飲食店に強い税理士の選び方と個人店が顧問を付けるメリット

飲食店に強い税理士の選び方と顧問を付けるメリットを解説する記事のアイキャッチ

当サイトは国税庁・日本税理士会連合会などの公開情報をもとに編集部が執筆しています。記事内のサービス紹介には広告を含みます。

営業が終わってからレシートをまとめて、帳簿をつけて…。飲食店を切り盛りしながら税金のことまで手が回らない、という方も多いはずです。

結論から言うと、飲食店の税務には現金売上やアルバイトの給与など、ほかの業種より手間のかかる場面がいくつもあります。そこに慣れた税理士を選ぶと、毎月の作業がぐっと楽になります。

この記事では、飲食店に強い税理士の見分け方と、個人店が顧問を付けるメリット、顧問料の目安が分かります。

飲食店に強い税理士とはどんな税理士?

先に結論

飲食店に強い税理士とは、現金売上の管理、仕入と棚卸、アルバイトの源泉徴収、インボイスへの対応といった飲食店の日々の取引に慣れていて、お店の回し方に合わせた記帳のやり方を提案できる税理士です。「飲食店専門」の看板より、面談でこうした話が具体的に出るかで見分けます。

飲食店の帳簿は、見た目以上に細かいんです。毎日の現金売上、週に何度も来る仕入の納品書、シフトで変わるアルバイトの給与と、記録する物が途切れません。

税理士なら誰でも申告書は作れます。ただ、飲食店の取引に慣れていないと、「レシートを全部まとめて送ってください」で終わってしまうことも。

『結局、自分の負担は変わらないのでは…』という不安が出てきますよね。だからこそ、飲食店ならではの論点で選ぶことが大事なんです。

飲食店の税務で論点になりやすい取引

現金売上とレジ締め

飲食店は現金の売上が多く、日々のレジ締めの記録がそのまま売上の根拠になります。キャッシュレス決済が増えても、現金とカードと電子マネーで入金のタイミングがずれるので、照らし合わせる作業が残ります。

税務調査で見られやすいのも売上の記録です。レジの日計表を毎日残しておく、といった基本の流れを一緒に作ってくれる税理士だと安心です。

『毎日の日計表なんて、忙しくて続かないかも…』と感じる方もいますよね。レジのデータを会計ソフトに取り込める場合もあるので、お店に合うやり方を税理士と相談して決めておくと、無理なく続けられます。

仕入と棚卸

食材や酒類の仕入は、日々の記帳の中でも量が多い部分です。年末や決算期末には在庫を数えて、売上原価を出す必要があります。

例えばこんな場面です。

「冷凍庫の食材やお酒の在庫も数えるんですか?」
「はい。期末に残っている在庫は、その年の経費から外して次の期に回します」

アルバイトの給与と源泉徴収

スタッフに給与を払うと、源泉所得税を預かって納める仕事が出てきます。原則は、給与を払った月の翌月10日までに納付です。

給与の支給人員が常時10人未満なら、納期の特例を使えます。1月から6月分は7月10日、7月から12月分は翌年1月20日にまとめて納付できる仕組みです。

ほかにも、12月の年末調整や、翌年1月31日までの源泉徴収票などの法定調書の提出があります。入れ替わりの多いアルバイトの分まで管理するのは大変ですよね。

インボイスと設備投資

インボイス制度は2023年10月1日に始まりました。法人のお客さまから領収書にインボイスを求められる場面もあるので、登録するかどうかは売上の内訳を見て決めることになります。

仕入れ側では、基準期間の課税売上高が1億円以下などの事業者なら、税込1万円未満の仕入はインボイスが無くても帳簿の保存だけで仕入税額控除ができる少額特例があります。期間は2029年9月30日までです。

開業や改装で厨房機器や内装にお金をかけた時は、その年に全額を経費にできるとは限りません。どう処理するかで毎年の税金が変わるので、判断は税理士に確認しておきましょう。

飲食店の税務で論点になりやすい現金売上・仕入と棚卸・アルバイトの給与を表した図解

個人の飲食店が顧問税理士を付けるメリット

個人店の場合、『確定申告の時期だけ頼めば十分では?』と考える方もいます。お店の規模によっては、その考え方も間違いではありません。

お店の状況合う頼み方理由
夫婦だけで営む小さなお店で、仕入先も少ない確定申告だけスポット依頼記帳は自分ででき、年1回の申告を任せれば足りる
アルバイトを数人雇っている個人店顧問契約源泉徴収や年末調整の相談が毎年出てくる
売上が伸びて2店舗目や法人化を考えている顧問契約資金繰りや設立の手続きまで早めに相談できる

