行政書士が税理士を選ぶ時の基準は?申請手数料の立替金を売上と分ける処理

行政書士が申請手数料の立替金を売上と分けて扱える税理士を選ぶ基準を解説する記事のアイキャッチ

当サイトは国税庁・日本税理士会連合会などの公開情報をもとに編集部が執筆しています。記事内のサービス紹介には広告を含みます。

許認可の申請を代行するたびに、お客さんから報酬と一緒に手数料や印紙代も預かりますよね。『この預かったお金、売上に入れていいのかな』と迷ったまま帳簿をつけている方も多いはずです。

結論から言うと、行政書士の税理士選びは「立替金と報酬を分ける仕組み」を一緒に作ってくれるかで決まります。この記事を読めば、自分の事務所に合う税理士の条件と頼み方が分かります。

行政書士が税理士を選ぶ時の基準は?

先に結論

行政書士の顧問税理士は、①申請手数料・印紙代・証紙代などの立替金を報酬と分けて記帳する方法を提案できる、②請求書や領収書の書き方まで見てくれる、③事務所の規模に合った頼み方(顧問かスポットか)を正直に勧めてくれる、の3つで選ぶのがおすすめです。

行政書士の仕事は、お客さんのお金を一時的に預かる場面がとても多いです。建設業許可、車庫証明、在留資格、会社設立の書類作成など、どれも役所に納める手数料が付いて回りますよね。

この預かり分を報酬と同じ「売上」に入れてしまうと、帳簿の上では売上が実際より大きく見えます。

実は、ここが行政書士の帳簿で特に崩れやすいところなんです。だから税理士を選ぶ時も、まずこの点の扱いを聞いてみてください。

申請手数料の立替金はなぜ売上と分けるの?

立替金は「預かって払うだけ」のお金

例えば、建設業許可の申請で、報酬と役所に納める手数料をまとめて請求したケースを考えてみましょう。

お客さんから入金された金額のうち、手数料の分は役所に払うために預かっただけです。事務所のもうけではありません。

『全部入金されたんだから、全部売上でいいのでは?』と思うかもしれません。ただ、そうすると売上と経費の両方が同じ額だけ膨らみます。利益は同じでも、売上の数字がずれてしまうんです。

売上が膨らむと何が困るの?

売上の数字は、融資の相談や、消費税の課税事業者になるかどうかの判断など、あちこちで使われます。

立替分が混ざって売上が大きく見えると、本来とは違う判断につながりかねません。消費税の計算でも、報酬と国に納める手数料は同じ扱いにはならないので、帳簿の段階で分けておくのが安全です。

個別の取引をどう処理するかは、事務所の請求の仕方によって変わります。判断は顧問の税理士に確認してみてください。

行政書士の報酬は源泉徴収されるの?

ここは司法書士とよく混同されるところです。

国税庁のタックスアンサー「司法書士等に支払う報酬・料金」では、源泉徴収が必要な「司法書士等」を、司法書士・土地家屋調査士・海事代理士の3つと書いています。行政書士はこの3つには入っていません。

ただ、お客さんの側が勘違いして、報酬から差し引いて振り込んでくることもあります。入金額が請求額と合わない時は、差額が何なのかを早めに確かめておきましょう。

立替金と報酬の分け方で見ておきたい点

税理士に相談する前に、自分の事務所がどの形で請求しているかを見ておくと話が早いです。よくある請求の形と、帳簿で気をつけたい点を表にしました。

請求の形よくある場面帳簿で気をつけたい点
報酬と手数料を1枚の請求書にまとめる建設業許可・各種許認可請求書の中で報酬と立替分を行を分けて書く
手数料を先に事務所が払い、後で請求する車庫証明・登記事項証明書の取得立て替えた日と精算された日をそろえて記録する
お客さんから先に手数料を預かる会社設立の書類作成預かった時点では売上にしない
報酬だけ請求し、手数料はお客さんが直接払うお客さん自身が窓口で納付する場合報酬だけを売上に記録する
行政書士が立替金と報酬を分けて記帳する時に見る3つの点を示した図解

どの形でも、ポイントは「領収書の名義」と「請求書の書き方」です。役所の領収書がお客さん名義なのか事務所名義なのかで、処理の考え方が変わることもあります。

『そこまで細かく決めていなかった…』という方も心配いりません。今の請求書と通帳を税理士に見せれば、どこから直すかを一緒に考えてもらえます。

インボイス登録している行政書士が気をつけること

お客さんが事業者の場合、インボイスを求められることも増えましたよね。

インボイス制度は令和5年10月1日に始まりました。免税事業者からインボイス登録で課税事業者になった場合、令和5年10月1日から令和8年9月30日の日の属する課税期間までは、納める消費税を売上税額の2割にできる「2割特例」があります(国税庁 インボイス制度)。

