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民泊の予約が順調に入るようになって、『次の物件は会社で持ったほうがいいのかな』と考えている方も多いはずです。
結論から言うと、民泊の法人化は、税金の損得だけで決めると後で困ります。届出の名義が変わることと、法人だと管理の委託が要ることを先に押さえておくのが大事です。
この記事では、民泊を法人化する目安と、物件を増やす時に届出や借入で確かめておきたいことが分かります。
民泊を法人化する目安は?
民泊の法人化に公的な基準額はありません。利益が数年続けて出ている、物件を増やして借入をしたい、自宅以外の物件で運営する割合が増えてきた。こうした変化が重なった時が、管理の委託費や届出の手間も含めて税理士に試算を頼む目安です。
民泊は、物件ごとに届出をして、年間の営業日数にも上限がある事業ですよね。
だから、売上が伸びたからといって、そのまま会社にすれば得とは限らないんです。法人にすると運営のルールそのものが変わる所があるので、そこを外して試算すると見込みがずれてしまいます。
まずは、自分の運営の形に近い所を見てみてください。
| 運営の状況 | 考え方の目安 |
|---|---|
| 自宅の一部を貸し、自分も住んでいる | 個人のまま帳簿と申告を整えるのが先 |
| 1〜2物件を管理業者に任せて運営している | 利益が安定しているなら試算を頼む |
| 物件を買い増して借入を増やしたい | 会社名義で借りるかを先に検討する |
| 複数物件で売上が大きくなってきた | 消費税の判定も含めて法人化を検討する |
例えば、自宅の空いた部屋を家主同居で貸しているケースです。この場合は、法人にすると後で説明する管理の委託が要る形になりやすいので、個人のままのほうが話は簡単です。
一方で、賃貸や購入した物件を3つ運営していて、さらに物件を増やしたいケースもあります。こうなると、借入と物件の名義をまとめて考える時期なので、法人化の試算をする価値があります。
住宅宿泊事業の届出の名義はどうなる?
ここが民泊の法人化で大事なところです。
観光庁の民泊制度ポータルサイトでは、住宅宿泊事業を営むには都道府県知事等への届出が必要とされています。保健所設置市や特別区では、その市や区が届出を受け付けることもあります(観光庁 民泊制度ポータルサイト 住宅宿泊事業法)。
届出をしているのは、運営している本人です。会社を作ると、事業をする人が個人から会社に変わりますよね。
『名前を書き換えるだけでしょ?』と思うかもしれません。ただ、事業者そのものが変わるので、どんな手続きになるかは届出先の自治体に事前に確認しておくのが安全です。手続きの間に予約を受けられない期間ができないかも、あわせて聞いておきましょう。
法人だと管理業者への委託が要る
同じポータルサイトのよくある質問では、住宅宿泊事業者が法人の場合、原則として住宅宿泊管理業者への管理業務の委託が必要とされています。従業員が常駐していても、従業員は事業者である法人ではないからです(観光庁 民泊制度ポータルサイト よくあるご質問)。
自分で清掃やゲスト対応をしているオーナーさんには、ここが大きな違いなんです。法人化すると委託費が毎月の固定費に加わる前提で、手取りを試算してもらいましょう。
年間の営業日数の上限
住宅宿泊事業法では、年間の提供日数の上限は180日とされ、自治体の条例でさらに制限されることもあります。
会社にしても、この上限は変わりません。売上の見込みは、営業できる日数を前提に立てておくことが大切です。
物件を増やす時の借入と名義は?
物件を増やす時は、借入をどの名義でするかで話が変わりますよね。
『とりあえず個人で借りて、後で会社に移せばいい』と考える方もいます。ただ、移す時には後で説明するコストがかかるんです。
個人で借りて個人の物件を増やすのか、会社を作って会社名義で借りるのか。金融機関によって、法人化したばかりの会社への貸し方や、代表者の保証の扱いが違います。
すでに個人で持っている物件を会社に移す場合は、移す時のコストも出てきます。個人から会社に売る形なら、個人の側では譲渡所得の申告が必要になり、会社の側では登記の登録免許税や不動産取得税がかかります。詳しい考え方は、大家が法人化する目安と物件移転のコストで解説しています。
- 届出先の自治体に、事業者が会社に変わる時の手続きを確認した
- 管理業者に委託した場合の費用の見積もりを取った
- 賃貸物件なら、会社名義で転貸の承諾を取り直せるか大家さんに確認した
- 次の物件の借入を、どの名義でするか金融機関に相談した
- 予約サイトの登録や入金口座を、会社名義に変える準備をした

法人化すると申告はどう変わる?
民泊の売上は、予約サイトから入金されることが多いですよね。
会社にすると、こうした入金を会社の口座で受け、法人税の確定申告を事業年度終了日の翌日から2か月以内に出すことになります。
国税庁のタックスアンサーでは、基準期間の課税売上高が1,000万円以下なら、原則として消費税の納税義務が免除されます。新しく作った会社は1期目と2期目に基準期間がないので、原則として免除されます(国税庁 No.6501 納税義務の免除)。
ただし、資本金1,000万円以上で作った会社や、インボイスの登録をしている会社は免除されません。物件を増やして売上が伸びる時期と、法人化の時期をどう合わせるかは、税理士と相談してみてください。
国税庁の説明では、中小法人の法人税率は、所得のうち年800万円以下の部分が15%、超える部分が23.2%です(国税庁 No.5759 法人税の税率)。
ただ、民泊は委託費や借入の返済で手元のお金の動きが大きい事業です。税率の差だけで決めず、毎月の資金繰りまで見てもらうのがおすすめです。
民泊の法人化は税理士に何を頼めばいい?
法人化の手続きの流れや費用は、会社設立の税理士の選び方と流れにまとめています。
民泊の場合は、物件ごとの収支、借入の返済、委託費をまとめた試算を作ってもらうのがポイントです。個人で続けた場合と会社にした場合を、同じ物件数で並べてもらうと判断しやすくなります。
税理士にはこんな風に頼むと話が早いです。
「物件をあと2つ増やしたいので、個人のままと会社にした場合の手取りを比べてもらえますか」
「管理の委託費と借入の返済も入れて、資金繰りも見てもらえると助かります」
物件を増やして借入を考えている、売上が伸びて消費税の判定が気になる、物件の名義をどうするか迷っている。こんな状況なら、不動産や宿泊の事業に慣れた顧問税理士を探しておくと、法人化の判断までまとめて相談できます。
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よくある質問
民泊は売上がいくらになったら法人化すべきですか?
公的な基準はありません。法人だと管理業者への委託が原則必要になるなど、個人と運営の条件が変わるので、委託費も含めた試算を税理士に頼んでみてください。
法人化すると、民泊の届出は出し直しになりますか?
事業者が個人から会社に変わるので、届出先の自治体で手続きを確認する必要があります。扱いは自治体に事前に問い合わせておきましょう。
法人化すると年間180日の上限はなくなりますか?
なくなりません。住宅宿泊事業法の年間提供日数の上限は、個人でも法人でも同じです。自治体の条例でさらに制限されることもあります。
まとめ
- 民泊の法人化に公的な目安額はなく、利益の安定や物件の増やし方で考える
- 事業者が会社に変わるので、届出の手続きは自治体に事前に確認する
- 法人の場合は原則として管理業者への委託が必要になる
- 借入と物件の名義、消費税の判定も含めて税理士に試算を頼む




