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SaaSや受託開発の会社を立ち上げたものの、『普通の顧問税理士で大丈夫かな』と迷っている方も多いはずです。
結論から言うと、IT企業の顧問料の目安は他の業種と大きくは変わりません。差が出るのは、前受収益やソフトウェアの会計処理に慣れているかどうかです。この記事を読むと、IT企業が税理士に頼みたい範囲と、費用の見方が分かります。
IT企業の税理士顧問料の相場はどれくらい?
税理士の報酬に公的な相場はなく、事務所ごとに自由に決められています。税理士ドットコムが示す法人の目安では、毎月訪問の顧問料が年間売上1,000万円未満で25,000円〜、1,000万〜3,000万円未満で30,000円〜です。IT企業はこれに、前受収益の管理や給与計算をどこまで頼むかで金額が上乗せされます。
税理士会の報酬規定は2002年に廃止されていて、今は依頼の中身に応じて税理士が金額を決めています。
目安として、税理士ドットコムの公表値をIT企業の規模に当てはめてみると、こんなイメージです。
| 会社の例 | 顧問料(毎月訪問の目安) | 決算料の目安 |
|---|---|---|
| 年商800万円、社員なしの受託開発会社 | 25,000円〜 | 100,000円〜 |
| 年商2,500万円、社員数人のSaaS会社 | 30,000円〜 | 120,000円〜 |
| 年商4,000万円、エンジニアを雇い始めた会社 | 35,000円〜 | 140,000円〜 |
| 年商7,000万円、開発チームを持つ会社 | 40,000円〜 | 160,000円〜 |
IT企業は、面談をオンラインで済ませて訪問の回数を減らしたいという会社も多いですよね。税理士ドットコムの目安でも、訪問が3か月に一度なら、売上1,000万〜3,000万円未満で25,000円〜と下がります。
いずれも民間の目安で、統計ではありません。実際の金額は見積もりで確かめてみてください。
SaaSの年額プラン、受け取った月に全部売上にしていい?
『年額プランの入金が入った月は、急に黒字に見える』という経験はありませんか?
例えば、12か月分の年額プランを決算の3か月前に受け取ったとします。会計では、受け取った月に全額を売上にするのではなく、サービスを提供した期間に合わせて売上にしていくのが基本の考え方です。
この場合、残りの9か月分は翌期の売上として、前受収益(前受金)に残しておく形になります。
例えばこんな会話です。
「年払いのお客さんが増えた月だけ、売上が跳ね上がって見えるんです」
「月ごとに分けて売上にすると、毎月の数字が実態に近くなりますよ」
月ごとに分けておけば、解約が増えた月や、契約が伸びた月もはっきり見えるようになります。
ただ、税金の計算でどの時点の売上にするかは、契約の中身で変わることがあります。年額・月額・初期費用など料金の形が複数あるなら、税理士に確認してみてください。

自社で作ったソフトウェアは経費?それとも資産?
IT企業で税理士によく相談されるのが、自社で開発しているソフトウェアの扱いです。
開発にかかったエンジニアの給与や外注費は、内容によって、その期の経費になる場合と、ソフトウェアとして資産に計上し何年かに分けて経費にする場合があります。
『開発費を全部その年の経費にすれば、税金が減るのでは』と考える方もいますよね。ただ、資産にすべき物まで経費にすると、あとで直すことになりかねません。
判断の材料になるのが、何のために作ったかと、どこまで完成しているかです。
- 作っているものの目的(自社で使う、販売する、受託で納める)
- 開発に関わった人と、かかった時間の記録
- 外注先への支払いと契約書
- リリースした時期と、その後の改修の内容
ここは個別の判断が大きいところです。どれを資産にするかは、税理士に確認しながら決めていきましょう。
IT企業が税理士に頼みたいことと費用の目安は?
