事業と不動産の所得がある人の確定申告|税理士に頼む費用の目安

事業所得と不動産所得がある人の確定申告と税理士費用の目安を解説する記事のアイキャッチ

当サイトは国税庁・日本税理士会連合会などの公開情報をもとに編集部が執筆しています。記事内のサービス紹介には広告を含みます。

本業の事業に加えて、アパートや貸家の家賃収入もある。そんな方の確定申告は、手間が一気に増えますよね。

結論から言うと、所得が2種類になっても申告書は1つです。ただ、帳簿と経費の分け方でつまずきやすいので、税理士に頼むかどうかはそこを基準に決めるのがおすすめです。

この記事では、自分でやるか頼むかの分かれ目と、費用の見積もりを取る時のコツが分かります。

事業と不動産の両方がある確定申告は税理士に頼むべき?

先に結論

事業所得と不動産所得は、それぞれ「収入から経費を引く」計算をしてから、1つの確定申告書にまとめます。物件が少なく帳簿を自分で分けられるなら自分で申告もできます。経費の按分や赤字の扱いで迷うなら、税理士に頼んだ方が楽です。

『家賃は通帳に入るだけだし、事業のついでに書けばいいのでは?』と思う方も多いはずです。

実は、ここが落とし穴なんです。不動産の貸付けによる所得は、事業所得ではなく不動産所得として別に計算します。国税庁タックスアンサー「事業所得の課税のしくみ」 でも、不動産の貸付けによる所得は原則として不動産所得になると説明されています。

計算の形はどちらも「総収入金額から必要経費を引く」です。国税庁タックスアンサー「不動産収入を受け取ったとき」 によると、不動産所得の収入には家賃だけでなく、更新料や返さない敷金・保証金なども含まれます。

申告の期限は、どちらも所得税の確定申告と同じです。令和8年分なら令和9年3月15日が納期限になります。

事業所得と不動産所得をそれぞれ計算してから1枚の申告書にまとめる流れを示した図解

自分でやるか税理士に頼むかの分かれ目

まずは、ご自身の状況を表に当てはめてみてください。

状況の例向いている頼み方理由
年商500万円ほどのデザイン業に、区分マンション1室の家賃収入自分で申告(不安な所だけ相談)物件が1つで経費の種類が少ない
年商2,000万円の飲食店を個人で営み、アパート1棟も持っている確定申告だけスポットで依頼経費の種類が多く、按分も出てくる
事業が伸びていて、貸家も複数ある・法人化も考えている顧問契約毎月の記帳と節税の相談が両方要る

例えば、自宅兼事務所の一部を人に貸しているケースは、按分の考え方が3つに分かれます。自分の生活の分、事業の分、貸している分です。

ここを自己流で決めると、あとで説明がつかなくなることも。迷ったら、判断は税理士に確認しておきましょう。

つまずきやすい3つのポイント

自分で申告する前のチェック
  • 事業用と賃貸用の通帳・カードを分けているか
  • 固定資産税や保険料を、どの所得の経費にするか決めているか
  • 建物の減価償却費を毎年きちんと計算しているか

不動産所得の主な経費には、固定資産税・損害保険料・減価償却費・修繕費があります。どれも事業の経費と混ざりやすいものなんです。

もう1つ大事なのが赤字の扱いです。不動産所得が赤字の時は、他の所得の黒字から差し引ける場合があります(損益通算)。

ただ、土地を買うための借入金の利子にあたる部分など、差し引けない損失もあります(国税庁タックスアンサー「不動産所得が赤字のときの他の所得との通算」)。赤字が出た年こそ、一度プロに見てもらうと安心です。

貸付けの規模で変わること

『家賃収入は小さいから、事業の話とは関係ないよね』と感じるかもしれません。

ところが、貸付けが「事業として」行われているかどうかで、計算の扱いが変わる部分があります。建物の場合、アパートなど独立した部屋がおおむね10室以上、または独立家屋がおおむね5棟以上なら、原則として事業として扱われます(国税庁タックスアンサー「事業としての不動産貸付けとそれ以外の区分」)。