さらに、小規模な個人事業者には、令和9年・令和10年の課税期間に売上税額の3割にできる「3割特例」も設けられています。

ここで大事なのが、立替金を売上に混ぜていないかです。売上税額の計算の元になる数字なので、立替分が混ざっていると納める額にも響きかねません。

例えばこんな会話になります。

「インボイスの請求書、立替分も同じ書き方でいいですか?」
「立替分は報酬と分けて書いておきましょう。書き方の例をお送りしますね」

こういうやり取りに具体的に答えてくれる税理士だと安心です。

顧問にするかスポットにするかの分かれ目

行政書士の事務所は、開業したての一人事務所から、補助者を雇っている事務所まで規模がさまざまです。どの頼み方が合うかは、件数と人の数で変わります。

事務所の状況おすすめの頼み方理由
開業1〜2年目で、件数が少ない一人事務所自分で記帳+確定申告だけスポット立替金の分け方を最初に教わっておけば回せる
許認可の件数が増え、立替金の出入りが毎月多い顧問契約(3か月に一度など)立替金の残りが合っているかを定期的に見てもらえる
補助者を雇い、給与を払っている顧問契約(毎月)源泉所得税の納付や年末調整も出てくる
法人化を考えている顧問契約設立前から税金と手続きの相談ができる

税理士ドットコムが示す目安では、個人事業主の顧問契約は売上1,000万円未満で毎月訪問なら20,000円〜、3か月に一度なら15,000円〜、確定申告料は80,000円〜です。

確定申告だけをスポットで頼む場合は、同じく税理士ドットコムの目安で、青色申告(売上1,000万円未満)が7万円〜とされています。どれも民間の目安なので、実際の金額は見積もりで確かめてみてください。費用の考え方は税理士の顧問料相場でも紹介しています。

人を雇ったら、源泉所得税は原則として給与を払った月の翌月10日までに納めます。給与の支給人員が常時10人未満なら、半年ごとにまとめて納める「納期の特例」もあります。こうした手続きが増えてきたら、顧問を付ける目安と考えてよいでしょう。

面談で聞いておきたいこと

最後に、税理士と面談する時に確認したい点をまとめました。

面談で聞いておきたいこと
  • 立替金と報酬を分ける記帳の方法を、具体的に説明してくれるか
  • 請求書の書き方(報酬と立替分の行の分け方)まで見てくれるか
  • 会計ソフトの入力をどこまで自分でやり、どこから任せるか決められるか
  • 補助者を雇った時の給与や年末調整にも対応できるか
  • 法人化を考えた時に相談に乗ってもらえるか

同じ士業でも、行政書士が税金の相談に答えるのは難しい場面があります。税務相談は、無償であっても税理士などしかできないと国税庁が説明しているからです。

『お客さんから税金のことを聞かれたらどうしよう』という方は、信頼できる税理士とつながっておくと、お客さんを紹介し合える関係にもなります。

税理士が本当に登録されているかは、日本税理士会連合会の「税理士情報検索サイト」で調べられます。開業したての時期の頼み方はスタートアップの税理士選びと顧問を頼む時期も参考にしてみてください。

許認可の件数が増えて立替金の管理が追いつかない、補助者を雇う予定がある、法人化を考え始めた。こんな状況なら、顧問税理士を探しておくと日々の記帳がぐっと楽になります。

税理士ドットコム

あなたの業種・規模に合う顧問税理士を無料で紹介

記帳や申告に手が回らない、法人化を考えている、今の税理士の対応に不満があるといった場合は、条件に合う顧問税理士を紹介してもらうのが近道です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から、予算や業種に合う税理士を無料で紹介してもらえます。

紹介料無料税理士ドットコムで顧問税理士を紹介してもらう

(税理士ドットコムの紹介ページに移動します・24時間365日受付)

よくある質問

行政書士の立替金は、確定申告で経費になりますか?

お客さんから預かって役所に払った手数料は、預かって払うだけのお金なので、報酬とは分けて記録するのが基本です。具体的な処理は請求の形で変わるため、判断は税理士に確認してみてください。

行政書士の報酬は源泉徴収されますか?

国税庁のタックスアンサーでは、源泉徴収が必要な「司法書士等」を司法書士・土地家屋調査士・海事代理士としていて、行政書士は入っていません。入金額が請求額と違う時は、差額の理由を確かめておきましょう。

開業したばかりでも顧問税理士は必要ですか?

件数が少ないうちは、自分で記帳して確定申告だけスポットで頼む方法もあります。立替金の分け方だけは最初に教わっておくと、後で直す手間が減ります。

まとめ

この記事の要点
  • 行政書士の税理士選びは、立替金と報酬を分ける記帳を提案できるかが基準
  • 立替分を売上に混ぜると、売上が実態より大きく見えて判断を誤りかねない
  • 行政書士は国税庁が示す源泉徴収の「司法書士等」には入っていない
  • 件数や人の数が増えたら顧問、少ないうちはスポットという分け方が目安
顧問税理士の選び方ナビ

顧問税理士の選び方ナビ 編集部

個人事業主・フリーランス・会社経営者が、自分の状況に合った顧問税理士を探せるよう、公的機関の公開情報をもとに費用・探し方・頼める範囲を解説しています。 公式サイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!