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沖縄県でホテルや飲食店、マリンアクティビティなどを営んでいて、顧問税理士を付けるか迷っていませんか。本島の那覇と、宮古島や石垣島などの離島とでは、税理士に頼みたいことも、来てもらいやすさも違いますよね。
結論から言うと、沖縄県で顧問税理士を選ぶなら「沖縄だけにある税制の話が通じるか」と「離島でもやり取りしやすいか」を見るのが近道です。この記事では、沖縄特有の制度と、観光業・離島の事業者が相談したいこと、顧問料の目安が分かります。
沖縄県で顧問税理士を選ぶ時、何を基準にする?
沖縄県の顧問税理士は「観光業の取引に慣れているか」「沖縄振興税制など沖縄特有の制度を説明できるか」「離島ともオンラインでやり取りできるか」の3点で選ぶのが基本です。とくに設備投資や新しい事業を考えているなら、沖縄の特例を使えるかどうかを最初に聞いてみてください。
沖縄には、本土にはない税制の特例がいくつもあります。『沖縄だけの特例があるなら、使わないともったいない』と思う方も多いはずです。
ただ、特例は使える業種や地域、条件が細かく決まっています。自分が対象になるのかを判断するところから、税理士の出番なんです。
まずは、自分が税理士に頼みたいことを書き出してみましょう。
- 毎月の記帳・給与計算・源泉の手続きを任せたい
- 決算と申告だけ頼みたい
- 設備投資や新規出店、沖縄の特例が使えるかを相談したい
どれの比重が大きいかで、顧問契約にするか、スポットで足りるかが変わってきます。
沖縄県の税務署と税理士会、どこが担当?
沖縄県の国税は、国税局ではなく「沖縄国税事務所」が受け持っています。県内の税務署は6つです。
離島の事業者は、島ごとに担当の税務署が決まっています。宮古島市・宮古郡は宮古島税務署、石垣市・八重山郡は石垣税務署です。久米島町や渡嘉敷村、座間味村、南大東村・北大東村などは北那覇税務署、伊平屋村と伊是名村は名護税務署の担当です。
| 地域の例 | 担当の税務署 | 主な管轄(国税庁の案内より) |
|---|---|---|
| 那覇市・県南部 | 那覇・北那覇 | 那覇市を2署で分担。糸満市・豊見城市・南城市などは那覇、浦添市・西原町は北那覇 |
| 本島中部 | 沖縄 | 宜野湾市、沖縄市、うるま市、北谷町・読谷村など |
| 本島北部 | 名護 | 名護市、国頭郡、伊平屋村、伊是名村 |
| 宮古 | 宮古島 | 宮古島市、宮古郡 |
| 八重山 | 石垣 | 石垣市、八重山郡 |
| 久米島・慶良間・大東など | 北那覇 | 久米島町、渡嘉敷村、座間味村、粟国村、渡名喜村、南大東村、北大東村 |
所在地や電話番号は、国税庁の税務署所在地・案内(沖縄国税事務所)で確認できます。どの税務署も、申告書等を郵送する時の宛先は那覇市の那覇第一地方合同庁舎と案内されているので、郵送前に見ておきましょう。
税理士の側は、沖縄県は沖縄税理士会の区域です(日本税理士会連合会の案内)。ほかの税理士会と違って、受け持つのは沖縄県だけです。
税理士と税理士法人は、事務所の所在地を管轄する税理士会に所属し、日本税理士会連合会に登録されています。気になる税理士の登録は、日税連の「税理士情報検索サイト」で調べてみてください。
沖縄だけにある税制の特例を知っておこう
沖縄では、沖縄振興特別措置法などに基づいて、税制上の特例が設けられています(内閣府「沖縄振興税制」)。主なものを見てみましょう。
| 特例の種類 | どんな内容か(内閣府の案内より) | 関係しそうな事業者 |
|---|---|---|
| 特区・地域制度 | 2つの特区と4つの地域制度があり、関連事業者が所得税や法人税等の優遇を受けられる | 観光、情報通信、物流、製造などで投資する会社 |
| 離島の旅館業 | 離島で旅館業(ホテル・旅館等)を営む事業者が、所得税や法人税等の優遇を受けられる | 宮古・八重山・久米島などの宿泊業 |
| 酒税 | 復帰前から製造していた製造者が、県内の製造所で造り県内に出荷する酒類の酒税を軽減 | 泡盛などの酒造所 |
| 特定駐留軍用地等の先行取得 | 県・関係市町村に土地を売った所得について、最大5千万円まで特別控除 | 対象の土地を持つ個人・法人 |
特区は「情報通信産業特別地区」と「経済金融活性化特別地区」、地域制度は「観光地形成促進地域」「情報通信産業振興地域」「産業イノベーション促進地域」「国際物流拠点産業集積地域」です。
『うちの会社も対象になるのかな?』と気になった方もいますよね。実は、ここがつまずきやすいところなんです。対象になる業種や地域、設備の種類、手続きの時期がそれぞれ決まっていて、後から気づいても使えないことも。
酒税の軽減のように、対象や期限が決まっている特例もあります。使えるかどうかの判断は、設備を買う前や事業を始める前に、沖縄の特例に慣れた税理士へ確認してみてください。

観光業と離島の事業者が顧問税理士に頼むこと
沖縄の観光業は、ホテル・民宿、飲食店、レンタカー、ダイビングなどのマリンアクティビティと幅広いですよね。どの業種にも共通するのは、繁忙期と閑散期の差が大きいことです。
本島の観光業でよくある相談
