当サイトは国税庁・日本税理士会連合会などの公開情報をもとに編集部が執筆しています。記事内のサービス紹介には広告を含みます。
決算の締め日はとっくに過ぎたのに、税理士から試算表も決算書もまだ届かない。催促しても「もう少しお待ちください」ばかり。申告期限が近づいて、焦っている方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、まずは今日のうちに税理士へ「期限に間に合うか」をはっきり確認することです。この記事を読めば、申告期限と延長のしくみ、遅れた時のペナルティ、乗り換えを考える目安が分かります。
税理士の決算が間に合わない時、最初に確認すること
税理士の決算が間に合わないと感じたら、まず申告期限の日付と、今どこまで作業が進んでいるかを税理士に確認します。法人税の申告期限は事業年度終了日の翌日から2か月以内です。期限を過ぎると無申告加算税や延滞税がかかるので、間に合わないなら期限内の申告を最優先にしてもらいましょう。
『税理士に任せているんだから、期限は向こうが守ってくれるはず』と思いますよね。
ただ、申告をする義務があるのは、会社や個人事業主であるあなた自身です。期限に遅れた時のペナルティも、まず納税者にかかります。
だからこそ、遠慮せずに状況を聞いてみてください。例えば、こんな聞き方です。
「申告期限は何日ですか?今の作業はどこまで進んでいますか?」
「あと売上の一部の資料がそろえば、期限の1週間前には申告書をお見せできます」
返ってきた答えがあいまいだったり、具体的な日付が出てこなかったりする時は、注意が必要なサインです。
遅れの原因が自分の側にないかも見ておく
決算が遅れる理由は、税理士側だけとは限りません。通帳のコピーや領収書、請求書の控えを渡すのが遅れていると、作業は進められないんです。
『資料は全部渡したはず』と思っていても、確認してみると抜けがあることも。「足りない資料はありますか?」と一言聞くだけで、話が早く進むことがあります。
申告期限と延長のしくみ
申告期限は、税金の種類と、法人か個人かで変わります。国税庁の主な国税の納期限の案内をもとに、主なものを並べました。
| 税金の種類 | 申告期限 | 延長のしくみ |
|---|---|---|
| 法人税 | 事業年度終了日の翌日から2か月以内 | 条件に当てはまれば延長特例の申請で原則1か月 |
| 法人の消費税 | 課税期間終了の日から2か月以内 | 法人税の延長特例を受ける法人が届出をすると1か月(利子税がかかる) |
| 個人の所得税 | 原則として翌年3月15日 | 令和8年分は令和9年3月15日(月)が納期限 |
| 個人事業者の消費税 | 原則として翌年3月31日 | 令和8年分は令和9年3月31日(水)が納期限 |
法人税の延長特例は「間に合わないから」で使うものではない
法人税には、申告期限の延長の特例があります。国税庁の延長の特例の申請の案内では、定款の定めなどで決算の定時総会が2か月以内に招集されない常況にある場合などに、申請書を出すと原則1か月延長されます。
申請書には定款の写しなどの添付が必要です。つまり、「税理士の作業が遅れているから」という理由だけで使える制度ではないんです。自社が当てはまるかどうかは、税理士や税務署に確認してみてください。
なお、消費税も延長する場合は、延長した期間の分の利子税がかかります。延長しても負担がゼロになるわけではない点は覚えておきましょう。

期限に遅れたらどうなる?加算税と延滞税
期限を過ぎてから申告することを期限後申告と言います。国税庁の確定申告を忘れたときの案内では、期限後申告には無申告加算税がかかり、割合は申告したタイミングで変わります。
| 期限後申告のタイミング | 無申告加算税の割合 |
|---|---|
| 税務調査の事前通知の前に自分から申告 | 5% |
| 事前通知の後、調査による決定を予知する前 | 50万円まで10%、50万円超300万円まで15%、300万円超25% |
