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税理士と顧問契約を結ぶことになり、契約書のひな形を探している。税理士会が出している様式があるなら、それを使いたいと考えている方も多いはずです。
結論から言うと、依頼者がそのまま使える税理士会の公開ひな形は、編集部が調べた範囲では見つかりませんでした。この記事では、ひな形が無くても困らないように、契約書に入れておきたい条項と書き方の例をまとめます。
税理士会の顧問契約書のひな形はある?
税理士の顧問契約書は、税理士側が用意した書式をもとに中身を確認する形が一般的です。依頼者が税理士会の公式サイトから自由に使えるひな形は、編集部の調べでは確認できませんでした。ひな形を探すより、業務の範囲・報酬・期間と解約などの条項がそろっているかを見るほうが確実です。
『税理士会の様式なら安心なのに…』と思いますよね。ただ、税理士の報酬は2002年に税理士会の報酬規定が廃止されて以降、依頼の内容に応じて各税理士が決める形になっています。
報酬も頼む範囲も事務所ごとに違うので、どの事務所でもそのまま使える1枚の書式というのは作りにくいんです。
ネットで見つかるひな形を使う場合も、出所や作られた時期が分からないものは注意が必要です。税理士会の名前が付いていても、公式に公開されたものか確かめられないなら、条項の並びを参考にする程度にとどめておきましょう。
顧問契約書のひな形に入れておきたい条項
ひな形がどんな形でも、次の条項がそろっているかが大事なところです。

| 条項 | 何を書くか | 依頼者が見ておきたい点 |
|---|---|---|
| 目的・当事者 | 誰と誰の契約か | 会社名か個人名か、税理士法人か個人の税理士か |
| 業務の範囲 | 頼む仕事の中身 | 記帳代行・年末調整・税務調査の立会いが入っているか |
| 報酬 | 月額・年1回の料金・支払日 | 決算料や申告料が別か、税込か税抜か |
| 資料の提出 | 依頼者が出す資料と期限 | 遅れた時の扱い |
| 秘密の保持 | 預けた情報の扱い | 契約が終わった後も守られるか |
| 損害が出た時 | 税理士側のミスで損害が出た時の扱い | 責任の範囲がどう書かれているか |
| 期間と更新 | いつからいつまでか、自動更新か | 更新の時期 |
| 解約 | 申し出の期限と方法 | 何か月前までか、書面か |
| 資料の返却 | 契約終了時の帳簿の扱い | 帳簿や申告書の控えを返してもらえるか |
国税庁の説明では、税理士の仕事は税務代理・税務書類の作成・税務相談の3つです。これに記帳代行や給与計算を足すかどうかで、業務の範囲の書き方が変わります。
契約書と一緒に出てくる書類もある
顧問契約を結ぶと、契約書とは別に「税務代理権限証書」への署名を頼まれることがあります。
これは、税理士が税務代理をする時に、その権限を示すため税務署に出す書類です。依頼者と税理士の約束を書いた契約書とは役割が違うので、ひな形を探す時に混同しないようにしておきましょう。
『どちらも契約っぽい書類で、違いが分かりにくい…』と感じたら、税理士に「これは何のための書類ですか?」と聞いてみてください。
業務の範囲と報酬はどう書く?書き方の例
特に迷いやすいのが、業務の範囲と報酬の書き方ですよね。ここでは考え方を分かりやすくするための例を挙げます。実際の文言は、税理士と相談して決めてください。
業務の範囲の書き方の例
業務の範囲は、箇条書きで具体的に並べる形が分かりやすいです。
- 法人税・消費税・地方税の申告書の作成と提出
- 税務に関する相談への対応
- 月次の記帳と試算表の作成
- 年末調整と法定調書の作成
- 税務調査の立会い
例えば、年商2,000万円の合同会社で従業員が2人いるケース。この場合は、年末調整や法定調書の作成も入れておきたい項目です。逆に記帳を自社でしているなら、記帳の行は外して報酬を下げる相談もできます。