例えば、年商9,000万円で、繁忙期にアルバイトを増やす那覇市内のダイニングを考えてみます。このケースでは、こんな論点が出てきます。
- 繁忙期だけ増えるアルバイトの給与計算と源泉徴収
- 現金・カード・電子マネーなど支払い方法が混ざった売上の管理
- 店舗の改装や厨房機器の購入と減価償却
- インボイスを求める法人客への対応
給与の源泉所得税は、原則として給与を払った月の翌月10日までに納めます。給与を払う人が常時10人未満なら「納期の特例」で年2回にまとめられますが、繁忙期に人が増える店では、どちらが使えるかを確認しておきたいところです。
法人のお客さんや旅行会社から「インボイスを出してほしい」と言われることもありますよね。インボイス制度は2023年10月1日に始まりました。免税事業者が登録して課税事業者になった時の負担を軽くする特例もあります。
小規模な個人事業者なら、令和9年・令和10年の課税期間は、納付税額を売上税額の3割にできる特例が新しく設けられました。登録するかどうかは、取引先の顔ぶれと売上の規模で変わるので、税理士と試算してから決めてみてください。
離島の事業者でよくある相談
例えば、年商3,000万円で、石垣島で民宿とシュノーケリングツアーを営む個人事業主を考えてみます。
- 宿泊とツアーで売上を分けて管理したい
- 船や器材など設備の償却を知りたい
- 離島の旅館業の特例が使えるかを確認したい
- 法人にした方がいいか試算してほしい
離島では、税理士に直接会うのが難しいこともありますよね。最近は、資料をクラウドで共有して、面談はオンラインというやり方も増えています。
『島にいると相談しにくいんだよね』という方こそ、オンラインに慣れた税理士を選ぶと、やり取りの負担がぐっと減りますよ。
| 項目 | 本島の観光業 | 離島の事業者 |
|---|---|---|
| よく出る論点 | 季節雇用、売上の決済方法、改装の償却 | 宿泊とツアーの売上管理、船や器材の償却 |
| 沖縄特有で確認したいこと | 地域制度の対象になるか | 離島の旅館業の特例が使えるか |
| 顧問税理士との連絡 | 毎月の訪問や面談も現実的 | クラウド共有とオンライン面談が中心 |
| 税務調査の時 | 立会いに来てもらいやすい | 島まで来てもらえるか事前に確認 |
税務調査の前には、原則として電話で事前通知があります。税務代理権限証書を出している税理士がいて、納税者の同意があれば、通知を税理士にしてもらうこともできます。離島の事業者は、立会いの時に島まで来てもらえるのか、その費用はどうなるのかを先に聞いておくと安心です。
沖縄県の顧問料の目安を、自分のケースに当てはめる
顧問料には公的な基準がありません。税理士会の報酬規定は2002年3月31日に廃止され、いまは税理士ごとに金額を決めています。
参考として、税理士ドットコムが公表している全国の目安を見てみます。沖縄県だけの数字ではないので、見積もりを比べる時の物差しとして使ってください。
| 区分 | 顧問料(毎月訪問) | 6か月に一度 | 決算料・申告料 |
|---|---|---|---|
| 個人事業主(売上1,000万〜3,000万円未満) | 25,000円〜 | 目安の記載なし | 確定申告料100,000円〜 |
| 法人(年間売上3,000万〜5,000万円未満) | 35,000円〜 | 25,000円〜 | 140,000円〜 |
| 法人(年間売上5,000万〜1億円未満) | 40,000円〜 | 30,000円〜 | 160,000円〜 |
出所:税理士ドットコムが示す目安。記帳代行は月5,000円〜または10,000円〜の上乗せが目安です。
先ほどの年商9,000万円のダイニングなら、法人で毎月訪問の場合は月40,000円〜、決算料160,000円〜が目安です。石垣島の民宿・ツアーの個人事業主なら、毎月訪問で月25,000円〜、確定申告料100,000円〜です。
離島の場合、訪問を減らしてオンライン中心にすれば、その分を顧問料に反映してもらえることもあります。逆に、税務調査の立会いで島へ来てもらう時は交通費が別にかかることも。見積もりの段階で確認しておきましょう。

繁忙期に人が増えて給与の手続きが追いつかない店、設備投資で沖縄の特例を使えるか知りたい会社、島で税理士に会いにくい事業者は、顧問税理士がいると判断がずっと楽になります。沖縄の制度に慣れた税理士を探したい方は、紹介サービスで候補を出してもらう方法もあります。
税理士ドットコム
あなたの業種・規模に合う顧問税理士を無料で紹介
記帳や申告に手が回らない、法人化を考えている、今の税理士の対応に不満があるといった場合は、条件に合う顧問税理士を紹介してもらうのが近道です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から、予算や業種に合う税理士を無料で紹介してもらえます。
紹介料無料税理士ドットコムで顧問税理士を紹介してもらう(税理士ドットコムの紹介ページに移動します・24時間365日受付)
顧問料が何で決まるのかをもっと知りたい方は、税理士の顧問料相場と決まり方も読んでみてください。
無料相談とスポット依頼、顧問契約はどう使い分ける?