例えば、年商1,500万円で、アルバイトを3人雇っている個人のラーメン店のケース。毎月の給与計算と源泉徴収、年末調整があるので、顧問契約で毎月の相談先を持っておくと楽になります。

一方、夫婦2人で営む小さなカフェで、仕入先も限られているケース。日々の記帳を自分で続けられるなら、確定申告だけを頼む形でも回ります。

顧問を付けるメリットは、毎月の数字を一緒に見てもらえることです。原価や人件費の割合の変化に早く気づけるので、メニューの値付けやシフトの見直しにもつながります。

飲食店の顧問料の目安と税理士の選び方

税理士の報酬は、2002年に税理士会の報酬規定が廃止されてから自由に決められています。公的な統計は無く、目安は民間の公表値を参考にするしかありません。

税理士ドットコムが示す目安では、個人事業主の顧問契約は、売上1,000万円未満で毎月訪問なら月20,000円から、確定申告料が80,000円からです。売上1,000万円から3,000万円未満なら、月25,000円から、確定申告料100,000円からとされています。

法人にした場合は、目安の金額が変わります。同じく税理士ドットコムの目安では、年間売上5,000万円から1億円未満の法人で、毎月訪問なら月40,000円から、決算料が160,000円からです。

例えば、年商8,000万円で2店舗を構える法人のケース。店舗ごとの売上管理や、社員とアルバイトの給与計算が重なるので、記帳代行まで含めて頼むかどうかで費用が大きく変わります。見積もりでは、頼む範囲を先に伝えておきましょう。

面談の回数を3か月に一度などに減らすと、月額は下がる目安になっています。詳しい決まり方は税理士の顧問料相場で紹介しています。

飲食店の税理士選びで確かめたいこと
  • 飲食店の顧問先をどのくらい持っているか
  • レジや会計ソフトとのつなぎ方を提案してくれるか
  • アルバイトの給与計算や年末調整まで頼めるか、費用はいくらか
  • 決算の数字から、原価や人件費の話をしてくれるか
  • 開店前や閉店後など、連絡の取りやすい時間に対応してくれるか

税理士本人の登録は、日本税理士会連合会の「税理士情報検索サイト」で確かめられます。相談先の探し方は税理士の探し方も参考にしてみてください。

アルバイトが増えて給与の計算が追いつかない人や、2店舗目や法人化を考え始めた人は、飲食店に慣れた顧問税理士を探しておくと楽になります。

税理士ドットコム

あなたの業種・規模に合う顧問税理士を無料で紹介

記帳や申告に手が回らない、法人化を考えている、今の税理士の対応に不満があるといった場合は、条件に合う顧問税理士を紹介してもらうのが近道です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から、予算や業種に合う税理士を無料で紹介してもらえます。

紹介料無料税理士ドットコムで顧問税理士を紹介してもらう

(税理士ドットコムの紹介ページに移動します・24時間365日受付)

法人化のタイミングで迷っている方は、顧問税理士を頼む時期の目安もあわせて読んでみてください。

よくある質問

飲食店専門の税理士でないと頼まないほうがいいですか?

専門をうたっているかどうかより、現金売上や仕入、アルバイトの給与の扱いに慣れているかが大事です。面談で具体的な進め方を聞いて判断してみてください。

アルバイトの給与計算も税理士に頼めますか?

頼める事務所はあります。税理士ドットコムが示すスポット料金の目安では、給与計算は1人1,000円とされていて、人数で費用が変わる形です。見積もりの時に確認しておきましょう。

個人の飲食店でも税務調査はありますか?

個人事業主も税務調査の対象になります。日々のレジ締めの記録や仕入の納品書を残しておくことが、いざという時の備えになります。

まとめ

この記事の要点
  • 飲食店に強い税理士は、現金売上・仕入と棚卸・アルバイトの源泉徴収に慣れている
  • インボイスや設備投資の扱いも、お店の状況に合わせて相談できるかを見る
  • 夫婦だけの小さなお店ならスポット依頼、アルバイトを雇うなら顧問契約が合いやすい
  • 顧問料は自由に決められていて、民間の目安を参考に見積もりで確かめる
顧問税理士の選び方ナビ

顧問税理士の選び方ナビ 編集部

個人事業主・フリーランス・会社経営者が、自分の状況に合った顧問税理士を探せるよう、公的機関の公開情報をもとに費用・探し方・頼める範囲を解説しています。 公式サイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!