旅館の税務調査で注意する入湯税・宿泊代の預かりと家族従業員の給与

旅館の税務調査で注意したい入湯税・宿泊代の預かりと家族従業員の給与を解説する記事のアイキャッチ

当サイトは国税庁・日本税理士会連合会などの公開情報をもとに編集部が執筆しています。記事内のサービス紹介には広告を含みます。

家族で切り盛りしている旅館だと、帳場の会計も家族の誰かが空いた時にまとめて付ける、ということも多いですよね。

結論から言うと、旅館の税務調査では「宿泊代の記録」「お客さんから預かった入湯税」「家族に払う給与」の3つが焦点になりやすいです。この記事では、旅館ならではの論点と、今から整えておきたい記録を紹介します。

旅館の税務調査で見られやすい点は?

先に結論

旅館の調査では、宿泊者名簿や予約記録と宿泊代の売上が合っているか、温泉のある旅館なら入湯税の預かりと納入が合っているか、家族従業員への給与が働きぶりに見合っているかを確かめられやすいです。宿泊の記録、預かったお金、家族の勤務の記録を分けて残すことが備えになります。

旅館は、宿泊者名簿や予約サイトの履歴など、宿泊した人数が分かる記録が多い業種なんです。

その分、記録上の宿泊人数に比べて売上が少ないと、理由を聞かれやすくなります。

見られやすい点漏れやすい場面備えておく記録
現金の宿泊代帳場で受け取り、まとめて付ける日ごとの会計の控えと現金の締め
予約サイト経由の宿泊代手数料を引いた入金額だけを売上にする予約サイトの精算明細
予約金・キャンセル料受け取った時期と宿泊日がずれる予約金の受取日と宿泊日の一覧
入湯税の預かり宿泊代と区別せずに受け取る入湯客数と預かった額の記録
家族従業員の給与勤務の実態が記録に残っていない勤務日や担当業務のメモ

宿泊代や入湯税、家族の給与はどう残す?

例えば、宿泊者名簿にある日の宿泊が12人なのに、会計の控えが10人分しかない。こんな日があると、残り2人分を聞かれますよね。

招待した人や家族の宿泊、当日キャンセルなどは、名簿や予約履歴に一言メモを残しておきましょう。

旅館が税務調査に備えて分けて残しておきたい宿泊代・入湯税・家族の給与の記録をまとめた図解

予約サイトの入金は総額で見る

予約サイト経由の宿泊は、サイトの手数料を引いた額がまとめて振り込まれることが多いですよね。

入金額だけを売上にすると、精算明細とずれてしまいます。明細の宿泊代の総額と手数料を分けて記録しておきましょう。

入湯税は「預かったお金」として分ける

温泉のある旅館では、入湯税を宿泊代と一緒に受け取ることが多いはずです。

総務省の説明では、入湯税は市町村が課税する税で、納めるのは入湯客です。鉱泉浴場の経営者が徴収して納入する「特別徴収」の形になっています。

つまり、旅館が受け取った入湯税は、お客さんから預かって市町村に納めるお金なんです。入湯客数と預かった額、納入した額が合っているかを毎月確かめておきましょう。帳簿での扱い方は税理士に確認しておくと安心です。

家族従業員の給与は何を見られる?

家族で営む旅館では、配偶者や子どもに給与を払っていることも多いですよね。『家族だし、多めに払っても問題ないよね』と思う方もいるかもしれません。

個人事業の青色申告者が家族に払う給与を経費にするには、国税庁の青色事業専従者給与の説明にある要件を満たす必要があります。例えば、届出書は経費に入れようとする年の3月15日まで(年の途中で開業した時などは2か月以内)に出します。

また、その年を通じて6か月を超える期間、事業に専ら従事していることが原則です。金額は労務の対価として相当である必要があり、過大な部分は経費になりません。

毎月そろえておきたいもの
  • 宿泊者名簿と日ごとの会計の控え
  • 予約サイトの精算明細と入金明細
  • 予約金・キャンセル料の受取日と宿泊日の一覧
  • 入湯客数と入湯税の預かり額・納入額
  • 家族従業員の勤務日と担当業務のメモ

勤務の実態は、帳場、調理、清掃のように担当と勤務日をメモしておくと説明しやすくなります。法人の旅館で家族に役員報酬を払っている場合は、考え方が変わるので税理士に相談してみてください。

調査の連絡が来たら?税理士に頼むタイミングは

税務調査の前には、原則として事前通知があります。方法は原則として電話で、何日前に連絡するかは法令で決まっていません。

繁忙期で手が離せない時期もありますよね。連絡があったら、早めに日程を相談しましょう。税理士にはこう伝えてみてください。

「税務署から調査の連絡がありました。家族で営む温泉旅館で、予約サイトと現金の両方で宿泊代を受け取っています。立ち会ってもらえますか?」

税理士が立ち会うには、税務代理権限証書を税務署に出しておく必要があります。また、事前通知の前に自分から修正申告をすれば、過少申告加算税はかかりません。

従業員が多い、法人化を考えている、事業を家族に引き継ぎたい。こうした段階なら、ふだんの帳簿から見てもらえる顧問税理士がいると楽です。顧問料の目安は税理士の顧問料相場に、飲食の売上区分の考え方はカフェの税務調査の注意点にまとめています。

入湯税や家族の給与の扱いに自信がない、調査の連絡が来て不安。そんな時は、宿泊業の帳簿を見ている税理士に相談しておくと心強いです!

税理士ドットコム

あなたの業種・規模に合う顧問税理士を無料で紹介

記帳や申告に手が回らない、法人化を考えている、今の税理士の対応に不満があるといった場合は、条件に合う顧問税理士を紹介してもらうのが近道です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から、予算や業種に合う税理士を無料で紹介してもらえます。

紹介料無料税理士ドットコムで顧問税理士を紹介してもらう

(税理士ドットコムの紹介ページに移動します・24時間365日受付)

よくある質問

宿泊者名簿まで税務調査で見られるのですか?

売上の裏付けとして、宿泊の記録を見せてほしいと言われることがあります。日付と人数が分かる形で保存しておきましょう。

青色事業専従者給与の届出を出していませんでした。どうすればいいですか?

届出の期限や、今年から適用できるかは状況によって変わります。家族への給与の扱いを含めて、税理士に早めに相談してみてください。

日帰り入浴のお客さんの記録も必要ですか?

日帰り入浴の料金も売上になるので、会計の控えは残しておきましょう。入湯税の扱いは市町村の定めによるため、所在地の市町村に確認しておくと安心です。

まとめ

この記事の要点
  • 旅館の調査では、宿泊の記録と売上、入湯税、家族の給与が焦点になりやすい
  • 予約サイトの入金は精算明細の総額と手数料を分けて記録する
  • 入湯税は預かって納めるお金として、入湯客数と額を毎月確かめる
  • 家族の給与は要件と勤務の実態を記録で示せるようにする
顧問税理士の選び方ナビ

顧問税理士の選び方ナビ 編集部

個人事業主・フリーランス・会社経営者が、自分の状況に合った顧問税理士を探せるよう、公的機関の公開情報をもとに費用・探し方・頼める範囲を解説しています。 公式サイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!