農家の税務調査で注意したい直売所・ネット販売の売上と家事消費の計上

農家の税務調査で注意したい直売所・ネット販売の売上と家事消費の計上を解説する記事のアイキャッチ

当サイトは国税庁・日本税理士会連合会などの公開情報をもとに編集部が執筆しています。記事内のサービス紹介には広告を含みます。

農協への出荷だけだった頃は、精算書を見れば売上が分かりましたよね。直売所やネット販売を始めてから、売上の全体がつかみにくくなったという方も多いはずです。

結論から言うと、農家の税務調査では、農協以外の売上と、自分の家で食べたり配ったりした分の扱いが確かめられやすいです。この記事では、記録が漏れやすい所と、今から整えておきたい記録を紹介します。

農家の税務調査で見られやすい点は?

先に結論

農家の調査では、直売所やネット販売、庭先での販売の売上と、自家消費や贈答に回した農産物の扱いが、帳簿に正しく入っているかを確かめられやすいです。販売先ごとの精算書や明細を年ごとにまとめておくことが、備えの土台になります。

農協出荷の売上は精算書が残るので、記録が漏れることはあまりありません。

一方で、直売所、道の駅、ネット通販、近所への直接販売は、入金の形もタイミングもバラバラですよね。

売上・収入の種類漏れやすい場面備えておく記録
農協・市場への出荷漏れは少ないが手数料の扱いがずれる精算書、販売手数料の明細
直売所・道の駅手数料を引いた入金額だけを売上にする委託販売の精算書
ネット通販・ふるさと納税の返礼品送料や手数料を引いた入金額だけを記録販売サイトの売上明細と入金明細
庭先販売・近所への直接販売現金で受け取り記録しない販売ノート、無人販売所の集金メモ
自家消費・親戚や知人への贈答売上として計上していない品目と量のメモ

直売所・ネット販売の売上と家事消費はどう残す?

直売所やネット販売では、手数料が引かれた金額で振り込まれることが多いですよね。

ここで入金額だけを売上にしてしまうと、本来の売上と手数料の両方が帳簿から抜けてしまいます。

農家の税務調査に備えて、販売先ごとの売上と家事消費の記録をまとめた図解

精算書と明細は販売先ごとにまとめる

直売所の精算書、ネットショップの売上明細は、販売先ごとにファイルやフォルダを分けて保存しておきましょう。

『通帳に入金が残っているから大丈夫』と思うかもしれません。ただ、通帳には手数料を引いた後の金額しか出ないことがあるんです。

無人販売所や庭先販売の現金

無人販売所の代金箱や、近所の人に直接売った野菜の代金は、記録から漏れやすい所です。

集金した日に金額をノートに書くだけでも、立派な記録になります。

家事消費や贈答の分はどう考える?

ここが農家ならではの論点です。収穫した野菜や米を自分の家で食べたり、親戚や知人に配ったりすることはよくありますよね。

こうした家事消費や贈答の分は、販売していなくても収入として計上する扱いがあります。

『自分で作ったものを食べただけなのに?』と思う方も多いはずです。実は、ここを知らずに計上していないケースは少なくありません。どの価格で、どのくらいの量を計上するかは、税理士に確認してみてください。

家事消費の記録で残したいこと
  • 自宅で食べた主な品目とおおよその量
  • 親戚や知人に配った品目・量・時期
  • お歳暮やお中元として送った農産物

補助金や交付金の入金

国や自治体からの補助金・交付金、共済の支払いなどが入金されることもありますよね。

これらの扱いは種類によって変わるので、通知書や入金明細を捨てずに残しておきましょう。判断は税理士に確認してみてください。

軽トラや燃料など生活と混ざる経費

経費の側で確かめられやすいのが、仕事と生活の両方で使うものです。

軽トラックや燃料代、自宅と兼ねた作業場の電気代などは、農作業に使った分だけを経費にする考え方が一般的です。

例えば、軽トラを買い物にも使っているなら、農作業に使っている割合と、その理由をメモしておきましょう。割合が妥当かどうかは税理士に確認してみてください。

調査の連絡が来たら?税理士に頼むタイミングは

税務調査の前には、原則として事前通知があります。方法は原則として電話で、何日前に連絡するかは法令で決まっていません。

『収穫の真っ最中に来られたら困る』という方も多いはずです。収穫や出荷の時期と重なりそうなら、連絡を受けた時に都合を伝えて相談しましょう。

税理士にはこう伝えてみてください。

「税務署から調査の連絡がありました。直売所とネット販売もしているので、売上の資料をどこまでそろえればいいですか?」

税理士が立ち会うには、税務代理権限証書を税務署に出しておく必要があります。また、事前通知の前に自分から修正申告をすれば、過少申告加算税はかかりません。家事消費の計上漏れなどに気付いたら、早めに相談しておくのがおすすめです。

税理士に頼むならいつがいい?

農協出荷が中心で、記帳も自分で続けられるなら、確定申告のスポット依頼から始められます。

直売所やネット販売の売上が増えてきた、家族以外の人を雇った、法人化を考えている。こうした段階なら、ふだんの帳簿から見てもらえる顧問税理士がいると安心です。

顧問料の目安は税理士の顧問料相場にまとめています。販売の形が変わる時期の判断は顧問を頼むべき時期の目安、在庫と現金が絡む小売の例として花屋の会計の注意点も参考にしてみてください。

販売先が増えて売上の全体がつかめない、調査の連絡が来て不安。そんな時は、農家の申告を見ている顧問税理士に相談しておくと心強いです!

税理士ドットコム

あなたの業種・規模に合う顧問税理士を無料で紹介

記帳や申告に手が回らない、法人化を考えている、今の税理士の対応に不満があるといった場合は、条件に合う顧問税理士を紹介してもらうのが近道です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から、予算や業種に合う税理士を無料で紹介してもらえます。

紹介料無料税理士ドットコムで顧問税理士を紹介してもらう

(税理士ドットコムの紹介ページに移動します・24時間365日受付)

よくある質問

ふるさと納税の返礼品として出した分も売上になりますか?

自治体や事業者から代金を受け取っていれば、事業の売上として記録するのが基本です。精算の明細を保存し、扱いは税理士に確認してみてください。

家事消費の量は正確に量らないといけませんか?

毎回量る必要はなくても、主な品目とおおよその量が分かるメモがあると説明しやすくなります。計上の仕方は税理士に相談しておくと安心です。

農家の申告に慣れた税理士はどう探せばいいですか?

面談の時に、直売所やネット販売の売上、家事消費の扱いについて具体的に聞いてみてください。答え方で経験が分かります。

まとめ

この記事の要点
  • 農協以外の売上は、手数料を引く前の金額で記録する
  • 無人販売所や庭先販売の現金は集金した日にメモする
  • 家事消費や贈答の分も、計上の仕方を税理士と決めておく
  • 調査の連絡が来たら都合を伝えて相談し、早めに税理士へ連絡する
顧問税理士の選び方ナビ

顧問税理士の選び方ナビ 編集部

個人事業主・フリーランス・会社経営者が、自分の状況に合った顧問税理士を探せるよう、公的機関の公開情報をもとに費用・探し方・頼める範囲を解説しています。 公式サイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!