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銀行から借入をしたいけれど、『税理士がいると本当に融資に有利なの?』と気になっている方も多いはずです。
結論から言うと、融資を決めるのは金融機関です。ただ、金融機関が判断に使う決算書や試算表、事業計画をつくり、数字を説明できるのが顧問税理士なんです。
この記事を読むと、借入の場面で顧問税理士が何をしてくれるのか、どこの金融機関に相談すればよいのか、どんな税理士を選べばよいのかが分かります。
税理士と借入はどう関係する?
金融機関は、借入の審査で決算書や試算表などの数字を見ます。顧問税理士はその数字をつくる人で、事業計画や資金繰り表の準備も手伝えます。日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金では、認定経営革新等支援機関(税理士など)の指導・助言を受けていることが、特別利率Aの条件の一つになっています。
借入の相談に行くと、まず「決算書を見せてください」と言われますよね。
金融機関は、その会社やお店がお金を返せるかを数字で確かめます。売上や利益だけでなく、借入の残高や手元のお金の動きも見られます。
ここが大事なところです。決算書は毎年の申告のついでにつくる書類ではなく、金融機関にとっては「会社の通知表」なんです。
『決算書なんて、税理士が勝手につくってくれるものでしょ』と思っている方もいるかもしれません。
確かに作成は税理士の仕事です。でも、帳簿の付け方が雑なままだと、税理士がどれだけ頑張っても数字の説明がつきにくくなります。日々の記帳と月ごとの確認を一緒に進められるのが、顧問契約の強みです。
公的な融資制度でも税理士の関わりが出てきます
日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金は、新たに事業を始める人や、事業開始後おおむね7年以内の人が対象です。融資限度額は7,200万円です。
この制度では、自ら事業計画書をつくり、認定経営革新等支援機関(税理士、公認会計士、中小企業診断士など)の指導・助言を受けている人などが特別利率Aの対象になります。
認定経営革新等支援機関は、税務・金融・企業財務の専門知識と実務経験が一定以上あるとして国が認定した個人・法人・機関です。中小企業庁の認定経営革新等支援機関のページにある検索システムで探せます。
銀行融資で顧問税理士がしてくれることは?
『顧問税理士に頼むと、具体的に何が変わるの?』という疑問に答えるために、借入の場面ごとにまとめました。
| 借入の場面 | 顧問税理士ができること | 自分でやること |
|---|---|---|
| 申込み前 | 決算書・月次の試算表をそろえる | 借りたい金額と使い道を決める |
| 計画づくり | 事業計画書・資金繰り表の数字を一緒に詰める | 売上の見込みと事業の中身を説明する |
| 面談の準備 | 聞かれそうな数字の質問を想定してもらう | 面談に出て自分の言葉で話す |
| 借りた後 | 返済を入れた資金繰りを月ごとに確認する | 決まった使い道どおりにお金を使う |
| 次の借入 | 決算の内容を金融機関に説明しやすく整える | 返済の実績を積む |

申込みと面談は「本人が主役」です
ここで勘違いしやすいのが、「税理士が代わりに借りてきてくれる」というイメージです。
申込みをするのも、面談で事業について話すのも、借りる本人です。金融機関は、経営者が自分の事業の数字を分かっているかも見ています。
例えば面談で、こんなやり取りになったとします。
「この月だけ売上が落ちているのはなぜですか」
「毎年この時期は閑散期で、翌月の受注で戻ります。試算表の翌月分も持ってきています」
こうした受け答えを準備できるのが、月ごとに数字を見ている顧問税理士の強みなんです。
借りた後の付き合いが、次の借入に効いてきます
借入は1回で終わらないことが多いですよね。
設備を増やす時や、売上が伸びて運転資金が足りなくなる時に、また相談することになります。その時に見られるのは、前回の計画どおりに進んだかどうかです。
借りた後も試算表を毎月つくり、返済を入れた資金繰りを確認しておけば、次の相談の時に「計画と実績」を並べて話せます。資金繰りが苦しい時の相談先は資金繰りが苦しい時に顧問税理士へ相談できることでも解説しています。
借入の前に帳簿で整えておきたいこと
『決算書さえあれば大丈夫でしょ』と思うかもしれません。
ただ、金融機関は決算書の細かい数字にも目を通します。社長個人のお金と会社のお金が混ざっていたり、使い道の分からない支払いが多かったりすると、説明を求められることも。
借入を考え始めたら、顧問税理士と一緒に次の点を見直しておきましょう。
- 事業用と個人用の口座やカードを分けているか
- 社長への貸付や、社長からの借入が説明できるか
- 売掛金や在庫の金額が、実際の状態と合っているか
- 毎月の試算表を、締めてから早めに出せているか
例えば、年商2,000万円の飲食店を個人で営むケースです。食材の仕入れを個人のカードで払っていると、事業の経費がどれだけあるかが見えにくくなります。借入の前に、支払いの方法から整えておくと説明がしやすくなるんです。
信用金庫・銀行・日本政策金融公庫、どこに相談する?
