法人成りする年の個人の確定申告|税理士に任せる範囲と費用

法人成りする年の個人の確定申告と税理士に任せる範囲を解説する記事のアイキャッチ

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会社を作って、個人事業から法人に切り替えた。ほっとした矢先に『あれ、今年の個人の確定申告はどうなるんだろう』と気づく方は多いはずです。

結論から言うと、法人成りした年も個人の確定申告は必要です。しかも法人の申告も始まるので、この1年だけは申告が2本立てになります。

この記事では、個人側で締める作業と、税理士にどこまで任せるかの決め方が分かります。

法人成りした年も個人の確定申告は必要?

先に結論

必要です。1月1日から個人事業をやめる日までの分を、翌年の確定申告期限までに個人として申告します。法人の決算もこれから始まるので、個人の最後の申告と法人の顧問をまとめて同じ税理士に頼むと、引き継ぎの抜けが起きにくくなります。

例えば、令和8年の途中で法人成りしたケースを考えてみましょう。個人で売上が立っていた期間の分は、令和8年分の確定申告で出します。納期限は令和9年3月15日です。

一方で、法人は事業年度が終わった日の翌日から2か月以内に法人税の申告をします。個人と法人で締め日も期限も違うんです。

『会社を作ったら、個人の方はもう何もしなくていいのでは?』と思いがちですよね。ただ、個人で稼いだ期間がある以上、その分の申告は残ります。

法人成りした年に個人の確定申告と法人の決算申告の2つが発生する流れを示した図解

個人側で締める作業と出す書類

法人成りの年は、個人事業の「店じまい」をきちんとすることが大切です。

国税庁「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」によると、事業を廃止した時の届出は、その年分の確定申告期限までに出すことになっています。

同じページでは、青色申告をやめる方は「青色申告の取りやめ届出書」も出すよう案内されています。消費税の課税事業者で、廃止する事業のほかに課税売上になる所得が無い方は「事業廃止届出書」も必要です。

個人の最後の申告で確認しておくこと
  • 個人事業をやめた日と、法人で事業を始めた日を決めているか
  • その日までの売上・経費を個人の帳簿で締めているか
  • 売掛金・在庫・事業用の資産を法人に引き継ぐ方法を決めたか
  • 廃業の届出や青色申告の取りやめ届出を出す時期を把握しているか

特に迷いやすいのが、年の途中で区切る経費です。家賃や通信費のように、個人と法人の両方にまたがる支払いが出てきます。

「この月の家賃は個人と会社、どちらの経費ですか?」という質問は、法人成りの年によく出ます。区切り方は契約の名義や実態で変わるので、判断は税理士に確認しておきましょう。

役員報酬をもらい始めた場合

法人から役員報酬を受け取り始めると、個人には給与の所得も加わります。

実は、個人事業の最後の数か月分と給与が同じ年に並ぶので、申告書の中身は前年までと少し変わるんです。去年の申告書をそのまま真似すると、記入漏れが起きやすくなります。

税理士に任せる範囲の決め方

任せ方は、大きく3つに分かれます。ご自身がどれに近いか当てはめてみてください。

状況の例任せる範囲向いている理由
年商800万円のWeb制作業。個人の帳簿は会計ソフトでできている個人の申告は自分、法人だけ顧問個人側は締めるだけで済む
年商2,000万円の小売業。在庫と売掛金を法人に移す個人の最後の申告もスポットで依頼引き継ぎの金額の決め方で迷いやすい
年商3,000万円超で従業員もいる。帳簿が追いついていない個人の最後の申告と法人の顧問をまとめて依頼両方の数字を同じ人が見るとつながる

個人の申告を途中まで自分で作り、仕上げだけ頼む方法もあります。詳しくは 確定申告を途中まで自分で作って税理士に頼む方法 を読んでみてください。

費用の目安

『個人と法人の両方を頼んだら、費用が倍になりそう』と感じる方もいるはずです。

税理士の報酬には公的な基準がありません。報酬規定は2002年に廃止され、いまは依頼内容に応じて各税理士が決めています。

ここでは税理士ドットコムが示す目安を出所として挙げます。あくまで民間の目安で、事務所によって差があります。

依頼内容(税理士ドットコムの目安)金額
個人の確定申告のみ(青色・売上1,000万円未満)7万円〜
個人の確定申告のみ(青色・売上3,000万円未満)10万円〜
法人の決算申告のみ15万〜25万円
法人の顧問料(毎月・年間売上1,000万円未満)月25,000円〜
法人の決算料(年間売上1,000万円未満)100,000円〜

法人の顧問契約とセットにすると、決算料は月額顧問料の4〜6か月分が目安とされています。法人成りの年は、個人の最後の申告をセットで割り引いてくれるかどうかも聞いてみると良いですよ。

顧問料の考え方は 税理士の顧問料相場 で、確定申告の費用全体は 確定申告の税理士費用の目安 で詳しく紹介しています。

会社を作ったばかりで、個人の締めと法人の帳簿づけが同時に来ている。給与の手続きもこれから。そんな時期こそ、両方をまとめて見てくれる顧問税理士を探しておくと、最初の決算まで落ち着いて進められます。

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よくある質問

法人成りした年の個人の確定申告の期限はいつですか?

通常の確定申告と同じです。令和8年分なら納期限は令和9年3月15日です。期限が土日祝日にあたる時は翌日になります。

個人の最後の申告と法人の申告は、同じ税理士に頼む必要がありますか?

別々でも問題ありません。ただ、資産や売掛金の引き継ぎは両方の数字にかかわるので、同じ税理士だと説明の手間が減ります。

廃業の届出を出し忘れていたらどうなりますか?

国税庁の案内では、その年分の確定申告期限までに出すことになっています。気づいた時点で税務署か税理士に相談してみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 法人成りした年も、個人で事業をしていた期間の確定申告が必要
  • 廃業の届出、青色申告の取りやめ、消費税の届出の要否を確認する
  • 年の途中で区切る経費と、資産の引き継ぎで迷いやすい
  • 費用に公的基準はなく、個人と法人をまとめて頼むかで見積もりが変わる
顧問税理士の選び方ナビ

顧問税理士の選び方ナビ 編集部

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