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何年か確定申告を出していなかった。気になってはいたけれど、どこから手を付ければいいか分からない。そんな方も多いはずです。
結論から言うと、過去の数年分は税理士にまとめて頼めます。費用は年分ごとの作業量で決まるので、先に資料をそろえて見積もりを取るのが近道です。この記事では、費用の目安と、頼む時の順番が分かります。
過去の確定申告は税理士にまとめて頼める?
過去の数年分の確定申告は、税理士にまとめて依頼できます。申告書は1年分ずつ作るので、費用は「年分の数」と「各年の取引量・資料のそろい具合」で決まります。税務署から連絡が来る前に、自分から動くほど負担は軽くなります。
『今さら出したら、かえって目を付けられるんじゃ…』と不安になりますよね。
ただ、国税庁は確定申告を忘れた時について「その事実を把握した際には、できるだけ早く申告するように」と案内しています。期限を過ぎてから出す申告は「期限後申告」として受け付けられます。
年ごとに申告書を作る理由
所得税の確定申告は、1月1日から12月31日までの1年間の所得について、翌年に申告するしくみです。
だから3年分なら申告書も3つになります。税理士の作業も年分ごとに発生する、と考えておきましょう。
まとめて頼むメリット
1年ずつ別の人に頼むより、同じ税理士に数年分を通しで見てもらう方が楽です。
- 前の年の数字と次の年の数字のつながりを一度に確かめられる
- 資料の受け渡しが1回で済む
- 税務署から連絡が来た時の相談先がはっきりする
例えば、副業で始めた仕事が本業になり、3年分の申告をしていなかったケースを考えてみてください。年ごとの売上の伸び方や経費の分け方を、同じ目で見てもらえるのは心強いですよね。
数年分をまとめて頼む費用の目安
税理士の報酬には、国が決めた基準がありません。税理士会の報酬規定は平成14年(2002年)3月31日に廃止され、今は依頼内容に応じて各税理士が金額を出します。
そのうえで、民間の税理士ポータル「税理士ドットコム」が示す、個人事業主の確定申告(単発)の目安は次の通りです。
| 申告の種類・売上 | 確定申告のみ | 記帳代行込み |
|---|---|---|
| 白色申告 | 5万円〜 | 10万円〜 |
| 青色申告(売上1,000万円未満) | 7万円〜 | 15万円〜 |
| 青色申告(売上3,000万円未満) | 10万円〜 | 20万円〜 |
| 青色申告(売上5,000万円未満) | 15万円〜 | 25万円〜 |
注意: 上の金額は税理士ドットコムが公表している1年分の目安で、公的な統計ではありません。
過去の数年分を頼む時は、この1年分の目安に年分の数を掛けたあたりから見積もりが始まる、と考えておくとイメージしやすいです。
『帳簿なんて付けていないけど、それでも頼めるの?』という方もいますよね。
帳簿が無い場合は、通帳や領収書から1年分の取引を起こし直す「記帳代行」が必要になります。表の右側の「記帳代行込み」に近い金額になりやすいので、見積もりの時に資料の状態を正直に伝えておきましょう。

費用の全体像は確定申告の税理士費用の目安でも詳しく紹介しています。
遅れて出すと何がかかる?加算税と延滞税
ここが大事なところです。期限後に申告すると、本来の税金に加えて「無申告加算税」と「延滞税」がかかることがあります。
無申告加算税は「いつ出したか」で変わる
国税庁のタックスアンサーによると、令和5年分以降の無申告加算税は次の割合です。
| 期限後申告のタイミング | 無申告加算税の割合 |
|---|---|
| 調査の事前通知の前に自分から申告 | 5% |
| 事前通知の後、調査による決定を予知する前 | 50万円まで10%/50万円超300万円まで15%/300万円超25% |
| 調査を受けた後・決定を受けた場合 | 50万円まで15%/50万円超300万円まで20%/300万円超30% |
見て分かる通り、税務署からの通知が来る前に自分から出せば、割合は低く抑えられるんです。
なお、前年や前々年にも無申告加算税がかかっていた場合などは、さらに10%が加算されます。数年分まとめて無申告だった方は、この点も税理士に確かめてもらいましょう。
