売上いくらから税理士が必要?個人事業主と法人の判断の目安

売上いくらから税理士が必要かを、個人事業主と法人に分けて判断する記事のアイキャッチ

当サイトは国税庁・日本税理士会連合会などの公開情報をもとに編集部が執筆しています。記事内のサービス紹介には広告を含みます。

売上が増えてきて、「そろそろ税理士に頼んだほうがいいのかな」と感じていませんか。

結論から言うと、売上いくらから税理士が必要という決まりはありません。ただ、消費税の課税事業者になる目安の1,000万円が、多くの人にとって最初の区切りになります。

この記事では、売上帯ごとに「自分で・スポット・顧問」のどれが合いやすいかが分かります。

売上いくらから税理士が必要?先に結論

先に結論

売上の金額で税理士が必要になる法律上の基準はありません。目安になるのは、消費税の申告が始まる時(基準期間の課税売上高1,000万円超など)、法人にした時、人を雇った時の3つです。

個人事業主でも法人でも、税理士をつける義務はありません。自分で申告することもできます。

それでも「売上いくらから」と気になるのは、売上が増えるほど手間と税額が一緒に増えるからですよね。

実は、売上そのものより大事なのは「申告の種類が増えるかどうか」なんです。所得税だけだったのが、消費税や源泉所得税まで増えると、自分で抱える負担がぐっと重くなります。

消費税の1,000万円はなぜ区切りになる?

国税庁の説明では、基準期間の課税売上高が1,000万円以下なら、原則として消費税の納税義務が免除されます。

基準期間は、個人事業主なら前々年、法人なら前々事業年度です。今年の売上が1,000万円を超えても、すぐではなく2年後に課税事業者になる仕組みです。

もう1つ注意したいのが特定期間です。個人なら前年の1月1日から6月30日までの課税売上高が1,000万円を超えると、基準期間が1,000万円以下でも免除されません。この判定は、課税売上高の代わりに給与等の支払額で行うこともできます。

確認先は国税庁 タックスアンサー No.6501 納税義務の免除です。

『売上が1,000万円を超えなければ消費税は関係ない』と思っている方もいるはずです。ただ、インボイスの登録をすると、売上に関係なく課税事業者になります。

インボイス登録で免税事業者から課税事業者になった場合は、納付税額を売上税額の2割にできる2割特例があります。令和5年10月1日から令和8年9月30日の日を含む課税期間が対象です。小規模な個人事業者には、令和9年・令和10年の課税期間に3割にできる3割特例も設けられています。

どれを選ぶと有利かは、仕入れや経費の内容で変わります。判断に迷ったら税理士に確認してみてください。

消費税の申告が始まると、売上と経費のそれぞれについて、税率や仕入税額控除の対象かどうかを分けて記録する必要が出てきます。所得税だけの時より帳簿づけの手間が増えるので、この時期に税理士を探し始める人が多いんです。

売上帯ごとの判断の目安

売上の大きさと事業の形で、どう頼むと合いやすいかを表にしてみました。

売上と状況個人事業主の目安法人の目安
1,000万円未満・取引が少ない自分で、または確定申告だけスポット決算申告だけスポット
1,000万円未満・取引や経費が多い確定申告スポット(記帳込み)も検討顧問(訪問少なめ)も検討
1,000万円前後・消費税の申告が始まる顧問を検討し始める時期顧問契約が合いやすい
1,000万〜3,000万円・外注や雇用がある顧問契約が合いやすい顧問契約
法人化を考えている法人化の相談から顧問へ(設立後は法人の目安へ)
売上が増えるにつれて自分で・スポット・顧問へと頼み方が変わる流れを示した図解

例えば、売上700万円ほどのWebデザイナーの個人事業で、取引先が数社だけのケース。会計ソフトで記帳して、確定申告だけ頼むか、自分で出す人が多いです。

一方、売上1,500万円ほどで仕入れのある雑貨のネットショップを個人で営むケースなら、消費税の申告も必要になる時期です。在庫の数え方や仕入れの計算も入るので、顧問を考えるタイミングと言えます。

ここが大事なところですが、売上が同じでも、取引の数で手間は大きく変わります。売上800万円でも、毎日細かい現金売上がある飲食店なら、帳簿づけはかなりの量になります。

『うちは売上が小さいから、税理士はまだ早い』と思っている方もいるはずです。売上の金額だけで決めず、毎月の取引の数や、確定申告の時期に何日かかっているかも見てみてください。

人を雇い始めた時も区切りです。給与を払うと、源泉所得税を原則として翌月10日までに納め、年末調整も行います。売上が1,000万円に届いていなくても、この時点で顧問を考える人は多いです。

法人の場合は、売上が小さくても決算書と法人税の申告書を作る必要があります。個人事業主より「売上いくらから」の線が低くなりやすいのは、このためなんです。

費用と手間を比べて決めるには?

