税理士の顧問契約書の確認ポイント|業務範囲と報酬の書き方

税理士の顧問契約書で確認したい業務範囲と報酬の書き方を解説する記事のアイキャッチ

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税理士から顧問契約書が届いたけれど、どこを見ればいいのか分からない。とりあえず署名してしまっていいのか、迷っている方も多いはずです。

結論から言うと、税理士の顧問契約書で特に見ておきたいのは「業務の範囲」と「報酬」の2つです。この記事では、その書き方と、契約前に確かめたい条項を具体例で確認していきます。

税理士の顧問契約書で何を確認すればいい?

先に結論

税理士の顧問契約書では、何をどこまで頼むか(業務の範囲)、月額と別料金になる作業(報酬)、契約期間と解約の方法の3点を確認します。特に、記帳代行・決算料・年末調整・税務調査の立会いが月額に含まれるかで、年間の支払額が大きく変わります。

顧問契約書は、事務所によって「税務顧問契約書」「業務委託契約書」「委任契約書」「委嘱契約書」など、呼び方がまちまちです。

『名前が違うと中身も違うの?』と気になりますよね。実は、名前よりも中に何が書かれているかのほうが大事なんです。

会計事務所や税理士法人と結ぶ場合も同じです。相手が個人の税理士でも法人でも、業務の範囲と報酬の欄を読むという見方は変わりません。分からない言葉があれば、署名する前に遠慮なく聞いてみてください。

税理士の報酬は、2002年に税理士会の報酬規定が廃止されてから、依頼の内容に応じて各税理士が決める形になっています。決まった型が無い分、契約書の中身を自分の目で確かめておく意味があります。

業務の範囲はどう書かれているか

まず見ておきたいのが、税理士に頼む仕事の中身です。

国税庁の説明では、税理士の仕事は税務代理・税務書類の作成・税務相談の3つです。ただ、顧問契約ではこれに加えて、記帳代行や給与計算なども頼むことがよくあります。

税理士の顧問契約書で確認する業務範囲・報酬・解約の3点を示した図解

契約書の業務範囲は、次のように書かれていることが多いです。

書かれやすい業務確認しておきたいこと
税務相談電話やメールでの相談は回数の制限があるか
申告書の作成と提出法人税・消費税・地方税など、どの税目が入るか
記帳代行月額に含まれるか、仕訳の数で追加料金がかかるか
給与計算・年末調整従業員の人数で料金が変わるか
税務調査の立会い月額に含まれるか、日当が別にかかるか
面談・訪問毎月か、3か月に一度か

ここが大事なところです。契約書に書かれていない作業は、別料金か対象外と考えておくほうが安全です。

例えば、年商3,000万円の小売業を法人で営むケース。従業員が3人いるなら、年末調整や源泉所得税の手続きも頼みたくなりますよね。それが契約書の業務範囲に入っているか、見ておきましょう。

顧問契約書と税務代理権限証書は別もの

契約書とは別に、「税務代理権限証書」という書類にも署名を頼まれることがあります。

これは、税理士が税務代理をする時に、その権限を示すために税務署へ出す書類です。依頼者と税理士の間の約束を書いた契約書とは役割が違います。

『同じような書類に何度も署名するのはなぜ?』と思った時は、この違いを思い出してみてください。税務署とのやり取りを任せる範囲がどう書かれているかも、あわせて見ておくと安心です。

報酬の書き方で確かめたいこと

次に、お金の書き方です。

顧問料の月額だけを見て決めると、あとで思わぬ出費になることも。決算料や申告料が、月額とは別に年1回かかる形はよく見られます。

税理士ドットコムが示す法人の顧問料の目安は、次のとおりです(毎月訪問の場合)。

年間売上顧問料(月額)決算料(年額)
1,000万円未満25,000円〜100,000円〜
1,000万〜3,000万円未満30,000円〜120,000円〜
3,000万〜5,000万円未満35,000円〜140,000円〜

民間サイトの目安で、実際の金額は事務所や頼む範囲によって変わります。月額と決算料を足した年間の合計で比べてみてください。相場の考え方は税理士の顧問料相場で解説しています。

