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顧問料を抑えたくて、税理士をつけずに自分で決算している。そんな会社も少なくないですよね。
結論から言うと、税理士がいないこと自体は違法ではありません。リスクは「期限に遅れる」「間違えて追加の税金がかかる」「調査の時に一人で対応する」の3つに集まります。
この記事では、自分で決算する会社がつまずきやすい点と、その防ぎ方が分かります。
税理士がいない会社のリスクとは?
税理士がいない会社の主なリスクは、申告の遅れや誤りで加算税・延滞税がかかること、源泉徴収や年末調整などの事務の漏れ、税務調査に一人で対応することの3つです。取引が少なく経理に慣れていれば自分でもできますが、取引が増えた会社ほど負担とリスクが大きくなります。
法人に税理士をつける義務はありません。自分で決算をして、自分で申告することもできます。
『これまで自分でやってきて、特に何も言われていないから大丈夫』と思う方もいるはずです。
ただ、間違いは申告した時点ではなく、あとで税務調査が入った時に見つかることが多いんです。その時には延滞税も含めて、まとめて払うことになります。
自分で決算する時の落とし穴は?
自分で決算する会社がつまずきやすいのは、だいたい次のような点です。
- 法人税の申告期限(事業年度終了の翌日から2か月以内)を過ぎてしまう
- 消費税の申告が必要なのに気づかない
- 減価償却や在庫の計上を間違える
- 役員への支払いや家族への給与の扱いを誤る
- 個人の支出と会社の経費が混ざる
特に見落としやすいのが消費税です。基準期間(法人は前々事業年度)の課税売上高が1,000万円を超えると、原則として消費税の申告が必要になります。
例えば、設立3期目の小売の会社で、1期目の売上が1,000万円を超えていたケース。3期目から消費税の申告が始まるのに、気づかず法人税だけ出してしまうことがあります。
インボイスの登録をした会社は、売上に関係なく課税事業者です。こちらも申告漏れが起きやすいところです。
こんな会話に心当たりはありませんか。
「去年の売上、1,000万円を超えてたっけ」
「たぶん超えてないと思うけど、確かめてないな」
この「確かめてない」がいちばん危ないんです。
経費の判断も落とし穴になりやすいところです。『社長の車だけど、仕事でも使うから全部経費でいいよね』のように、個人と会社の境目があいまいな支出は、調査で指摘されやすい部分です。どこまで経費にできるかは、税理士に確認してみてください。
遅れたり間違えたりするとどうなる?
申告が遅れたり、税額が少なかったりすると、本来の税金に上乗せして加算税や延滞税がかかります。
ここが大事なところですが、自分から早めに直すか、調査で見つかるかで負担が大きく変わります。
| 状況 | かかるもの | 割合の目安(国税庁の説明) |
|---|---|---|
| 期限後に、調査の事前通知の前に自主的に申告 | 無申告加算税 | 5% |
| 期限後に、調査を受けたあと申告・決定 | 無申告加算税 | 50万円までの部分15%、50万円超300万円までの部分20%、300万円超の部分30% |
| 税額が少なかったのを、事前通知の前に自主的に修正 | 過少申告加算税 | かからない |
| 税額が少なかったのを、調査で指摘されて修正 | 過少申告加算税 | 10%(当初の税額と50万円の多いほうを超える部分は15%) |
| 納期限に遅れて納付 | 延滞税(令和8年) | 2か月以内は年2.8%、2か月を超えた分は年9.1% |

出典は国税庁 タックスアンサー No.2024 確定申告を忘れたとき、No.2026 確定申告を間違えたとき、No.9205 延滞税についてです。
税金を納めすぎていた時の更正の請求は、原則として法定申告期限から5年以内です。払いすぎに気づかないまま、取り戻せなくなることもあります。
給与の事務と税務調査でも困ることがある
人を雇っている会社なら、決算以外の事務も増えますよね。
給与を払うと、源泉所得税を原則として翌月10日までに納めます。年末には年末調整、翌年1月31日までに源泉徴収票などの法定調書の提出もあります。
給与の支給人員が常時10人未満なら、納期の特例で7月10日と翌年1月20日の年2回にまとめられます。毎月なのか年2回なのかを社長が把握していないと、納付漏れにつながります。
もう1つは税務調査です。調査の前には、原則として電話で事前通知があります。
税務代理権限証書を出している税理士がいれば、事前に同意しておくことで、その税理士に通知してもらうこともできます。調査の立会いも税理士の仕事です。
『調査なんてうちには来ない』と思うかもしれません。国税庁の公表では、令和6事務年度に法人税の実地調査は5万4千件行われています。
自分で決算している会社だと、帳簿の説明から調査官とのやり取りまで、すべて社長が一人で受けることになります。調査の連絡が来てから税理士を探すこともできるので、慌てずに相談してみてください!
税理士がいない会社が今からできること
すぐに顧問をつけなくても、リスクを小さくする方法はあります。
- 法人税・消費税の申告期限を毎年カレンダーに入れているか
- 基準期間の課税売上高が1,000万円を超えていないか
- 源泉所得税を毎月納めるのか、年2回なのかを把握しているか
- 会社と個人のお金を口座やカードで分けているか
- 決算だけでも一度税理士に見てもらったことがあるか
例えば、年商2,000万円ほどで従業員を数人雇う建設業の会社なら、外注費と給与の区別、源泉徴収、消費税と論点が多くなります。この規模なら、まずは決算申告だけでも頼むと安心です。
費用の目安は、税理士ドットコムが示す法人の決算申告のみで15万〜25万円です。民間の目安で、事務所ごとに違います。
毎年でなくても、数年に一度は決算を税理士に見てもらうだけで、同じ間違いを何年も続けてしまうことを防げます。
決算期が近いのに準備が進んでいない、消費税の申告が始まりそう、税務署から調査の連絡が来た。こんな会社なら、顧問税理士を探しておくとかなり楽になります。
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よくある質問
税理士がいないと税務調査に入られやすいですか?
税理士の有無で調査の対象が決まるという公的な説明はありません。ただ、税理士が書面添付制度を使うと、調査の通知の前に税理士へ意見を聞く機会が設けられます。国税庁は調査の省略を前提とするものではないとしています。
申告期限に間に合わない時はどうすればいいですか?
期限が過ぎても、できるだけ早く申告して納付するのが基本です。調査の事前通知の前に自主的に申告すれば、無申告加算税の割合は低くなります。間に合わないと分かった時点で、税理士に相談してみてください。
途中から税理士に頼んでも、過去の申告を見てもらえますか?
見てもらえる事務所が多いです。過去の申告に誤りがあれば、修正申告や更正の請求ができるかを相談できます。個別の判断は税理士に確認してください。
まとめ
- 税理士がいない会社も違法ではないが、リスクは期限・誤り・調査対応に集まる
- 消費税の申告漏れとインボイス登録後の申告は見落としやすい
- 自主的に早く直すか、調査で見つかるかで加算税の割合が大きく変わる
- 給与を払う会社は源泉徴収・年末調整・法定調書の期限もある
- まずは決算申告だけ頼む形から始める方法もある