『融資に強い銀行ってどこ?』と探している方も多いはずです。
実は、どこが強いかは会社の規模や地域、借りたい理由によって変わります。それぞれの特徴を知って、自分に合う相談先から当たってみてください。
| 相談先 | どんな相手か | 相談しやすいケース | 気をつけたい点 |
|---|---|---|---|
| 日本政策金融公庫 | 政府系の金融機関 | 開業前後で金融機関との取引実績が少ない | 制度ごとに対象や条件が決まっている |
| 信用金庫・信用組合 | 地域の中小企業や個人を相手にする協同組織 | 地元で長く事業を続ける予定がある | 営業地域が決まっている |
| 地方銀行 | 地域に根ざした銀行 | 地元で取引を広げたい | 担当者との関係づくりに時間がかかる |
| 大手銀行 | 全国に店舗がある銀行 | 規模の大きい取引や全国展開を考えている | 小規模な事業者には敷居が高く感じることも |
条件や金利、審査の内容は、各金融機関や制度ごとに違います。この記事では特定の金融機関をおすすめしないので、最新の条件は各機関の窓口や公式ページで確認してください。
顧問税理士に「どこに相談すべきか」を聞いてみましょう
地域で長く仕事をしている税理士は、地元の金融機関との付き合いがあることもあります。
「この規模でこの使い道なら、どこに相談するのがよさそうですか」と聞くだけでも、相談先を考えるヒントがもらえます。
開業前後で公庫の利用を考えている方は、日本政策金融公庫の融資を税理士経由で申し込む流れも読んでみてください。
自分の場合、顧問税理士は必要?規模別の具体例
借入のために顧問税理士が要るかどうかは、事業の規模と借りる目的で変わります。よくあるケースで考えてみましょう。
| ケース | 借入の目的 | おすすめの頼み方 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 開業前の個人(飲食店の開業を準備中) | 内装や設備の資金 | 創業融資の支援をスポットで頼み、開業後に顧問を検討 | 事業計画づくりが中心になる |
| 年商3,000万円の個人事業主(小売業) | 仕入れのための運転資金 | 顧問契約(訪問は3か月に一度など) | 試算表を定期的に出せるようにしたい |
| 年商1億円の法人(製造業・従業員あり) | 機械の入れ替えなど設備資金 | 毎月訪問の顧問契約 | 設備の計画と返済の見通しを毎月確認したい |
| 年商500万円の副業規模 | 少額の機材購入 | 自分で準備し、必要なら確定申告だけ依頼 | 借入の規模に対して顧問料の負担が重い |
例えば、年商3,000万円の小売業を個人で営むケースです。
仕入れの資金を借りたいなら、金融機関は直近の確定申告書に加えて、今年の売上の動きも知りたがります。月ごとの試算表をすぐ出せる状態にしておくと、相談がスムーズです。
次に、年商1億円の製造業の法人で機械を入れ替えるケースです。
この場合は、借入の金額も返済の期間も大きくなります。機械を入れた後の売上と利益の見込みを、返済と並べて説明する必要があるので、毎月数字を一緒に見る顧問税理士がいると心強いはずです。
開業前に創業融資を受ける方法は、創業融資の代行は税理士に頼むべきかで詳しく解説しています。
融資に強い税理士の見分け方は?
