顧問税理士を個人事業主が付けるべき売上の基準と月額費用の目安

個人事業主が顧問税理士を付ける目安と費用を解説する記事のアイキャッチ

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売上が増えてきて『そろそろ税理士を付けたほうがいいのかな』と考え始めた個人事業主の方は多いはずです。

結論から言うと、「売上がいくらになったら」という公的な線引きはありません。この記事では、顧問税理士を付けると楽になる状況の目安と、月額費用の相場感が分かります。

個人事業主は売上いくらから顧問税理士を付けるべき?

先に結論

売上の金額だけで決まる基準はありません。記帳や申告にかかる手間、従業員の有無、法人化の予定などで判断するのが現実的です。民間の料金表では売上1,000万円が区切りの一つとして使われています。

『売上〇〇万円を超えたら顧問が必要』と書かれた情報を見かけることもありますよね。ただ、国や税理士会がそうした基準を出しているわけではありません。

税理士の報酬も同じです。税理士会の報酬規定は平成14年(2002年)3月31日で廃止され、今は各税理士が依頼内容に合わせて金額を決めています。

そのため、売上はあくまで目安の一つです。大事なのは「自分で回せるか」「間違えた時の影響が大きいか」の2点なんです。

売上よりも見ておきたい5つのサイン

  • 帳簿づけが毎月たまり、確定申告前にまとめて片付けている
  • 従業員やアルバイトを雇い始めた、または雇う予定がある
  • インボイスの登録をして、消費税の申告が必要になった
  • 法人にするかどうか、そろそろ考えたい
  • 税務署から問い合わせや調査の連絡が来た

この中で2つ以上当てはまるなら、顧問を検討するタイミングと言えます。どれも自分だけで抱えると時間がかかる作業だからです。

個人事業主が顧問税理士を考えるサインを示した図解

状況別に見る、顧問・スポット・自分での判断

ここが大事なところです。同じ売上でも、業種や取引の数で必要な手助けは変わります。

状況の例向いている頼み方理由
副業で取引が少なく、帳簿も自分でつけられる自分で申告、不安な年だけスポット作業量が少なく、年1回の確認で足りやすい
年商800万円のWeb制作フリーランス、取引先が多い確定申告のスポット依頼か、訪問少なめの顧問請求書の数が増え、年末にまとめると大変
年商2,000万円の飲食店、パート3人を雇用毎月の顧問契約源泉所得税や年末調整が毎月・毎年ある
年商3,000万円を超える建設業、外注先が多い毎月の顧問契約外注費の扱いや消費税の判断が多い
法人化を考えている顧問契約で法人化前後をまとめて相談時期や手続きを前もって決めておける

例えば、パートを雇う飲食店では、給与から差し引いた源泉所得税を原則として翌月10日までに納めます。給与の支給人員が常時10人未満なら納期の特例があり、1〜6月分は7月10日、7〜12月分は翌年1月20日にまとめて納められます。

こうした期限を毎月自分で追うのは、本業が忙しい時ほど負担になりますよね。さらに12月には年末調整があり、法定調書(給与の源泉徴収票など)は原則として翌年1月31日までに提出します。

「年末調整って、自分でもできますか?」
「人数が少なければできます。ただ、毎年の手間と間違いのリスクで考えてみましょう。」

インボイス登録をした人は特に要注意

免税事業者だった人がインボイスの登録をすると、消費税の申告が必要になります。国税庁の説明では、令和5年10月1日から令和8年9月30日の日を含む課税期間は、納める消費税を売上の消費税の2割にできる特例(2割特例)が使えます。個人事業者なら令和8年分の申告までが対象です。

令和9年・令和10年の課税期間は、小規模な個人事業者向けに3割にできる特例が設けられています。どの計算方法が自分に有利かは、取引の中身で変わります。

『結局、どの計算で申告すればいいの?』と迷ったら、ここは税理士に相談したほうが早い場面です。詳しくは国税庁 タックスアンサー No.6498 適格請求書等保存方式(インボイス制度)で確認できます。

個人事業主の顧問料は月いくら?