個人事業主の場合も考え方は同じです。税理士ドットコムでは、売上1,000万円未満の個人事業主の顧問料は毎月20,000円〜、確定申告料は80,000円〜が目安とされています。

例えば、年商800万円の個人のカメラマンが顧問契約を結ぶケース。月額だけを見ると手ごろでも、確定申告料が別なら、年間ではその分が上乗せされます。契約書の「報酬」の欄に、年1回の料金がどう書かれているかを見ておきましょう。

報酬の条項では、次の点も見ておきましょう。

  • 支払日と支払い方法(振込・口座振替など)
  • 売上が増えた時に顧問料が上がる条件
  • 記帳代行の仕訳数や給与計算の人数で追加料金がかかる条件
  • 消費税の扱い(税込か税抜か)

『売上が伸びたら、勝手に上がるの?』と不安になる方もいますよね。改定の条件が書かれているなら、どのタイミングで、どう相談して決めるのかを聞いておくと安心です。

契約期間・解約・資料の扱いも見落とさない

業務と報酬のほかに、見落としやすい条項もあります。

署名する前のチェック
  • 契約期間と自動更新の有無
  • 解約の申し出は何か月前までか
  • 解約した時に帳簿や申告書の控えを返してもらえるか
  • 資料の提出期限と、遅れた時の扱い
  • 税理士側のミスで損害が出た時の扱い

例えば、こんなやり取りをしておくと後が楽です。

「途中で解約したくなったら、どうすればいいですか?」
「2か月前までに書面でお知らせいただく形です。帳簿のデータはお返しします」

資料の提出期限も大事な項目です。依頼者側が領収書を出すのが遅れると、申告に間に合わないこともあるからです。お互いの役割が書かれているか見ておきましょう。

契約書なしで頼んでも大丈夫?

『昔からの知り合いだから、書面は要らないよ』と言われることもありますよね。

ただ、書面が無いと「どこまで頼んだか」があとで分からなくなりがちです。頼んだつもりの年末調整が範囲外だった、という行き違いも起きやすくなります。

付き合いが長い相手でも、業務の範囲と報酬だけは書面に残しておくのがおすすめです。

今の契約書を見直したほうがいいタイミング

契約した時と今とで、事業の状況が変わっていることもありますよね。次のような時は、契約書を出してきて中身を読み直してみてください。

  • 個人事業から法人にした
  • 従業員を雇い始めた
  • 売上が大きく伸びた、または減った
  • 記帳を自分でするようになった、または任せたくなった

頼む範囲が変わったのに契約書がそのままだと、払いすぎや頼み漏れが起きやすくなります。「今の内容に合わせて契約書を直したいです」と一言伝えるだけで、話は進めやすくなりますよ。ひな形を探している方は税理士の顧問契約書のひな形も参考にしてみてください。

契約書の中身がよく分からない、今の税理士との契約を見直したい、頼む範囲を広げたい。こんな状況なら、条件をはっきり伝えて顧問税理士を探し直してみるのも1つの方法です。

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よくある質問

税理士の顧問契約書は、税理士と依頼者のどちらが用意しますか?

税理士側が用意した契約書をもとに確認する形が多いです。気になる条項があれば、署名する前に修正をお願いしてみてください。

業務委託契約書と顧問契約書は違うものですか?

呼び方は事務所によって違い、名前だけで中身は判断できません。業務の範囲・報酬・解約の条項がどう書かれているかを確認するのが大切です。

契約書の内容に納得できない時は、交渉できますか?

相談はできます。報酬は各税理士が依頼の内容に応じて決めるものなので、頼む範囲を減らす、面談の回数を変えるなどで金額が変わることもあります。

まとめ

この記事の要点
  • 顧問契約書で特に見るのは、業務の範囲・報酬・契約期間と解約の3点
  • 記帳代行・決算料・年末調整・税務調査の立会いが月額に含まれるかを確認する
  • 月額と決算料を足した年間の合計で比べる
  • 契約書なしは行き違いのもとなので、業務の範囲と報酬は書面に残す
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顧問税理士の選び方ナビ 編集部

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