最後は「税理士費用」と「自分の手間」を比べて決める人が多いですよね。

税理士ドットコムが示す目安では、個人事業主の確定申告のみ(青色・売上1,000万円未満)は7万円〜、記帳代行込みなら10万円〜です。売上1,000万円未満の個人事業主の顧問契約は、毎月訪問で20,000円〜、確定申告料が80,000円〜とされています。

法人では、年間売上1,000万円未満で毎月訪問の顧問料が25,000円〜、決算料が100,000円〜という目安です。

いずれも民間の目安で、統計ではありません。報酬は事務所ごとに自由に決められています。詳しくは顧問料の相場で見てみてください。

頼むかどうかを決める手順
  1. 去年の申告や帳簿づけにかかった時間をざっくり数える
  2. 来年以降に消費税の申告が始まるか、基準期間の売上を確認する
  3. 人を雇う予定、法人化の予定があるか書き出す
  4. スポットと顧問の両方で見積もりをもらって比べる

『見積もりを頼むと断りにくそう』と感じるかもしれません。初回相談や見積もりの段階なら、比べて決めるのはふつうのことです。2〜3か所に話を聞くと、自分の売上だとどのくらいかかるかが見えてきますよ!

こんな相談の仕方もあります。

「今年の売上が1,000万円を超えそうなんです。いつから消費税の準備が要りますか」
「基準期間で見るので、まず2年前の売上を確認しましょう」

売上が1,000万円に近づいてきた、記帳が追いつかなくなってきた、法人化を考えている。こんな方なら、顧問税理士を探しておくとかなり楽になります。

税理士ドットコム

あなたの業種・規模に合う顧問税理士を無料で紹介

記帳や申告に手が回らない、法人化を考えている、今の税理士の対応に不満があるといった場合は、条件に合う顧問税理士を紹介してもらうのが近道です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から、予算や業種に合う税理士を無料で紹介してもらえます。

紹介料無料税理士ドットコムで顧問税理士を紹介してもらう

(税理士ドットコムの紹介ページに移動します・24時間365日受付)

法人化した後の判断は会社を設立したら税理士は必要か、顧問をつけない時の注意点は税理士がいない会社のリスクでまとめています。

よくある質問

売上1,000万円を超えたら、すぐに税理士が必要ですか?

すぐ必要になるわけではありません。消費税の納税義務は基準期間(個人は前々年)の課税売上高で判定するので、準備までに時間があります。ただ、特定期間の売上で早く課税事業者になる場合もあるので、超えた年に一度確認しておくと安心です。

売上が少なくても税理士に頼む意味はありますか?

あります。開業したばかりで青色申告の届出や経費の判断に迷う時は、スポットの相談だけでも役に立ちます。年1回の確定申告だけ頼む形も選べます。

売上ではなく利益で判断したほうがいいですか?

利益が増えると納める税金も増えるので、節税の相談をしたくなる目安にはなります。ただ、手間の大きさは取引の数や消費税・給与の有無で決まります。売上・利益・取引の量をあわせて考えてみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 売上いくらから税理士が必要という法律上の基準はない
  • 目安は消費税の申告が始まる時、法人化した時、人を雇った時
  • 消費税は基準期間の課税売上高1,000万円以下なら原則免除
  • インボイス登録をすると売上に関係なく課税事業者になる
  • 費用は民間の目安で、自分の手間と比べて決める
顧問税理士の選び方ナビ

顧問税理士の選び方ナビ 編集部

個人事業主・フリーランス・会社経営者が、自分の状況に合った顧問税理士を探せるよう、公的機関の公開情報をもとに費用・探し方・頼める範囲を解説しています。 公式サイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!