公的な統計は無いので、民間の目安を参考にします。税理士ドットコムが示す個人事業主の顧問契約の目安は次のとおりです。

年間売上毎月訪問3か月に一度6か月に一度確定申告料
1,000万円未満20,000円〜15,000円〜10,000円〜80,000円〜
1,000万〜3,000万円未満25,000円〜見積もりで確認見積もりで確認100,000円〜

つまり、月額のほかに年1回の確定申告料がかかる形が多いということです。年間の総額で比べてみると、見積もりの差が分かりやすくなります。

『毎月はそこまで要らないかも…』という方は、訪問の頻度を下げる契約もあります。費用の決まり方は税理士の顧問料相場と決まり方でも詳しく書いています。

顧問にせずスポットで頼む場合

年1回の確定申告だけを頼むこともできます。税理士ドットコムが示す個人事業主の確定申告のみの目安は、白色で5万円〜、青色(売上1,000万円未満)で7万円〜です。

記帳代行も込みにすると、同じ目安で青色(売上1,000万円未満)は15万円〜です。帳簿をどこまで自分でつけるかで、金額は大きく変わります。

単発の頼み方はスポットの税理士に一回だけ頼む方法でまとめています。

顧問税理士を付けると何が変わる?

『お金を払っても、結局自分でやることは変わらないのでは?』と感じる方もいるはずです。実は、変わるのは作業量よりも「迷う時間」なんです。

  • 経費にできるか迷った時に、その場で聞ける
  • 確定申告の期限(原則として翌年3月15日)前に慌てなくて済む
  • 消費税の申告がある場合も、期限(個人は原則翌年3月31日)に合わせて準備できる
  • 税務調査の連絡が来た時に、立会いを頼める

例えば、令和8年分の所得税の確定申告は、令和9年3月15日が納期限です。1月から準備を始められると、領収書探しに追われる時期がなくなります。

また、申告を忘れると無申告加算税がかかることがあります。調査の事前通知の前に自分から申告した場合でも5%です。期限の管理を任せられるのは、思った以上に大きいんです。

個人事業主が顧問税理士を選ぶ時の手順

契約までの流れ
  1. 頼みたいこと(記帳・申告・給与・法人化の相談)を書き出す
  2. 年間売上、従業員数、使っている会計ソフトをまとめる
  3. 2〜3人の税理士に見積もりと面談を頼む
  4. 月額に含まれる仕事と別料金の仕事を確認する
  5. 連絡手段と返信の早さを確かめてから契約する

見積もりを並べる時は、月額だけでなく確定申告料を足した年間の総額で比べてみてください。個人向けの選び方は個人事業主の税理士の選び方でも解説しています。

売上が伸びて記帳が追いつかない、人を雇い始めた、法人化を考えている。こうした状況なら、個人事業主の扱いに慣れた税理士を紹介してもらうと探す手間が減ります。

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よくある質問

売上が少なくても顧問税理士を付けてもいいですか?

付けて問題ありません。売上の基準は決まっていないので、手間や不安の大きさで判断してみてください。

顧問料は経費になりますか?

事業のための支払いなら経費として扱うのが一般的です。個別の判断は税理士に確認しておきましょう。

途中から顧問をやめて自分で申告に戻せますか?

契約内容によります。解約の申し出時期や、年の途中の扱いを契約前に確認しておくと安心です。

まとめ

この記事の要点
  • 個人事業主が顧問税理士を付ける売上の公的な基準はない
  • 記帳の負担、従業員、インボイス登録、法人化の予定で判断する
  • 民間の目安では売上1,000万円未満で月額20,000円〜(毎月訪問)
  • 月額と確定申告料を足した年間総額で見積もりを比べる
  • 年1回だけならスポット依頼という選び方もある
顧問税理士の選び方ナビ

顧問税理士の選び方ナビ 編集部

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