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取引先が増えてくると、『源泉徴収で毎回1割も引かれるのがつらい。法人にしたら変わるの?』と感じますよね。
結論から言うと、法人化するとデザイン料は源泉徴収されずに入金されるのが基本です。ただ、源泉徴収は税金の前払いなので、入金が増えることと税金が減ることは別の話なんです。
この記事では、デザイナーが法人化する目安と、源泉徴収の有無で手取りがどう変わるかが分かります。
デザイナーが法人化する目安は?
目安は、利益が増えて所得税の税率が上がってきた時です。法人化すると取引先からの源泉徴収がなくなり、入金額は増えます。ただ、税金そのものは所得税と法人税の差、社会保険料、役員報酬の額で決まります。入金の増え方だけで判断せず、1年間の手取りを税理士と試算しましょう。
国税庁の所得税の税率では、所得税は5%から45%の7段階です。法人税の税率は、資本金1億円以下の法人なら年800万円以下の部分が15%、超える部分が23.2%です。
デザインの仕事は、パソコンやソフトの費用はあっても、仕入れはほとんどありません。売上が伸びると、そのまま所得が増えて税率が上がりやすいんです。
『じゃあ源泉徴収がなくなる分、まるまる得になる?』と思いますよね。ここを次で詳しく見ていきます。
デザイン料の源泉徴収は個人と法人でどう違う?
国税庁の源泉徴収のあらましでは、居住者に支払うデザイン料は源泉徴収の対象とされています。工業デザインやグラフィックデザインなどが例に挙がっていて、デザインの種類によっては対象外になるものもあります。
税額は、国税庁の原稿料や講演料等を支払ったときと同じ計算です。
| 支払金額 | 源泉徴収される額 |
|---|---|
| 100万円以下の部分 | 支払金額の10.21% |
| 100万円を超える部分 | 超えた部分の20.42%+102,100円 |
例えば、個人のデザイナーが1回50万円のデザイン料を受け取る場合、10.21%の51,050円が引かれて入金されます。国税庁の例では、150万円の報酬なら源泉徴収額は204,200円です。
一方、国税庁の源泉徴収が必要な報酬・料金等とはでは、内国法人に支払う報酬で源泉徴収が必要なのは、馬主への競馬の賞金とされています。会社で受け取るデザイン料は、源泉徴収されずに入金されるのが基本です。

入金が増えれば手取りも増える?
ここがよく誤解されるところです。
個人で源泉徴収された分は、確定申告で1年分の所得税を計算する時に差し引いて精算します。払いすぎていれば戻り、足りなければ追加で納めます。
つまり、源泉徴収は「先に税金を預けている」だけなんです。法人化して源泉徴収がなくなっても、その分の税金が消えるわけではありません。
「法人にしたら毎月の入金が1割増えました!」
「その分は会社の利益になるので、決算の時に法人税として計算されますよ」
こんな会話になることも多いはずです。
| 見るところ | 個人のまま | 法人化した場合 |
|---|---|---|
| 毎回の入金 | 源泉徴収された額 | 請求額どおり(源泉徴収なし) |
| 税金の精算 | 確定申告で所得税を精算 | 決算で法人税、役員報酬に所得税 |
| 社会保険 | 国民健康保険・国民年金 | 社長1人でも健康保険・厚生年金 |
| 手取りの差を決めるもの | 所得税の税率 | 法人税・役員報酬・社会保険料の合計 |
日本年金機構の適用事業所と被保険者によると、法人の事業所は事業主のみの場合でも厚生年金保険の適用事業所になります。社会保険料を含めて比べないと、本当の手取りの差は分かりません。
取引先が増えた時に気をつけたいこと
『どの会社がいくら引いたか、正直よく分かっていない』という方も多いはずです。
取引先が多いデザイナーほど、源泉徴収の扱いがバラバラになりやすいですよね。
例えば、源泉徴収してくれる会社と、しない会社が混ざっているケースです。個人のままだと、確定申告の時に源泉徴収額を1社ずつ照らし合わせる手間がかかります。
- 請求書で、デザイン料と消費税の額を分けて書いているか
- 取引先ごとに、源泉徴収された額を記録しているか
- 法人化した時に、全取引先へ宛名と振込先の変更を伝えられるか
- 法人化の前後で、どちらの名義で請求する仕事かを分けているか
国税庁の説明では、請求書でデザイン料と消費税の額がはっきり分かれていれば、デザイン料の額だけを源泉徴収の対象にしてよいとされています。請求書の書き方1つで引かれる額が変わるので、今のうちに見直しておきましょう。
法人化する時は、切り替えの月をまたぐ仕事の請求を個人と会社のどちらで出すかも、税理士と決めておくと安心です。
法人化を税理士に頼むと費用はいくら?
税理士の報酬は自由化されていて、公的な基準はありません。税理士ドットコムが示す目安は次のとおりです。
| 依頼の内容 | 費用の目安(税理士ドットコムの公表値) |
|---|---|
| 個人事業主の顧問(売上1,000万円未満・毎月) | 月20,000円から+確定申告料80,000円から |
| 個人事業主の確定申告のみ(青色・売上1,000万円未満) | 7万円から |
| 法人の顧問(年間売上1,000万円未満・毎月) | 月25,000円から+決算料100,000円から |
| 法人の顧問(1,000万〜3,000万円未満・毎月) | 月30,000円から+決算料120,000円から |
会社設立から頼む流れは会社設立の税理士の選び方と顧問契約まで頼む流れで詳しく書いています。顧問料の決まり方は税理士の顧問料相場も見てみてください。
取引先が増えて源泉徴収の管理が追いつかない、法人化で手取りがどう変わるか自分では計算できない、請求の切り替えまで手伝ってほしい。そんな状況なら、フリーランスの法人化に慣れた税理士を探しておくと楽になります。
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イラストの仕事が多く、作品の権利も気になる方はイラストレーターの法人化の目安も参考になります。
よくある質問
法人化すればデザイン料から源泉徴収されなくなりますか?
国税庁によると、内国法人に支払う報酬で源泉徴収が必要なのは馬主への競馬の賞金とされています。会社で受け取るデザイン料は、源泉徴収されずに入金されるのが基本です。
源泉徴収がなくなれば税金は安くなりますか?
源泉徴収は税金の前払いなので、なくなっても税金そのものは減りません。手取りの差は、所得税と法人税、役員報酬、社会保険料を合わせて比べる必要があります。
デザイナーは年収いくらで法人化すべきですか?
一律の基準はありません。自分の売上と経費をもとに、個人と法人の1年間の手取りを税理士に試算してもらいましょう。
まとめ
- 個人へのデザイン料は源泉徴収の対象、会社へのデザイン料は対象外が基本
- 源泉徴収は税金の前払いで、法人化しても税金そのものは消えない
- 手取りの差は、法人税・役員報酬・社会保険料の合計で比べる
- 請求書でデザイン料と消費税を分けて書くと、源泉徴収の対象額が変わる




