当サイトは国税庁・日本税理士会連合会などの公開情報をもとに編集部が執筆しています。記事内のサービス紹介には広告を含みます。
『毎月顧問料を払っているのに、節税の話をされたことがない』というモヤモヤ、ありますよね。
結論から言うと、顧問税理士に節税の提案を期待するのは自然なことです。ただ、どこまで自分から言ってくれるかは契約の範囲と頼み方でかなり変わります。
この記事を読めば、どんな提案なら期待してよいのか、どう頼めば提案が出てきやすいのかが分かります。
顧問税理士は節税の提案をしてくれるの?
多くの顧問税理士は、聞かれれば節税の相談に答えます。ただし、決算直前に言われても打てる手は限られます。提案を受けたいなら「早めに数字を共有して、こちらから相談の場を作る」のが近道です。
税金の計算について具体的な質問に答えることは「税務相談」と呼ばれ、税理士の独占業務の一つです。つまり、節税の相談はまさに税理士に頼むべき仕事なんです。
一方で、顧問契約で何をどこまでやるかは事務所ごとに決めています。記帳と申告をきちんと終わらせることが中心の事務所もあれば、決算前の打ち合わせを毎年組む事務所もあります。
『言わなくても提案してくれるはず』と思っていると、すれ違いが起きやすいんです。ここが大事なところです。
期待してよい提案と、難しいこと
『どこまでが普通のお願いなの?』と迷う方も多いはずです。よくある相談を、期待しやすいものと難しいものに分けてみました。
| 相談の内容 | 期待しやすさ | ひとこと |
|---|---|---|
| 決算前の利益の見込みと、今期できる対策 | 期待しやすい | 試算表が月次でそろっていることが前提 |
| 消費税の届出や特例をどれにするか | 期待しやすい | インボイス登録の有無で選べる計算が変わる |
| 個人事業から法人にするタイミング | 期待しやすい | 売上や利益の推移を見ながら一緒に考える |
| 認定支援機関として計画づくりを手伝う | 事務所による | 認定を受けているかを先に確認したい |
| 申告後に「やっぱり経費を増やしたい」 | 難しい | 打てる手は決算日までに決まることが多い |
| 売上を隠す、経費を水増しする | 頼めない | 節税ではなく脱税で、税理士は応じない |
表の上の方は、顧問税理士がいるからこそ相談しやすいものです。逆に、決算が終わってからの相談は、どんなに腕のよい税理士でもできることが少なくなります。
例えば、消費税の特例はその代表です。インボイス登録で免税事業者から課税事業者になった場合、令和5年10月1日から令和8年9月30日の日の属する課税期間は、納付税額を売上税額の2割にできる「2割特例」がありました。
さらに、小規模な個人事業者が同じように課税事業者になった場合は、令和9年と令和10年の課税期間に納付税額を売上税額の3割にできる特例が新しく設けられています。どれを選ぶと有利かは事業ごとに違うので、判断は税理士に確認してみてください。
詳しい条件は国税庁のインボイス制度のページで確認できます。

『節税って、結局は経費を増やすことでしょ?』と思っている方もいるかもしれません。
実は、税金を減らすためだけにお金を使うと、手元の現金が減ってしまうことも。例えば、必要のない備品を決算前にまとめて買うと、税金は少し減っても資金繰りが苦しくなります。
よい顧問税理士は、税金の額だけでなく「手元にお金がいくら残るか」も一緒に見てくれます。提案を受けた時は、税金がいくら減るかと、お金がいくら出ていくかを並べて聞いてみてください。
業種や規模で、相談したいことは変わる
節税と言っても、事業によって気にしたい所は違います。自分に近いケースを当てはめてみてください。
例えば、年商1,500万円で外注を多く使う個人のWeb制作業なら、インボイス登録の有無と消費税の計算方法の選び方が最初の相談になりやすいです。
例えば、年商3,000万円の飲食店を法人で営んでいるなら、設備の入れ替えの時期や、決算前の利益の見込みが話題になります。
例えば、後継ぎに株を渡すことを考えている法人なら、事業承継税制の特例が関係します。特例承継計画の提出期限は令和9年9月30日で、計画には認定経営革新等支援機関の指導と助言が必要です。
