当サイトは国税庁・日本税理士会連合会などの公開情報をもとに編集部が執筆しています。記事内のサービス紹介には広告を含みます。
ASPの報酬が月ごとに増えてきて、確定申告の時期に『こんなに税金がかかるの?』と驚いた方も多いですよね。
結論から言うと、アフィリエイターの法人化は、所得税と法人税の税率の差に加えて、役員報酬と社会保険料まで含めた手取りで決めるのが大切です。報酬の波が大きい仕事なので、1年だけの数字で決めないこともポイントなんです。
この記事を読むと、アフィリエイターが法人化を考える目安と、税理士に試算を頼む時の準備が分かります。
アフィリエイターが法人化する目安は?
アフィリエイターの法人化の目安は、ASP報酬から経費を引いた利益が毎年安定して高く、所得税の税率が高い段階に入っている時です。会社にすると社長1人でも社会保険の加入が要るので、税金の減り方と保険料の増え方を手取りで比べます。報酬が1年だけ跳ねた時は、次の年の見通しも含めて税理士に試算してもらいましょう。
まずは税率の違いを見ておきましょう。
個人の所得税は、国税庁の税率表のとおり累進課税です。課税所得が330万円以上で20%、695万円以上で23%、900万円以上で33%、1,800万円以上で40%と上がっていきます。
一方、資本金1億円以下の会社の法人税は、国税庁の法人税率の説明によると、所得の年800万円以下の部分が15%、800万円を超える部分が23.2%です。
| 課税所得の段階 | 個人の所得税率 | 会社の法人税率(中小法人) |
|---|---|---|
| 330万円以上695万円未満 | 20% | 15%(年800万円以下の部分) |
| 695万円以上900万円未満 | 23% | 15%(年800万円以下の部分) |
| 900万円以上1,800万円未満 | 33% | 800万円を超える部分は23.2% |
| 1,800万円以上 | 40%以上 | 800万円を超える部分は23.2% |
表だけ見ると『会社の方がずっと得じゃないか』と感じますよね。ただ、この表は所得税と法人税だけを比べたものです。住民税や事業税、社会保険料は入っていません。
会社にすると税金はどう分かれる?
ここが法人化の考え方の中心です。
会社にすると、ASP報酬は会社の売上になります。そこから自分に役員報酬を払い、残った利益に法人税がかかります。自分が受け取る役員報酬には、給与として所得税と住民税がかかる仕組みです。
つまり、利益を「会社に残す分」と「役員報酬として受け取る分」に分けて、それぞれの税率で計算するイメージなんです。
例えば、ASP報酬から経費を引いた利益が毎年大きく、生活費以上のお金を会社に残しておける専業のアフィリエイターなら、この分け方で負担を調整しやすくなります。
反対に、利益のほとんどを生活費として使う方は、役員報酬を多くせざるを得ません。その場合、会社にしても所得税の負担はあまり変わらず、社会保険料や決算の費用だけが増えることもあります。
役員報酬は、原則として事業年度の途中で自由に変えられません。報酬の波が大きいアフィリエイトでは、いくらに決めるかを税理士と相談しておきたいところです。

社会保険と消費税はどうなる?
税金以外で大きく変わるのが社会保険です。
日本年金機構の説明では、株式会社などの法人の事業所は、事業主のみの場合でも厚生年金保険・健康保険の適用事業所になります。1人で記事を書いている会社でも加入が要るんです。
保険料は役員報酬の額をもとに決まり、会社負担分と本人負担分の両方がかかります。その分、将来の年金は国民年金だけの時より手厚くなります。
消費税については、国税庁の説明で、新しく作った会社は資本金1,000万円以上の場合などを除き、設立1期目と2期目は原則として納税義務が免除されるとされています。
ただし、特定期間の課税売上高が1,000万円を超えると、免除にならない場合があります。インボイスの登録事業者になっている場合も、申告が要ります。
『消費税がしばらくかからないなら、すぐ会社にしよう』と決める前に、自分がどのパターンに当たるかを税理士に確認しておきましょう。
ASPの名義変更と税理士への相談はどう進める?
会社にしたら、ASPの登録情報も会社に切り替えます。登録者の名義、報酬の振込口座、請求書や支払明細の宛名などが対象です。
もう1つ、会社にすると毎年の決算書づくりが要ります。ASPの報酬は、成果の発生、確定、入金の時期がずれますよね。どの時点で売上にするかを会社でそろえておかないと、決算のたびに数字が合わなくなりがちです。
ASPによって、名義の変更で済むところと、会社として新しく登録し直すところがあります。報酬の確定と入金の時期がずれるので、切り替えの月をそろえておくと帳簿が混ざりにくくなります。
- 税理士に、個人と会社の手取りを試算してもらう
- 会社の決算期と役員報酬の額を決める
- 会社を設立し、法人口座を作る
- ASPの登録名義と振込口座を会社に切り替える
- 税務署や年金事務所への届出を出す
税理士との相談は、こんな会話から始めると話が早いです。
「ASPの報酬が増えて、法人にした方がいいか迷っています」
「過去の申告書と今年の報酬の推移を見て、役員報酬をいくらにすると手取りが多くなるか比べてみましょう」
会社設立の進め方と設立後の顧問契約は、会社設立の税理士の選び方と設立後の顧問契約で詳しく解説しています。同じように報酬の波がある仕事として、漫画家の法人化の目安も参考になります。
費用の面では、税理士ドットコムが示す目安で、法人の顧問契約は年間売上1,000万円未満で毎月訪問なら月25,000円から、6か月に一度なら15,000円から、決算料は100,000円からとされています。民間の目安で、報酬は事務所ごとに自由に決まります。顧問料の決まり方は税理士の顧問料相場で確認できます。
ASP報酬が増えて確定申告の負担が重くなってきた、外注ライターへの支払いが増えて記帳が追いつかない、来年から会社にするか決めたい、という方は、顧問税理士を探して手取りの試算から相談してみると判断がしやすくなります。
税理士ドットコム
あなたの業種・規模に合う顧問税理士を無料で紹介
記帳や申告に手が回らない、法人化を考えている、今の税理士の対応に不満があるといった場合は、条件に合う顧問税理士を紹介してもらうのが近道です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から、予算や業種に合う税理士を無料で紹介してもらえます。
紹介料無料税理士ドットコムで顧問税理士を紹介してもらう(税理士ドットコムの紹介ページに移動します・24時間365日受付)
よくある質問
アフィリエイターは年収いくらで法人化を考えればいいですか?
一律の金額はありません。所得税と法人税の税率差に加えて、役員報酬の決め方、社会保険料、決算の費用で手取りが変わります。過去の申告書をもとに税理士に試算してもらいましょう。
報酬が1年だけ大きく増えた場合も法人化した方がいいですか?
その年だけの数字で決めるのはおすすめしません。会社にすると決算や社会保険の負担が毎年続きます。翌年以降の見通しも含めて、個人のままの場合と比べてみてください。
法人化したらASPの登録はどうなりますか?
登録者の名義や振込口座を会社に切り替えます。名義の変更で済むASPと、会社として新しく登録し直すASPがあるので、各ASPの案内を確認しておきましょう。
まとめ
- アフィリエイターの法人化は、税率差だけでなく役員報酬と社会保険料を含めた手取りで判断する
- 会社にすると、利益を会社に残す分と役員報酬に分けて税金がかかる
- 法人は社長1人でも健康保険・厚生年金の加入が要る
- 消費税は設立1期目・2期目に原則免除だが、特定期間やインボイス登録で例外がある
- ASPの登録名義と振込口座は、切り替えの月をそろえて会社に移す




