法人成りのタイミングを税理士に相談する目安|所得いくらから考える?

法人成りのタイミングを税理士に相談する目安を解説する記事のアイキャッチ

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売上が伸びてきて、まわりから「そろそろ会社にしたら?」と言われるようになった。でも、本当に今なのか決めきれない。そんな方も多いはずです。

結論から言うと、法人成りに「所得がいくらになったら」という決まった線はありません。この記事を読めば、税理士に相談するタイミングの目安と、相談の時に用意しておく数字が分かります。

法人成りは所得いくらから考えればいい?

先に結論

法人成りに全員共通の所得の基準はありません。所得税は所得が増えるほど税率が上がるしくみなので、利益が伸びて税負担が重く感じ始めた頃が、税理士に相談する目安です。会社にすると手続きや税理士費用も増えるため、税金だけでなく手間と費用も含めて比べてから決めましょう。

『ネットで見かける「所得がいくらなら会社に」という目安、信じていいの?』と思いますよね。

実は、そうした数字はあくまで一つの目安です。家族構成や、自分に払う報酬、会社に残したいお金によって、得になるかどうかは変わります。

まずは、税金のしくみの違いを押さえておきましょう。

比べる点個人事業(所得税)会社(法人税)
税率のしくみ5%から45%の7段階で、所得が増えるほど上がる資本金1億円以下の法人などは、年800万円以下の部分と超える部分で税率が分かれる
自分への給与事業の利益がそのまま自分の所得役員報酬として払い、会社の経費にできる形がある
申告の期限原則翌年3月15日事業年度終了日の翌日から2か月以内

所得税の税率は、課税される所得金額が695万円からは23%、900万円からは33%に上がります。税率の表は国税庁 タックスアンサー No.2260 所得税の税率で確認できます。

法人税の税率は国税庁 タックスアンサー No.5759 法人税の税率にまとまっています。自分の場合にどちらが得かは、税理士に試算してもらってください。

税理士に相談するタイミングの目安

『いつ相談すればいいのか分からない』という声もよく聞きます。相談を考えたいのは、こんな時です。

こんな状況になったら相談したいこと
利益が伸びて、所得税と住民税の負担が重く感じる会社にした場合の税金の試算
取引先から「法人でないと契約しにくい」と言われた設立の時期と、取引先への切り替え方
人を雇う予定がある給与や源泉所得税の手続き
融資を受けて事業を広げたい会社で借りるか、個人で借りるか
家族にも事業を手伝ってもらっている家族を役員にするか、給与をどうするか

例えば、こんなやり取りになります。

「来年も今年と同じくらい利益が出そうなんです」<br>「では、今の所得と来年の見込みで、個人のままの場合と会社にした場合を比べてみましょう」

例えば、年商2,000万円で、外注費の少ないデザイン事務所を1人で営むケース。利益が多く残りやすいので、所得税の税率が上がる段階に入っていれば、会社にした場合の試算を見ておく価値があります。

一方、同じ年商でも、仕入れや人件費の多い飲食店なら、手元に残る利益はぐっと小さくなります。売上ではなく利益で考える、ここが大事なところです。

会社にすると、利益を役員報酬と会社に残す分に分けられます。分け方で税金が変わるので、報酬額のパターンをいくつか出してもらうと比べやすいですよ。

決算や確定申告の数字がそろう時期は、試算がしやすいタイミングです。次の年の見込みも一緒に持っていくと、話が具体的になります。

会社にすると増える手続きと費用

法人成りを考える時に、税金の差、会社にすると増える手続き、税理士費用の3つを比べることを示した図解

法人成りで見落としやすいのが、会社にした後の手間です。税金が少し下がっても、手続きや費用が増えると手元に残るお金はあまり変わらないことも。

会社にすると、例えばこんな手続きが増えます。

  • 役員報酬を決め、原則として期首から3か月以内に改定する
  • 給与から源泉所得税を差し引き、原則として翌月10日までに納める
  • 年末調整をして、法定調書を原則翌年1月31日までに出す
  • 法人税の申告を、事業年度終了日の翌日から2か月以内に行う

役員報酬は、国税庁の案内で、経費にできる払い方や額を変えられる時期が決められています。詳しくは役員報酬の決め方の相談で解説しています。

税理士の費用も変わります。報酬に公的な基準はありませんが、税理士ドットコムが示す目安では、年間売上1,000万円未満の場合、個人事業主の顧問料は毎月訪問で20,000円から、法人は25,000円からです。

法人の決算料は、同じく年間売上1,000万円未満で100,000円からとされています。設立の時は、税理士に頼んで電子定款にすると、定款に貼る印紙代4万円がかからないとも紹介されています。

会社を作る時は、設立の登記などの費用もかかります。設立だけを頼むのか、設立後の記帳や決算まで任せるのかで、見積もりの中身が変わるので、相談の時に分けて聞いておきましょう。

『税金が下がる分で、税理士費用はまかなえるの?』という疑問は当然です。ここも税理士に試算してもらいましょう。

相談する前に用意しておく数字

法人成りの相談は、数字があるほど中身が濃くなります。次のものをそろえてから相談してみてください。

法人成りの相談で用意しておくもの
  • 直近2年分ほどの確定申告書と決算書
  • 来年の売上と利益の見込み
  • 毎月の生活に必要な金額(役員報酬を考えるため)
  • 家族に手伝ってもらっているか、人を雇う予定があるか
  • 融資や設備投資の予定

単発で試算だけ頼みたい方は税理士のスポット相談を、無料でどこまで聞けるかを知りたい方は個人事業主が税理士に相談するにはを参考にしてみてください。

自分で決めるか、顧問税理士と決めるか

法人成りは、設立の手続きで終わりではありません。会社にした後の役員報酬や決算まで、毎年の判断が続きます。

状況おすすめの頼み方
まだ迷っている段階で、試算だけ見たいスポット相談で試算してもらう
会社にすると決めた設立前から顧問税理士と一緒に準備する
会社にしない判断をした個人のまま、申告や節税の相談を続ける

会社にしてからの記帳や決算を、最初から任せられる税理士がいると楽ですよ。設立の前に相談を始めれば、役員報酬の決め方まで一緒に考えてもらえます。

利益が伸びて税負担が気になってきた、取引先から法人化を勧められた。そんな方は、顧問税理士を探して一度試算してもらうと判断しやすくなります。

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よくある質問

法人成りは所得いくらからが得になりますか?

全員に共通する金額はありません。所得税は所得が増えるほど税率が上がりますが、会社にすると役員報酬の手続きや税理士費用などが増えます。家族構成や報酬の額で結果が変わるので、税理士に試算してもらうのが確かです。

法人成りの相談はいつすればいいですか?

確定申告や決算の数字がそろい、次の年の見込みが立った頃が試算しやすい時期です。会社にすると決めたら、役員報酬の決め方もあるので、設立の前から相談しておきましょう。

法人成りの相談だけでも税理士に頼めますか?

スポット相談として試算だけ受けている税理士もいます。会社にした後も記帳や決算を任せたいなら、最初から顧問契約を前提に相談すると話が早いです。

まとめ

この記事の要点
  • 法人成りに全員共通の所得の基準はない
  • 所得税は所得が増えるほど税率が上がるので、税負担が重く感じた頃が相談の目安
  • 会社にすると役員報酬・源泉所得税・法人税申告などの手続きと費用が増える
  • 確定申告の数字と来年の見込みを持って、税理士に試算してもらう
顧問税理士の選び方ナビ

顧問税理士の選び方ナビ 編集部

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