どのケースでも、相談の出発点は「今の数字」です。数字が年に1回しかそろわない状態だと、税理士も提案のしようがないんですね。
顧問税理士にどんな仕事を頼めるのかは税理士ができることと頼めない仕事で詳しくまとめています。
節税の提案を引き出す頼み方
『どう切り出せばいいか分からない』という方もいますよね。次の順で進めると、提案をもらいやすくなります。
- 契約の時に「決算前の打ち合わせを入れてほしい」と伝える
- 毎月の記帳や資料の提出を遅らせず、試算表を月次でそろえる
- 決算日の数か月前に、利益の見込みを一緒に確認する場を作る
- 設備の購入、人の採用、法人化などの予定を早めに共有する
- 提案を受けたら、メリットと手間、リスクを聞いてから決める
実際の伝え方は、こんな感じで十分です。
「今期は利益が出そうなので、決算前に一度相談させてください」
「分かりました。直近の試算表を見ながら、使えそうな手を確認しましょう」
予定を早く伝えるほど、選べる手が増えます。「買ってから相談」より「買う前に相談」がおすすめです。
相談の時に用意しておくとよいものも挙げておきます。
- 直近の試算表か、月ごとの売上と経費の数字
- 今期に予定している大きな支払い(設備、車、採用など)
- 去年の決算書か確定申告書の控え
- 気になっている税金の種類(所得税、法人税、消費税など)
これだけそろっていれば、税理士も「この会社ならこの手が使えそう」と具体的に考えやすくなります。
提案が少ない時はどうする?
『何度頼んでも、申告書を作るだけで終わってしまう』ということもあるかもしれません。
まずは契約の範囲を確認してみましょう。顧問料が記帳と申告だけを前提にしているなら、相談の時間が取れていないだけということもあります。
それでも合わないと感じたら、今の顧問料と頼みたい内容を書き出して、ほかの税理士の見積もりと比べてみるのも一つの手です。顧問料の決まり方は税理士の顧問料相場が参考になります。
ただ、すぐに替える前に一度だけ、はっきり頼んでみるのもおすすめです。
「来期からは、決算の前に一度打ち合わせの時間をもらえますか。追加の費用がかかるなら教えてください」
こう伝えるだけで、対応が変わる事務所も少なくありません。
切り替えを考える時の進め方は税理士の契約解除の進め方で紹介しています。
売上が伸びて「今のままだと税金がいくらになるのか分からない」状態なら、決算前に相談できる顧問税理士を探すと気持ちがかなり楽になります。法人化を考え始めた方も同じです。
税理士ドットコム
あなたの業種・規模に合う顧問税理士を無料で紹介
記帳や申告に手が回らない、法人化を考えている、今の税理士の対応に不満があるといった場合は、条件に合う顧問税理士を紹介してもらうのが近道です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から、予算や業種に合う税理士を無料で紹介してもらえます。
紹介料無料税理士ドットコムで顧問税理士を紹介してもらう(税理士ドットコムの紹介ページに移動します・24時間365日受付)
よくある質問
節税の提案は顧問料とは別にお金がかかりますか?
事務所によります。決算前の打ち合わせが顧問料に含まれていることもあれば、別料金のこともあります。契約前の見積もりで、相談の回数や範囲を確認しておきましょう。
節税をすると税務調査に入られやすくなりますか?
正しい手続きで行う節税そのものを心配しすぎる必要はありません。気をつけたいのは、根拠のない経費や処理です。迷う取引は、判断を税理士に確認してから進めてみてください。
決算が終わった後でも節税できますか?
打てる手はかなり少なくなります。多くの対策は決算日までに決まるので、決算の数か月前に相談するのがおすすめです。
まとめ
- 節税の相談は税務相談にあたり、まさに税理士に頼む仕事
- 提案がどこまで出てくるかは、契約の範囲と頼み方で変わる
- 決算前の相談、消費税の届出や特例、法人化の時期は期待しやすい
- 月次で数字をそろえ、予定を早めに伝えると提案が出やすくなる




