税務調査が多いのは7月以降?月別の傾向と前もってできる準備

税務調査が7月以降に多いと言われる理由と月別の傾向を解説する記事のアイキャッチ

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「税務調査は7月から増える」と聞いて、夏が近づくと落ち着かない。そんな経営者や個人事業主の方も多いはずです。

結論から言うと、7月以降に多いと言われるのは、国税庁の1年の区切り(事務年度)が7月に始まるからです。ただ、月ごとの件数は公表されていないので、時期を当てるより準備をしておくほうが確かです。

この記事では、月別の傾向と、自分の予定に合わせてできる準備が分かります。

税務調査が多いのは7月以降?そう言われる理由

先に結論

国税庁の事務年度は7月から翌年6月までで、調査件数もこの単位で公表されています。そのため、7月の年度替わりの後に新しい調査が始まり、秋ごろに多くなると一般に言われています。ただし国税庁は月別の件数を公表しておらず、どの月でも調査の連絡が来る可能性はあります。

『じゃあ7月さえ乗り切れば安心?』と思いますよね。

実は、そう単純ではないんです。国税庁の調査件数の公表は、例えば「令和6事務年度(令和6年7月〜令和7年6月)」のように、7月始まりの1年単位でまとめられています。

その事務年度の実地調査は、所得税で4万7千件、法人税で5万4千件でした。年間を通じて、これだけの調査が行われています。特定の月だけに集中しているわけではない、と考えておくほうが自然です。

7月に事務年度が切り替わり、税務署の体制も新しくなる時期と言われます。そのため、7月から年末にかけて調査が多くなる、というのがよく聞く話です。

一方で、確定申告の時期は税務署の受付が忙しくなります。この時期は調査が少なめと言われることもありますが、公的な数字で確かめられる話ではありません。

1月〜12月の月別の傾向と、自分の予定

『うちは何月に気をつければいいの?』という方も多いはずです。

月ごとの調査の多さは、あくまで一般に言われる傾向です。むしろ見ておきたいのは、自分の申告や決算の予定と重ならないかどうかなんです。

月一般に言われる調査の傾向事業者側の主な予定(例)
1月年明けから再開することがある源泉所得税(納期の特例)の納付期限は1月20日、法定調書の提出は1月31日
2月・3月確定申告期で少なめと言われる所得税の確定申告は原則3月15日まで、個人の消費税は原則3月31日まで
4月・5月・6月事務年度の終盤3月決算の法人は、原則として5月末が申告期限
7月・8月年度替わりで新しい調査が始まると言われる源泉所得税(納期の特例)の1〜6月分は7月10日まで
9月・10月・11月調査が多いとよく言われる時期決算月によって法人の申告期限が来る
12月年末で調整されることがある年末調整
税務調査の連絡が来る前に月別の予定と準備を確認することを示した図解

法人税の確定申告は、事業年度が終わった日の翌日から2か月以内です。だから、決算月によって忙しい時期は会社ごとに違います。

ここがポイントです。国税庁のFAQでは、事前通知の時に納税者や税理士の都合を聞き、申告業務や決算業務などの忙しさにも配慮して日時を調整すると書かれています。

例えば、5月が申告で忙しい3月決算の会社なら、こんなやり取りができます。

「5月は申告の準備で手が離せないので、6月に入ってからにしていただけますか」
「分かりました。ご都合のよい日を教えてください」

時期を選べないぶん、日程の相談はできると覚えておきましょう。

通知の後でも、一時的な入院や親族の葬儀、業務上やむを得ない事情が生じた時は、申し出れば変更を相談できるとされています。言いにくいと感じても、遠慮せず伝えてみてください。

時期より気にしたいのは「調査の連絡が来た時に困らないか」

『時期が分からないなら、何を気にすればいいの?』と感じますよね。

調査が来るかどうか、いつ来るかは自分では決められません。決められるのは、連絡が来た時にすぐ帳簿や書類を出せる状態にしておくことです。

事前通知では、調査の日時や場所、対象の税目と期間、目的が伝えられます。通知の何日前に来るかは法令で決まっておらず、「相当の時間的余裕を置いて」行うとされています。

つまり、通知から調査まで準備に使える期間は、ケースによって違うんです。ふだんから整えておけば、どの月に通知が来ても慌てずに済みます。

調査では、通知された年度の申告を確かめるために、それより前の帳簿を見せてと言われることもあります。例えば、減価償却する資産の取得価額を確かめる場合です。

直近の年だけでなく、過去の書類も年度ごとに取り出せるようにしておくと安心ですよ。

調査の流れそのものは、税務調査の対応の流れで詳しく書いています。

調査で誤りが見つかると、加算税や延滞税がかかります。調査の後に更正を受けた場合の過少申告加算税は10%(当初申告税額と50万円の多い方を超える部分は15%)です。

一方、事前通知の前に自主的に修正申告をすれば、過少申告加算税はかかりません。誤りに気づいたら、時期を待たずに直すのが得策です。詳しくは税務調査前の修正申告と通知後の違いを読んでみてください。

前もってできる準備

『準備って、具体的に何をすればいいの?』という声に答えておきますね。

税務調査に備えて前もってできること
  1. 申告書の控えと、決算書・帳簿を年度ごとにまとめる
  2. 売上の入金と帳簿の売上が合っているか、月ごとに確かめる
  3. 経費の領収書や請求書を、帳簿の記録とひもづけて保管する
  4. 外注先や役員との取引は、契約書ややり取りの記録を残す
  5. 誤りに気づいたら、通知が来る前に修正申告を出す
  6. 通知が来た時に連絡できる税理士を決めておく

例えば、年商5,000万円で従業員を数名雇う飲食店の法人なら、現金売上の記録と、源泉徴収や年末調整の書類が論点になりやすいところです。

個人でデザインの仕事を請けるフリーランスなら、取引先ごとの請求書と入金の記録をそろえておくのが基本になります。

業種や規模で見られやすい所は変わります。自分の会社で何をそろえるべきかは、税理士に確認してみてください。

決算や申告のたびに書類集めで慌てている、税務調査の通知が来たら誰に連絡すればいいか分からない。売上が伸びて、帳簿付けを自分で続けるのが難しくなってきた。そんな状況なら、顧問税理士を決めておくと、月に関係なく落ち着いて対応できます。

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よくある質問

税務調査は7月から何月くらいまでが多いのですか?

7月の事務年度の始まりから秋ごろに多いと一般に言われますが、国税庁は月別の件数を公表していません。どの月でも連絡が来る可能性があると考えておきましょう。

確定申告の時期(2月・3月)に税務調査は来ますか?

確定申告期は税務署が忙しく、調査は少なめと言われることがあります。ただ、公的な数字で確かめられる話ではありません。この時期に通知が来て都合が悪ければ、日程の調整を申し出てみてください。

事前通知の日程が決算と重なったら変えてもらえますか?

国税庁のFAQでは、決算業務などの忙しさにも配慮して日時を調整するとされています。通知の時に都合の悪い日を伝えておきましょう。

まとめ

この記事の要点
  • 国税庁の事務年度は7月から翌年6月までで、7月以降に調査が多いと言われるのはこのため
  • 月別の調査件数は公表されておらず、どの月でも連絡は来うる
  • 自分の申告や決算の予定と重なる時は、日程の調整を相談できる
  • 誤りに気づいたら、通知の前に修正申告をすれば過少申告加算税はかからない
  • 時期を当てるより、帳簿と書類を整えておくほうが確か

この記事は国税庁の税務調査手続に関するFAQ(一般納税者向け)と主な国税の納期限をもとに書いています。

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顧問税理士の選び方ナビ 編集部

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