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工務店の仕事は、契約から着工、引渡しまで数か月かかることも珍しくないですよね。その間に手付金や中間金が入り、追加工事も重なるので、売上の時期がずれやすい業種です。
結論から言うと、工務店の税務調査で注意したいのは「引渡しの時期と売上計上の時期が合っているか」と「追加工事の請求が漏れていないか」です。調査で聞かれやすい点と、日頃の準備を見ていきましょう。
工務店の税務調査で一番見られるのは?
工務店の税務調査では、決算の前後に引渡した物件の売上時期、追加工事の請求漏れ、下請け業者への支払いの3つがよく確認されます。物件ごとに「契約書・引渡しの記録・請求書」をそろえておくと、説明がスムーズです。
『地元で長くやっているし、うちは大丈夫』と思う方もいるかもしれません。
国税庁の公表では、令和6事務年度の法人への実地調査は5万4千件でした。法人で営む工務店も、個人の工務店も、調査の対象になりえます。
工務店で特に見られるのは、決算月の前後に引渡した物件です。
例えば、3月決算の工務店が、3月末に完成した住宅を4月上旬に引渡したケース。この売上が今期なのか来期なのかで、利益が大きく変わりますよね。
調査官は、引渡書や鍵の受け渡しの記録、施主とのメールなどを見て、実際の引渡しの日を確かめます。
引渡し時期と売上計上のずれはなぜ起きる?
『入金があった月に売上にしている』という工務店は少なくありません。
ただ、手付金や中間金は、工事が終わる前に受け取るお金です。受け取った時点では売上にせず、引渡しの時まで預かっている形で記録するのが一般的なんです。
逆に、引渡しは済んでいるのに最終金の入金が翌期になると、売上が翌期に回ってしまうことがあります。調査で指摘されやすいのは、このパターンです。
| 確認されやすい点 | よくあるずれ | 普段の備え |
|---|---|---|
| 決算前後の引渡し | 引渡しは今期なのに、入金に合わせて翌期の売上にしている | 物件ごとに引渡し日を記録し、売上の日と照らす |
| 手付金・中間金 | 受け取った時点で売上にしてしまう | 引渡しまでは前受けとして分けて管理する |
| 期末に未完成の工事 | かかった材料費や外注費を全部今期の経費にしている | 未完成の物件の原価は物件ごとに集計する |
| 追加工事 | 口頭で受けた追加分の請求を忘れる | 追加の依頼はその場でメモし、請求書に反映する |

工期が長い大きな工事では、売上の計上方法が変わる場合もあります。どの方法になるかは契約の中身で決まるので、判断は税理士に確認してみてください。
追加工事の請求漏れはどう防ぐ?
追加工事は、工務店で特に起きやすいずれです。
現場ではこんなやり取りが日常ですよね。
「ついでにここの棚も付けてもらえますか?」
「いいですよ、あとで一緒に請求しますね」
この「あとで」が抜けると、請求そのものが漏れてしまいます。調査では、図面や現場写真と請求書を見比べて、追加分の売上が入っているかを確かめられることがあります。
『サービスでやった分まで売上にされるの?』と心配になる方もいるはずです。無償でやった工事なら、その事情を説明できるメモを残しておくと安心です。
下請け業者への支払いも見られます。期末に翌期の工事分をまとめて前払いし、今期の経費にしていると指摘されやすくなります。
インボイス制度は令和5年10月1日に始まりました。下請けからの請求書は、物件ごとに保存しておくと探す手間が減ります。
調査で税理士に頼めることは?
税務調査の前には、原則として電話で事前通知があります。税務代理権限証書を出している税理士がいれば、同意のうえで税理士に通知してもらうこともできます。
さらに、税理士が書面添付制度を使って申告書に書面を付けていると、調査の日時の通知の前に、税理士が意見を述べる機会が設けられます。調査がなくなるわけではありませんが、説明の場が増えるのは心強いですよね。詳しくは国税庁の税務調査手続に関するFAQで確認できます。
物件数が増えて引渡しの管理が追いつかない、追加工事の請求が気になる、調査の連絡が来た。そんな時は、建設業の取引に慣れた顧問税理士を探しておくと楽になります。
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よくある質問
工務店の税務調査では、どんな書類を用意しておけばいいですか?
物件ごとの契約書、見積書、請求書、引渡しの記録、下請けからの請求書がそろっていると説明しやすくなります。何を出すかは事前通知の際に確認できます。
手付金を受け取った時に売上にしてしまいました。どうすればいいですか?
引渡しの時期によっては、売上の年がずれている可能性があります。修正が必要かどうかは、税理士に契約書と入金の記録を見てもらって判断しましょう。
調査の連絡が来てから税理士を探しても間に合いますか?
間に合います。税務代理権限証書を出せば税理士が立会いや説明を代わりに行えます。日程に余裕があるうちに相談しておくと準備がしやすくなります。
まとめ
- 工務店の税務調査は、決算前後の引渡しと売上計上の時期がよく見られる
- 手付金や中間金は、受け取った時点で売上にしない扱いが一般的
- 追加工事の請求漏れは、図面や現場写真と請求書で確かめられる
- 下請けへの前払いを今期の経費にしていないかも確認される
- 物件が増えて管理が追いつかないなら、顧問税理士に早めに相談する




