります。負担の増え方だけで決めず、事業をどう広げたいかで考えてみてください。

電気工事士の状況考えたい選択
1人で動いていて、利益の波が大きい個人のまま確定申告をスポットで依頼
利益が毎年安定して高く、所得税の負担が重い法人化の試算を税理士に依頼
元請けから法人での取引を求められている法人化と契約名義の切り替えを同時に進める
見習いや職人を雇って現場を増やしたい法人化と顧問契約、社会保険の段取りを検討

消費税は、国税庁の説明で、新しく作った会社は資本金1,000万円以上の場合などを除き、設立1期目と2期目は原則として納税義務が免除されるとされています。ただ、元請けとの取引のために会社でもインボイス登録をする場合は、申告が要ります。

税理士に相談する時は何を準備する?

電気工事士の法人化では、税理士に手取りの試算と、設立後の決算や給与の手続きを相談する形が一般的です。

相談の前に用意しておきたいもの
  • 過去2〜3年分の確定申告書の控え
  • 元請けごとの売上と入金の記録
  • 材料費・車両・工具などの主な経費
  • 雇っている人の給与の記録
  • 元請けとの基本契約書の写し

会社設立の流れと設立後の顧問契約については、会社設立の税理士の選び方と設立後の顧問契約で詳しく解説しています。

費用の面では、税理士ドットコムが示す目安で、法人の顧問契約は年間売上1,000万〜3,000万円未満で毎月訪問なら月30,000円から、決算料は120,000円からとされています。民間の目安で、報酬は事務所ごとに自由に決まります。顧問料の決まり方は税理士の顧問料相場も参考にしてみてください。

元請けから会社にしてほしいと言われている、見習いを雇って給与や社会保険の手続きが増えてきた、名義の切り替えを一度にまとめて進めたい、という方は、顧問税理士を探して試算から相談してみると段取りが組みやすくなります。

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よくある質問

電気工事士は売上いくらで法人化した方がいいですか?

売上だけでは決まりません。利益の水準、雇っている人数による社会保険料の増え方、元請けの取引条件で結論が変わります。過去の申告書をもとに税理士に試算してもらいましょう。

法人化したら元請けとの契約はやり直しになりますか?

契約の相手が個人から会社に変わるので、基本契約や取引口座、請求書の名義を会社に切り替えます。インボイスの登録番号も会社として取り直すので、元請けには早めに伝えておくと安心です。

電気工事業の登録も会社で取り直すのですか?

名義が個人から会社に変わるので、会社としての手続きが要ります。具体的な手続きは営業所のある都道府県の窓口で確認してみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 電気工事士の法人化は、税率差に加えて契約名義と社会保険の負担で判断する
  • 会社にすると、元請けとの契約、請求書、振込先を会社名義に切り替える
  • インボイスの登録番号と電気工事業の登録も会社として手続きする
  • 法人は社長1人でも健康保険・厚生年金の加入が要る
  • 試算と設立後の決算は税理士、登録の細かい手続きは都道府県の窓口で確認する
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