この区分で変わるのは、例えば次のような点です。

  • 青色申告の事業専従者給与を使えるかどうか
  • 青色申告特別控除の上限額
  • 家賃が回収できなくなった時の経費の入れ方

規模の判定は「社会通念上の事業と言えるか」で実質的に見るので、境目の方は自分だけで決めないでおきましょう。

税理士に頼む費用の目安と見積もりのコツ

『2つの所得をまとめて頼むと、かなり高くなるのでは?』と心配になりますよね。

費用には公的な基準がありません。税理士の報酬規定は2002年に廃止され、いまは各税理士が依頼内容に応じて決めています。

参考として、税理士ドットコムが示す目安を挙げます。個人事業主の確定申告だけを頼む場合、青色申告で売上1,000万円未満なら7万円〜、3,000万円未満なら10万円〜とされています。記帳代行も込みにすると、それぞれ15万円〜、20万円〜です。

頼み方(税理士ドットコムの目安)売上1,000万円未満売上1,000万〜3,000万円未満
確定申告のみ(青色)7万円〜10万円〜
記帳代行込み(青色)15万円〜20万円〜
顧問契約(毎月・月額)20,000円〜25,000円〜

この目安は事業の売上で分かれていて、不動産所得がある場合の加算は事務所ごとに違います。物件の数や帳簿の状態で手間が変わるので、見積もりを取る時は次の情報をそろえておくとスムーズです。

「事業の売上はどのくらいですか?」「貸している物件は何件で、帳簿はどこまでできていますか?」と最初に聞かれることが多いですよ。

費用全体の考え方は 確定申告の税理士費用の目安 で詳しくまとめています。消費税の申告も必要な方は 消費税の申告を税理士に頼む場合の費用 もあわせて読んでみてください。

事業も貸家も伸びてきて、帳簿づけが追いつかない。法人化も視野に入ってきた。そんな状況なら、毎年まとめて相談できる顧問税理士を探しておくと、申告の時期がぐっと楽になります。

税理士ドットコム

あなたの業種・規模に合う顧問税理士を無料で紹介

記帳や申告に手が回らない、法人化を考えている、今の税理士の対応に不満があるといった場合は、条件に合う顧問税理士を紹介してもらうのが近道です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から、予算や業種に合う税理士を無料で紹介してもらえます。

紹介料無料税理士ドットコムで顧問税理士を紹介してもらう

(税理士ドットコムの紹介ページに移動します・24時間365日受付)

よくある質問

事業所得と不動産所得で、確定申告書は別々に出すのですか?

いいえ、申告書は1つです。それぞれの所得を計算したうえで、同じ確定申告書にまとめて記載します。

家賃収入が少しだけでも、不動産所得として申告が必要ですか?

貸付けによる収入は原則として不動産所得になります。申告が必要かどうかは他の所得との関係でも変わるので、判断は税理士や税務署に確認してみてください。

不動産の分だけを税理士に頼むことはできますか?

事務所によっては相談できます。ただ、申告書は1つにまとまるので、事業の数字も見てもらう形になることが多いです。途中まで自分で作る頼み方もあります。

まとめ

この記事の要点
  • 事業所得と不動産所得は別々に計算し、1つの申告書にまとめる
  • 経費の按分・減価償却・赤字の扱いがつまずきやすい
  • 貸付けの規模によって計算の扱いが変わる部分がある
  • 費用に公的基準はなく、物件数と帳簿の状態で見積もりが変わる
顧問税理士の選び方ナビ

顧問税理士の選び方ナビ 編集部

個人事業主・フリーランス・会社経営者が、自分の状況に合った顧問税理士を探せるよう、公的機関の公開情報をもとに費用・探し方・頼める範囲を解説しています。 公式サイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!