| 調査を受けた後・決定を受けた場合 | 50万円まで15%、50万円超300万円まで20%、300万円超30% |
ここが大事なところです。次の3つをすべて満たせば、無申告加算税はかかりません。
- 法定申告期限から1か月以内に、自分から期限後申告をしている
- 納めるべき税額の全額を、法定納期限までに納付している
- 過去5年以内に無申告加算税や重加算税を課されておらず、この扱いも受けていない
もし申告書が間に合わなくても、税額の見込みが立つなら、期限までに納付だけ済ませておけるかを税理士に相談してみてください。
さらに、納付が遅れた日数に応じて延滞税もかかります。令和8年(2026年)の割合は、納期限の翌日から2か月以内が年2.8%、2か月を超えた後は年9.1%です。遅れるほど負担は増えていきます。
乗り換えを考える目安と注意点
1回だけ遅れたからといって、すぐに乗り換える必要はありません。ただ、毎年のように期限ぎりぎりになる、連絡しても返事がない、という状態なら考えどきです。
| 状況 | 考えたい対応 |
|---|---|
| 資料の渡しが遅れたことが原因 | 次の期から資料を早めに渡す |
| 今回だけ遅れ、説明と対策がある | 様子を見る |
| 毎年のように期限ぎりぎりになる | 決算後に乗り換えを検討する |
| 連絡がつかず、進み具合も分からない | すぐ次の税理士に相談する |
『期限直前に乗り換えて間に合うの?』と不安になりますよね。正直なところ、期限直前に新しく引き受けてくれる事務所は限られます。
だからこそ、今の税理士とは今期の申告をやり切ってもらい、決算と申告が終わってから切り替えるのが現実的です。進め方は税理士変更の進め方、切り替えの時期は税理士を変えるタイミングで解説しています。
連絡がなかなか取れない場合は税理士と連絡が取れない時の対処法も参考にしてみてください。
次の税理士に相談する時は、過去の決算書と申告書の控え、今期の帳簿がどこまでできているかを伝えられるようにしておきましょう。手元に資料があるほど、引き受けてもらえるかの判断も早くなります。
面談では「決算の何日前に資料をそろえればいいか」「申告書はいつ見せてもらえるか」も聞いておくと、同じ遅れを繰り返しにくくなります。
毎年の決算が期限ぎりぎりで落ち着かない、売上が増えて今の事務所では手が回っていない。そんな状況なら、決算の段取りに強い顧問税理士を早めに探しておくと安心です。
税理士ドットコム
あなたの業種・規模に合う顧問税理士を無料で紹介
記帳や申告に手が回らない、法人化を考えている、今の税理士の対応に不満があるといった場合は、条件に合う顧問税理士を紹介してもらうのが近道です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から、予算や業種に合う税理士を無料で紹介してもらえます。
紹介料無料税理士ドットコムで顧問税理士を紹介してもらう(税理士ドットコムの紹介ページに移動します・24時間365日受付)
よくある質問
税理士のせいで期限に遅れた場合、加算税は税理士が払ってくれますか?
加算税はまず納税者に課されます。税理士に負担を求められるかは、遅れの原因や契約の内容しだいです。話がまとまらない時は弁護士などの専門家に相談してみてください。
個人事業主の確定申告も延長できますか?
この記事で紹介した延長の特例は法人税と法人の消費税のしくみです。個人の場合は、期限を過ぎた時の扱いも含めて税理士や税務署に確認してみてください。
決算の途中で税理士を変えることはできますか?
できますが、次の税理士が引き受けてくれるか、途中までの帳簿をどう引き継ぐかが課題になります。申告期限が近いほど難しくなるので、早めに相談しておきましょう。
まとめ
- 決算が遅れていると感じたら、期限の日付と作業の進み具合をすぐ確認する
- 法人税の申告期限は事業年度終了日の翌日から2か月以内
- 延長の特例は定款の定めなど条件があり、遅れの言い訳には使えない
- 期限後申告には加算税と延滞税がかかり、乗り換えは申告が終わってからが現実的