会計と申告のほかにも、IT企業ならではの頼みごとがあります。どこまで任せるかで、月の費用が変わってきます。
| 頼みたいこと | 中身 | 費用の目安(税理士ドットコム) |
|---|---|---|
| 月次の会計と決算・申告 | 前受収益の振り分け、ソフトウェアの資産計上の相談 | 顧問料+決算料 |
| 給与計算 | エンジニアや営業の毎月の給与 | スポットで1人1,000円 |
| 年末調整 | 社員の年末調整 | 従業員10人まで2万円、1人増えるごとに1,000円 |
| 融資の相談 | 事業計画書づくりの手伝い | 事務所ごとに個別に見積もり |
資金調達を考えている会社なら、融資の相談に乗ってもらえるかも大事なポイントです。
日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金は、事業を始めておおむね7年以内の人が対象で、融資限度額は7,200万円です。自分で事業計画書を作り、認定経営革新等支援機関の指導と助言を受けている場合は、特別利率Aの対象になります。
認定経営革新等支援機関には、税理士も含まれます。認定を受けているかは、中小企業庁のページから検索システムで調べられます。
顧問を頼むタイミングはスタートアップの税理士の選び方と顧問を頼む時期、顧問料の決まり方は税理士の顧問料相場でも紹介しています。
IT企業が顧問税理士を選ぶ時に確認したいことは?
『どの税理士でも同じでは』と思うかもしれません。実は、IT企業の取引に慣れているかどうかで、毎月のやり取りの手間がかなり変わります。
面談の時に、次のことを聞いてみてください。
- SaaSや受託開発の会社を担当したことがあるか
- 前受収益やソフトウェアの資産計上をどう進めるか
- 会計ソフトや請求のデータを、クラウドでやり取りできるか
- 融資や資金繰りの相談にも乗ってもらえるか
フリーランスのエンジニアに外注している会社なら、インボイスの扱いも聞いておきたいところです。インボイス制度は令和5年10月1日に始まり、外注先が登録しているかどうかで、消費税の計算が変わることがあります(国税庁 インボイス制度)。
外注先が多いと、登録番号の確認だけでも手間がかかりますよね。毎月の支払いのどこを確かめればよいか、最初に税理士と決めておくと楽です。
決済サービス経由の入金が多い会社なら、入金データの扱い方も聞いておくと安心です。ネット販売の会社の例はネットショップの税理士顧問料の相場でも紹介しています。
年額プランの契約が増えて売上の見え方がずれてきた、エンジニアを雇い始めた、融資を考えている。そんな段階なら、IT企業に慣れた顧問税理士を探しておくと楽になります!
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記帳や申告に手が回らない、法人化を考えている、今の税理士の対応に不満があるといった場合は、条件に合う顧問税理士を紹介してもらうのが近道です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から、予算や業種に合う税理士を無料で紹介してもらえます。
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よくある質問
社員がいない小さなIT企業でも顧問税理士は必要ですか?
取引が少なく自社で記帳できるなら、決算申告だけを頼む方法もあります。税理士ドットコムでは、法人の決算申告のみの目安を15万〜25万円としています。年額プランの契約が増えてきたら、顧問契約を考えてみてください。
前受収益の処理は会計ソフトだけでできますか?
会計ソフトの機能で月ごとに振り分けることはできますが、契約の種類が多いと設定を誤りやすくなります。最初の設定だけでも税理士に見てもらうと安心です。
面談はオンラインだけでも頼めますか?
オンラインでの面談やデータのやり取りに対応している事務所もあります。訪問の回数を減らすと顧問料の目安も下がるので、見積もりの時に相談してみてください。
まとめ
- IT企業の顧問料に公的な相場はなく、目安は税理士ドットコムなど民間の公表値
- SaaSの年額プランは、提供した期間に合わせて売上にし、残りは前受収益に残すのが基本
- 自社開発のソフトウェアは、経費か資産かを税理士と確認しながら決める
- 給与計算や年末調整、融資の相談まで頼むかで費用が変わる