『どの税理士も同じじゃないの?』と思うかもしれません。
ただ、毎年の申告を中心にしている事務所と、融資の相談をよく受けている事務所では、得意なことが違います。面談の時に、次の点を聞いてみてください。
- 事業計画書や資金繰り表の作成を手伝ってもらえるか
- 月ごとの試算表を、いつまでに出してもらえるか
- 認定経営革新等支援機関の認定を受けているか
- 金融機関との面談の準備に付き合ってもらえるか
- 融資の支援に、顧問料とは別の料金がかかるか
試算表がいつ出るかは、意外と大事なポイントです。
例えば、決算から何か月も経たないと数字が出てこない状態だと、急に借入が必要になった時に間に合いません。
『今の税理士に融資の相談をしてもいいのかな』と遠慮している方もいるかもしれません。
実は、借入の相談は顧問税理士の仕事の中でもよくある話です。まずは今の先生に「来年、設備のために借入を考えています」と伝えてみてください。反応を見れば、融資の相談に慣れているかどうかも分かります。
「審査に通します」と言い切る相手には気をつけましょう。審査をするのは金融機関なので、結果を約束できる人はいません。
選び方をもっと詳しく知りたい方は、融資に強い税理士の選び方と手数料の目安、税理士の探し方は顧問を長く任せられる税理士の探し方にまとめています。
売上が伸びて借入を考え始めた、試算表がすぐ出てこなくて困っている、という方は、融資の相談に慣れた顧問税理士を探しておくと楽になります。
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記帳や申告に手が回らない、法人化を考えている、今の税理士の対応に不満があるといった場合は、条件に合う顧問税理士を紹介してもらうのが近道です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から、予算や業種に合う税理士を無料で紹介してもらえます。
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顧問料と融資支援の費用はどう考える?
税理士の報酬は、平成14年に税理士会の報酬規定が廃止されてから、各事務所が自由に決めています。公的な統計もないので、ここでは民間サイトの目安を紹介します。
税理士ドットコムが示す法人の顧問料(毎月訪問の場合)と決算料の目安は次のとおりです。
| 年間売上 | 顧問料(毎月訪問) | 3か月に一度 | 決算料 |
|---|---|---|---|
| 1,000万円未満 | 25,000円〜 | 20,000円〜 | 100,000円〜 |
| 1,000万〜3,000万円未満 | 30,000円〜 | 25,000円〜 | 120,000円〜 |
| 3,000万〜5,000万円未満 | 35,000円〜 | 30,000円〜 | 140,000円〜 |
| 5,000万〜1億円未満 | 40,000円〜 | 35,000円〜 | 160,000円〜 |
個人事業主なら、売上1,000万円未満で毎月20,000円〜(3か月に一度15,000円〜)が同じサイトの目安です。どれも統計ではなく、事務所によって幅があります。

融資支援の料金は「顧問料に含まれるか」を確認
融資の支援を顧問料の中で受けてくれる事務所もあれば、別料金にしている事務所もあります。
見積もりの時は、「事業計画書の作成」「資金繰り表の作成」「面談の準備」がそれぞれ顧問料に含まれるかを聞いておきましょう。
顧問料の決まり方は税理士の顧問料相場、顧問税理士がいない場合の注意点は顧問税理士はいらない?必要になる規模で解説しています。
補助金と組み合わせて資金を集めたい方は、補助金に強い税理士の選び方も参考にしてみてください。
設備投資や事業の拡大で借入を続けていく予定があるなら、毎月の数字を一緒に見てくれる顧問税理士がいると話が進めやすくなります。
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よくある質問
顧問税理士がいないと、銀行から借入はできませんか?
いいえ、税理士がいなくても申し込めます。ただ、決算書や試算表、事業計画を自分で準備して説明する必要があるので、規模が大きくなるほど手間が増えます。
税理士に頼めば融資の審査に通りますか?
審査をするのは金融機関なので、税理士が結果を約束することはできません。税理士ができるのは、数字の資料をそろえ、説明の準備を手伝うことです。
信用金庫と銀行、最初はどちらに相談すべきですか?
規模や地域、借りたい理由によって変わります。地元で長く事業を続ける予定なら信用金庫、開業前後なら日本政策金融公庫など、顧問税理士に意見を聞いてから選ぶ方法もあります。
試算表とは何ですか?
月ごとや一定期間ごとの売上・費用・資産などを集計した表です。決算前の今の状態を金融機関に見せる時に使います。
融資の相談だけを税理士にお願いすることはできますか?
スポットで受けている事務所もあります。料金や範囲は事務所ごとに違うので、見積もりの時に内容を確認してください。
まとめ
- 融資を決めるのは金融機関。顧問税理士は数字の資料をつくり、説明の準備を手伝う
- 日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金は融資限度額7,200万円
- 認定経営革新等支援機関の指導・助言を受けていると、特別利率Aの対象になる場合がある
- 相談先は公庫・信用金庫・地方銀行など。規模と地域、目的で選ぶ
- 融資に強い税理士かは、計画書の支援と試算表の早さ、認定の有無で見分ける
- 融資支援が顧問料に含まれるかを見積もりで確認する