『全部入れておけば安心では?』と思うかもしれません。ただ、頼む範囲を広げるほど報酬も上がります。今の自分に必要な作業だけを書くのが基本です。あとから足りない作業が出てきたら、その時に追加すれば大丈夫です。
個人事業主の場合は、法人税の行が所得税に、決算料が確定申告料に置き換わるイメージです。例えば、年商1,200万円の個人の工務店なら、所得税と消費税の申告書の作成、記帳の確認、税務相談あたりが中心になります。
報酬の書き方の例
報酬は、毎月払うものと年1回のものを分けて書くと、あとで混乱しません。
- 月額の顧問料(面談の頻度とセットで書く)
- 年1回の決算料・申告料
- 記帳代行や給与計算など、量で変わる料金の計算方法
- 支払日と支払い方法
金額の目安として、税理士ドットコムでは、年間売上1,000万円未満の法人で顧問料が毎月25,000円〜、決算料が100,000円〜とされています。個人事業主で売上1,000万円未満なら、毎月20,000円〜、確定申告料80,000円〜です。
これらは民間サイトの目安で、公的な基準ではありません。見積もりと比べる時の参考にしてみてください。
もう1つ書いておきたいのが、報酬を見直す時のルールです。売上が増えた時や頼む作業が増えた時に、どう話し合って決めるのか。ここが空白だと、ある日いきなり請求額が変わって驚くことにもなりかねません。
自分で契約書を作る時・税理士の書式を使う時の注意点
ひな形を使って自分で契約書を作ることもできます。ただ、税理士の多くは自分の事務所の書式を持っているので、その書式をもとに話を進めるほうがスムーズです。
例えば、こんなふうに伝えてみてください。
「契約書は先生の書式で大丈夫です。業務の範囲に年末調整が入っているか、確認させてください」
「年末調整も入れておきますね。従業員が増えたら料金が変わる点も書いておきます」
税理士側の書式を使う場合は、次の点を署名の前に見ておきましょう。
- 頼みたい作業がすべて業務の範囲に書かれているか
- 月額とは別にかかる料金が書かれているか
- 解約の申し出の期限と方法
- 解約の時に帳簿や申告書の控えを返してもらえるか
『分からない条項があるけど、聞きにくい…』という方もいますよね。気になる所は印を付けて、面談の時にまとめて聞いてみてください。
自分でひな形から作る場合は、作った案を税理士に見てもらい、事務所の書式とすり合わせるのがおすすめです。依頼者側だけで作った契約書だと、税理士の実際の仕事の進め方と合わない部分が出てくることもあります。
契約書は一度作ったら終わりではありません。法人化した、従業員を雇った、記帳を任せたくなった。そんな変化があった時は、業務の範囲と報酬の欄を書き直しておきましょう。
契約書の各条項の読み方は税理士の顧問契約書の確認ポイントで、契約そのものの仕組みは税理士の顧問契約とはで解説しています。
契約書の内容から一緒に相談できる税理士を探したい、今の契約を見直したい。こんな状況なら、条件をはっきり伝えて顧問税理士を探してみると話が早く進みます。
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よくある質問
ネットで見つけたひな形をそのまま使っても大丈夫ですか?
出所が分からないひな形をそのまま使うのはおすすめしません。条項の並びを参考にして、実際の文言は税理士と相談して決めてください。
業務委託契約書のひな形でも顧問契約に使えますか?
呼び方よりも中身が大切です。業務の範囲・報酬・期間と解約などの条項がそろっていれば、書式の名前は事務所によって違っていて構いません。
スポットで確定申告だけ頼む時も契約書は要りますか?
1回だけの依頼でも、頼む作業と料金を書面にしておくと行き違いを防げます。見積書や申込書で代える事務所もあるので、依頼の時に確認してみてください。
まとめ
- 依頼者がそのまま使える税理士会の公開ひな形は、編集部の調べでは確認できなかった
- 税理士側の書式をもとに、条項がそろっているかを確認するのが一般的
- 業務の範囲は箇条書きで具体的に、報酬は月額と年1回の料金を分けて書く
- 解約の方法と、帳簿や申告書の控えの返却も見ておく