まずは無料の相談先で様子を見たい、という方もいますよね。全国15の税理士会は、税理士記念日の2月23日を中心に無料税務相談会を開いています。
那覇市でも、特別相談として税理士による税務相談を行っています(那覇市「特別相談」)。ただし対象は那覇市民で、事業者やアパート経営者などの営利を目的とした相談はできないと案内されています。
つまり、お店や会社の経理の相談には使えません。事業の相談は、税理士会の相談会や、税理士との初回面談を使う方が話が早いです。
| あなたの状況 | 向いている頼み方 | 理由 |
|---|---|---|
| 副業で小さく始めたばかり | 自分で申告+税理士会の相談会 | 分からない所だけ聞ければ足りる |
| 帳簿は付けられるが申告が不安 | スポット依頼 | 年1回の申告だけ任せられる |
| 人を雇っていて毎月の源泉や給与がある | 顧問契約 | 毎月の手続きと相談をまとめて任せられる |
| 沖縄の特例を使った設備投資を考えている | 顧問契約 | 計画の段階から条件を一緒に確認できる |
- 観光業(宿泊・飲食・アクティビティなど)の顧問先がいるか
- 沖縄振興税制など沖縄特有の制度を扱った経験があるか
- 離島の事業者とオンラインでやり取りしているか
- 顧問料に記帳代行・給与計算が含まれるか、決算料は別か
- 税務調査の立会いで島まで来てもらえるか、交通費の扱い
面談では、こんなふうに聞いてみると相性が分かりやすいです。
「来年、客室を増やそうと考えているんですが、離島の旅館業の特例は使えそうですか?」
「場所と設備の内容、着工の時期を伺えれば、対象になるかを確認していきます」
その場で条件の確認に入ってくれるかどうかで、沖縄の制度に慣れているかが見えてきます。同じように離島の事業者が多い県の例として、鹿児島県の顧問税理士選びも参考になりますよ。
よくある質問
沖縄県には国税局がないのですか?
沖縄県の国税は、国税局ではなく沖縄国税事務所が受け持っています。県内には那覇・北那覇・沖縄・名護・宮古島・石垣の6つの税務署があります。
宮古島や石垣島の事業者でも、本島の税理士に頼めますか?
頼めます。資料のやり取りをクラウドで行い、面談はオンラインというやり方も増えています。税務調査の立会いで島まで来てもらえるかと、その費用は事前に確認しておきましょう。
沖縄振興税制は誰でも使えますか?
対象の業種や地域、設備の種類、手続きの時期がそれぞれ決まっています。使えるかどうかは事業の内容で変わるので、設備を買う前に税理士へ確認してください。
那覇市の無料税務相談で、お店の税金の相談はできますか?
那覇市の特別相談は那覇市民向けで、事業者やアパート経営者などの営利を目的とした相談はできないと案内されています。事業の相談は、税理士会の相談会や税理士との初回面談を使ってみてください。
顧問料はどのくらいかかりますか?
公的な基準は無く、税理士ごとに決めています。税理士ドットコムが示す目安では、法人で年間売上3,000万〜5,000万円未満なら毎月訪問で月35,000円〜、決算料140,000円〜です。
まとめ
- 沖縄県の国税は沖縄国税事務所が受け持ち、県内の税務署は6つ。離島は島ごとに担当が決まっている
- 沖縄県の税理士は沖縄税理士会の区域で、登録は日税連の検索サイトで確認できる
- 沖縄には特区・地域制度や離島の旅館業の優遇など、沖縄振興税制の特例がある
- 観光業は季節雇用と売上管理、離島の事業者は特例の確認とオンラインでのやり取りが論点
- 那覇市の特別相談は事業者の相談ができないので、事業の相談は税理士会や初回面談で
観光地と成長産業が同じ県にある例として、熊本県の顧問税理士選びもあわせて読んでみてください。






