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お店を開いて数年、売上も安定してきた。そんな時に『うちにも税務調査って来るのかな』と気になり始めたオーナー美容師の方は多いはずです。
結論から言うと、美容室の調査で見られやすい点はある程度決まっています。この記事を読めば、どこを見られるのかと、今日からできる準備が分かります。
美容室の税務調査では何を見られるの?
美容室の税務調査では、売上の記録がもれなくつながっているか、店販商品や薬剤の仕入れと在庫が合っているか、業務委託の美容師やスタッフへの支払いが正しく処理されているかがよく確認されます。日々のレジ締めと、支払いの根拠になる書類をそろえておけば、慌てずに対応できます。
『小さなお店だし、調査なんて来ないでしょ』と思っていませんか。
実は、個人事業主への調査も毎年行われています。国税庁の公表では、令和6事務年度の所得税の実地調査は4万7千件でした。お店の規模に関係なく、準備しておくに越したことはないんです。
調査は原則として事前通知から始まります。国税庁の案内では、通知は原則電話で、何日前かは法令で決まっていません。電話が来た時の動き方は税務調査の電話が来た時の順番で解説しています。
美容室で見られやすい5つの点
美容室ならではの取引は、ほかの業種より確認されやすい所があります。代表的なものを表にまとめました。
| 見られやすい点 | 美容室でよくある場面 | 用意しておきたい記録 |
|---|---|---|
| 現金売上 | 現金で払うお客さまが一定数いる | レジの締め記録、日ごとの売上メモ |
| キャッシュレス売上 | カード・QR決済の入金がまとめて振り込まれる | 決済会社の明細と帳簿の売上の照合 |
| 店販商品と薬剤 | シャンプーやトリートメントを販売、カラー剤を大量に仕入れる | 仕入れの請求書、年末の在庫の数 |
| 業務委託の美容師 | 面貸しや歩合で外部の美容師と契約している | 契約書、支払いの明細、請求書 |
| 家族への給与 | 家族が受付やアシスタントをしている | 勤務の記録、給与の支払い記録 |

現金とキャッシュレスの売上
現金売上は、記録が残りにくいぶん丁寧に聞かれやすいところです。予約システムの来店記録と、レジの売上が合っているかを見られることもあります。
キャッシュレス決済は、入金が数日分まとめて振り込まれますよね。手数料が差し引かれた金額だけを売上にしていないか、一度確かめておきましょう。
店販商品と薬剤の在庫
シャンプーやカラー剤は、年末に残っている分が在庫になります。『全部経費で落としていた』という方は、処理の仕方を税理士に確認してみてください。
店販商品を自分や家族で使った分の扱いも、聞かれることがあるポイントです。
業務委託の美容師への支払い
ここが大事なところです。業務委託として払っているお金が、働き方によっては給与と見られることがあります。
例えば、出勤時間をお店が決めている、道具や薬剤をすべてお店が用意している、といった場合です。給与になると源泉徴収の扱いも変わります。どちらに当たるかの判断は、契約書と実際の働き方を見せて税理士に確認しておきましょう。
家族への給与の考え方は家族への給与で気をつける点にまとめています。
美容師が今から準備しておくこと
『何から手をつければいいの?』という方も多いですよね。まずは次の項目を確かめてみてください。
- レジの締め記録を毎日残し、帳簿の売上と合わせている
- キャッシュレス決済の明細を毎月保存している
- 店販商品と薬剤の年末の在庫を数えて記録している
- 業務委託の美容師との契約書があり、支払いの明細が残っている
- 家族スタッフの勤務の記録を付けている
全部そろっていなくても大丈夫です。足りない所が分かるだけでも、調査の前に手を打てます。
調査官とのやり取りは、例えばこんな形になります。
「この月の現金売上は、どの記録をもとに付けていますか?」
「毎日のレジ締めの記録です。こちらのノートにまとめています」
すぐに記録を見せられると、話がスムーズに進みます。逆に、記録がなくて説明できない時は、税理士に同席してもらうと安心です。
税理士に立会いを頼むこともできる
税務調査の立会いは、税理士の仕事である税務代理に含まれます。税理士が税務代理権限証書を出していれば、事前の同意によって通知を税理士に受けてもらうこともできます。
調査の流れそのものは税務調査の流れの解説で確かめてみてください。
調査で指摘されるとどうなる?
指摘を受けて修正申告をすると、過少申告加算税がかかります。国税庁の案内では、調査を受けた後は10%、当初の申告税額と50万円の多い方を超える部分は15%です。
さらに、納める日までの日数に応じて延滞税もかかります。売上を意図的に隠したと見なされると、もっと重い重加算税の話になります。詳しくは重加算税を避けるための対応を読んでみてください。
『細かい処理まで自分で見るのは無理…』と感じるのは自然なことです。お店に立ちながら帳簿まで見るのは、本当に大変ですよね。
スタッフが増えてきた、業務委託の美容師と契約している、2店舗目を考えている。こんな状況なら、美容室の取引に慣れた顧問税理士を探しておくと、調査が来ても落ち着いて対応できます。
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よくある質問
美容室の税務調査は何年分を見られますか?
対象の期間は調査ごとに異なり、事前通知の時に伝えられます。通知の電話で、対象の税目と期間をメモしておきましょう。
業務委託の美容師への支払いは、外注費にしてよいですか?
契約書の内容と実際の働き方によって判断が分かれます。お店が時間や道具を決めている場合などは給与と見られることもあるので、判断は税理士に確認しておきましょう。
お客さまからのチップや差し入れはどう扱いますか?
受け取った物の中身によって扱いが変わることがあります。自己判断せず、どんな物をどれくらい受け取っているかを税理士に伝えて確認してみてください。
まとめ
- 美容室の調査では、売上の記録・在庫・支払いの処理がよく見られる
- 現金とキャッシュレスの売上は、記録と入金を毎月合わせておく
- 業務委託の美容師への支払いは、働き方しだいで給与と見られることがある
- 指摘を受けると加算税と延滞税がかかるので、早めに準備しておく




