初めて人を雇う個人事業主が税理士に頼む源泉徴収と給与計算

初めて人を雇う個人事業主が出す届出と源泉徴収、税理士に頼める範囲を解説する記事のアイキャッチ

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お店や仕事が忙しくなって、初めてアルバイトやスタッフを雇うことにした。うれしい反面、『税金の手続きって何をすればいいの?』と不安になりますよね。

結論から言うと、人を雇うと個人事業主も「源泉徴収義務者」になり、届出・毎月の源泉徴収・年末調整の3つが新しく増えます。

この記事では、雇う前後にやることの順番と、そのうちどこを税理士に頼めるかが分かります。

初めて人を雇う個人事業主が税理士に頼めること

先に結論

人を雇ったら、税務署に「給与支払事務所等の開設届出書」を1か月以内に出し、給与から所得税を源泉徴収して納めます。税理士には、届出書の作成、毎月の源泉徴収税額の計算、納期の特例の申請、年末調整と源泉徴収票の作成までまとめて頼めます。

これまで自分ひとりで確定申告をしてきた方にとって、源泉徴収は初めての作業ですよね。

源泉徴収は、給与を払う時に所得税を差し引いて、本人に代わって国に納める仕組みです。国税庁は、会社だけでなく個人も源泉徴収義務者になるとしています。

例外は、常時2人以下のお手伝いさんなど家事使用人だけに給与を払っている個人です。

『パートさんを週2日だけ頼むなら関係ないよね』と思うかもしれません。ただ、働く日数が少なくても、事業のために給与を払うなら源泉徴収の話は避けて通れないんです。お店や事務所のスタッフを雇うなら、源泉徴収が必要になると考えておきましょう。

税理士に頼める作業を表にまとめました。

作業自分でやる場合税理士に頼む場合
給与支払事務所等の開設届出書様式を調べて自分で書く作成から提出まで頼める
毎月の源泉徴収税額の計算税額表を見て毎月計算する給与計算とまとめて頼める
納期の特例の申請自分で申請書を出す使うかどうかの相談から頼める
年末調整・源泉徴収票12月に書類を集めて計算する書類の回収から計算まで頼める
法定調書の提出1月31日までに自分で出す年末調整とセットで頼める

雇う時に出す届出は?

ここが最初のつまずきポイントです。

国税庁のタックスアンサーでは、個人が新たに給与の支払いを始めた時、「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」を、開設の事実があった日から1か月以内に出すとしています。

あわせて考えたいのが「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」です。給与の支給人員が常時10人未満なら使えて、提出は随時できます。原則として、提出した日の翌月に支払う給与から適用されます。

家族に給与を払うなら、もう1つ確認が要ります。

青色申告をしていて家族に青色事業専従者給与を払う場合は、「青色事業専従者給与に関する届出書」を出します。期限は経費に入れたい年の3月15日までです。その年の1月16日以後に新たに専従者ができた場合は、その日から2か月以内です。

雇う前後に確認しておきたいこと
  • 給与支払事務所等の開設届出書を、給与の支払いを始めてから1か月以内に出す
  • 納期の特例を使うかどうか決める
  • 家族に給与を払うなら、青色事業専従者給与の届出が要るか確かめる
  • 給与の締め日と支払日を決める
  • 社会保険や労働保険の届出が要るか、年金事務所や労働基準監督署に確かめる

税務署以外にも、都道府県税事務所・年金事務所・労働基準監督署などに届出が必要になる場合があります。国税庁も各行政機関に確認するよう案内しています。社会保険や労働保険の手続きは、社会保険労務士の仕事です。

毎月の源泉徴収と納付はどう進める?

『毎月いくら引けばいいのか分からない』という声は本当に多いです。

源泉徴収する額は、給与の額や扶養している家族の数などで変わります。初めての方が自分で調べながらやると、毎月の給与日がちょっとした試験のようになりますよね。

差し引いた所得税は、原則として給与を支払った月の翌月10日までに納めます。

納期の特例を受けていれば、1月から6月分は7月10日、7月から12月分は翌年1月20日にまとめて納められます。スタッフが1人や2人なら、まずは納期の特例を使う方が多いです。

初めて人を雇ってから年末調整までの流れを示した図解

雇うと税理士への報酬にも源泉が要る

実は、ここは見落としやすいところです。

国税庁は、給与を払っていない個人事業主なら、税理士などに払う報酬から源泉徴収しなくてよいとしています。ところが、人を雇って給与を払い始めると、この扱いが変わります。

給与を払う個人事業主は、個人の税理士に払う報酬からも源泉徴収が必要になるんです。青色専従者給与を払っている場合も同じです。

計算方法は士業への報酬の源泉徴収の記事で詳しく解説しています。

年末調整まで考えておく

12月になると、年末調整が待っています。

年末調整は、毎月源泉徴収してきた額と、1年間の給与にかかる税額の差を精算する手続きです。スタッフから扶養や保険料の書類を集めて、12月の給与で精算します。

その後、給与所得の源泉徴収票などの法定調書を、原則として翌年1月31日までに出します。

個人事業主の方は、そのすぐ後に自分の確定申告が控えていますよね。年末から3月まで手続きが続くので、ここだけ税理士に頼む人も少なくありません。

年末調整の費用については年末調整の税理士費用の記事でもまとめています。

税理士に頼むと費用はいくら?

税理士の報酬は自由化されていて、公的な基準はありません。

民間の目安として、税理士ドットコムは給与計算を1人1,000円、年末調整を従業員10人まで2万円と、1人増えるごとに1,000円としています。

個人事業主の顧問契約は、同じく税理士ドットコムの目安で、売上1,000万円未満なら毎月20,000円から、3か月に一度なら15,000円からです。給与計算を顧問料に含めるか別にするかは事務所によって違います。

『顧問までは要らないかも』という方は、年末調整だけスポットで頼むという選び方もあります。顧問料の全体像は顧問料相場の記事が参考になります。

初めて人を雇って源泉徴収の計算が不安、自分の確定申告と年末調整が重なるのがきつい、スタッフをこれから増やしていく予定がある。こんな状況なら、給与まわりもまとめて見てくれる顧問税理士を探しておくと安心です。

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よくある質問

アルバイトを1人雇うだけでも届出は必要ですか?

給与の支払いを始めるなら、給与支払事務所等の開設届出書を1か月以内に出します。人数による例外は、常時2人以下の家事使用人だけに給与を払う個人などに限られます。自分が当てはまるかは税理士に確認してみてください。

家族を雇う場合も源泉徴収は必要ですか?

青色専従者給与を含め、給与を払うなら源泉徴収の対象です。経費に入れるための届出もあるので、家族に払う額を決める前に税理士に相談しておくと安心です。

年末調整だけ税理士に頼むことはできますか?

できる事務所が多いです。税理士ドットコムの目安では、年末調整は従業員10人まで2万円からです。毎月の給与計算の資料がそろっていると、依頼がスムーズです。

まとめ

この記事の要点
  • 人を雇うと個人事業主も源泉徴収義務者になる
  • 給与支払事務所等の開設届出書は1か月以内に出す
  • 常時10人未満なら納期の特例で源泉の納付を年2回にまとめられる
  • 給与を払い始めると、個人の税理士への報酬からも源泉徴収が必要
  • 費用は税理士ドットコムの目安で給与計算1人1,000円、年末調整10人まで2万円から

参考: 国税庁 No.2090 新たに事業を始めたときの届出など / 国税庁 No.2505 源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例 / 国税庁 No.2793 報酬・料金等の源泉徴収義務者

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顧問税理士の選び方ナビ 編集部

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