延滞税は納める日まで日割りでかかる
期限後申告で納める税金は、申告書を出した日が納期限になります。そして、本来の納期限の翌日から納める日まで、延滞税が日数に応じてかかります。
令和8年の延滞税の割合は、納期限の翌日から2か月以内が年2.8%、2か月を超えた後が年9.1%です。古い年分ほど日数が長くなるので、早く出すほど負担は小さくなります。
1か月以内なら無申告加算税がかからない場合も
法定申告期限から1か月以内に自分から期限後申告をして、税金の全額を法定納期限までに納めているなど、一定の要件を満たすと無申告加算税はかかりません。
ただ、数年分たまっている場合は、古い年分にはこの特例は使えません。直近の年分だけでも間に合うか、税理士に聞いてみてください。
詳しい条件は国税庁「確定申告を忘れたとき」で確認できます。
頼む前の準備と申告までの進め方
ここからは、実際に頼む時の段取りです。
頼む前にそろえるもの
資料がそろっているほど、見積もりは安く、作業も早くなります。
- 申告していない年分ごとの売上が分かる物(請求書の控え、売上の入金がある通帳、プラットフォームの売上明細)
- 経費の領収書・レシート、クレジットカードの明細
- 事業で使っている通帳(年分が分かるように)
- 会社員の場合は、その年の源泉徴収票
- 税務署から届いた書類があれば、そのすべて
『領収書を捨ててしまった年もある…』という場合もありますよね。
その時は、カードの明細や通帳の出金記録で分かる範囲を集めておきましょう。どこまで経費にできるかは個別の判断になるので、判断は税理士に確認してから進めてください。
渡す書類の細かい整理のしかたは確定申告を税理士に頼む時の必要書類でまとめています。
依頼から申告までの流れ
まとめて頼む時の流れは、だいたい次のようになります。
- 申告していない年分と、手元にある資料を書き出す
- 税理士に資料の状態を伝えて、年分ごとの見積もりを出してもらう
- 契約して資料を渡し、古い年分から順に申告書を作ってもらう
- 申告書の内容を確認し、提出と納税の段取りを決める
- 今年以降の申告をどう続けるかを相談する
見積もりの時は、こんなふうに聞いてみると話が早いです。
「3年分たまっています。帳簿は無くて、通帳と領収書だけあります。年分ごとにいくらかかりますか?」
「納める税金がまとまった額になりそうなら、分けて払う相談もできますか?」
税金をすぐに納めるのが難しい場合は、税務署の徴収担当に相談する方法もあります。税理士にも一緒に考えてもらいましょう。
申告し直しの方が得になる年もある
過去の申告の中に、税金を納めすぎていた年があることも。
税金を納めすぎていた場合の「更正の請求」は、原則として法定申告期限から5年以内です。まとめて見てもらうついでに、こうした年が無いかも聞いてみてください。
この先も続けるなら顧問契約も考える
過去の分を片付けたあと、毎年また同じ状態にならないか心配な方もいますよね。
売上が伸びて記帳が追いつかない、毎年の申告を誰かに任せたい。そんな状況なら、過去分の依頼と一緒に顧問契約を相談しておくと楽になります。
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よくある質問
何年前の分までさかのぼって申告すればいいですか?
国税庁は、申告を忘れていたと分かった時点でできるだけ早く申告するよう案内しています。どの年分から出すべきかは所得の状況で変わるので、資料を見てもらったうえで税理士に確認してください。
数年分まとめて頼むと割引はありますか?
報酬は各税理士が自由に決めるので、割引の有無は事務所しだいです。年分ごとの見積もりを出してもらい、複数の税理士で比べてみるのがおすすめです。
税務署から連絡が来た後でも頼めますか?
頼めます。ただ、事前通知の後は無申告加算税の割合が上がるので、連絡が来たらすぐに相談しましょう。税務調査の立会いも税理士の業務に含まれます。
まとめ
- 過去の数年分の確定申告は、税理士にまとめて依頼できる
- 費用は年分の数と資料のそろい具合で決まり、帳簿が無いと記帳代行の分が上乗せされやすい
- 無申告加算税は税務署の事前通知の前に自分から出すと5%で、遅れるほど重くなる
- 延滞税は日数に応じてかかるので、早く動くほど負担は小さい




