当サイトは国税庁・日本税理士会連合会などの公開情報をもとに編集部が執筆しています。記事内のサービス紹介には広告を含みます。
社会福祉法人の経理は、一般の会社とは決まりが違うので戸惑いますよね。税理士に頼むと顧問料はいくらか、監査とはどう違うのかも気になるところです。
結論から言うと、社会福祉法人の顧問料には公的な相場が無く、頼む作業の範囲で決まります。この記事では、顧問料の考え方と、会計監査との頼み分けが分かります。
社会福祉法人の税理士顧問料は、いくらが目安?
社会福祉法人向けの税理士顧問料に、公的な相場はありません。税理士の報酬規定は2002年に廃止され、今は依頼内容に応じて税理士ごとに決めています。記帳の代行、拠点ごとの計算書類づくり、収益事業の申告など、頼む範囲を決めてから見積もりを比べるのが近道です。
『よそと比べて、うちの顧問料は高いのでは?』と気になる方も多いはずです。
ただ、社会福祉法人は施設の数や事業の種類で作業量が大きく変わります。同じ「顧問」でも、中身がまったく違うことがあるんです。
顧問料が変わりやすい作業
見積もりの差が出やすいのは、こんな作業です。
- 会計ソフトへの記帳を法人でやるか、税理士に任せるか
- 拠点や事業区分がいくつあるか
- 職員の給与計算や年末調整を頼むか
- 収益事業があり、法人税の申告が要るか
- 理事会や評議員会に向けた資料づくりを手伝ってもらうか
例えば、特別養護老人ホームと保育所を運営しているケースです。拠点ごとに計算書類を作るので、1拠点だけの法人より手間がかかりますよね。
社会福祉法人の会計は、何が一般の会社と違う?
厚生労働省の説明では、社会福祉法人会計基準に沿って、資金収支計算書・事業活動計算書・貸借対照表の3つを作ります。原則として法人全体、事業区分別、拠点区分別に作る必要があります。
附属明細書や財産目録もあわせて作り、毎会計年度終了後3か月以内(6月30日まで)に所轄庁へ提出します。
『一般の決算書と同じ感覚でいいのかな?』と思うと、ここでつまずきやすいんです。社会福祉法人の顧問先がある税理士を選ぶと、決算の流れがスムーズになります。
また、国税庁の説明では、公益法人等が新たに収益事業を始めた時は「収益事業開始の届出」が必要です。収益事業があるかどうかで、税理士に頼む範囲も変わります。
会計監査と税理士の支援、どう頼み分ける?
ここは特に迷いやすいところですよね。
厚生労働省の通知では、一定規模を超える社会福祉法人に会計監査人の設置が義務付けられています。会計監査は、公認会計士や監査法人が行うものです。

一方、会計監査を受けない法人は、事業規模や事務体制に応じて、公認会計士・監査法人・税理士・税理士法人といった専門家の支援を活用することが望ましいとされています。
| 法人の状況の例 | 主に頼む相手 | 頼む内容の例 |
|---|---|---|
| 会計監査人の設置義務がある | 公認会計士・監査法人 | 計算書類の会計監査 |
| 監査義務はないが内部統制を強めたい | 公認会計士・監査法人 | 財務会計の内部統制の向上に対する支援 |
| 監査義務はなく、日々の経理を整えたい | 税理士・税理士法人も可 | 財務会計の事務処理体制の向上に対する支援 |
| 収益事業があり、職員の給与も多い | 税理士 | 法人税の申告、源泉徴収や年末調整 |
帳簿づくりを手伝ってもらう相手と、監査をする相手は分けて考えておくと混乱しません。どちらに何を頼むかは、所轄庁の指導も踏まえて決めておきましょう。
通知では、こうした会計監査や専門家の支援を受けた法人について、所轄庁の指導監査の周期の延長などが行われることがあるとされています。
面談では、こんなふうに聞いてみると話が早いです。
「拠点が3つあって、拠点区分ごとの計算書類づくりが毎年ギリギリなんです」
「月次の段階で拠点ごとに締める流れを作りましょう。支援の報告書も一緒に用意できます」
決算の作業が職員だけでは追いつかない、収益事業を始める予定がある、専門家の支援を受けて事務体制を整えたい。こんな状況なら、社会福祉法人に慣れた顧問税理士を探しておくと楽になります。
税理士ドットコム
あなたの業種・規模に合う顧問税理士を無料で紹介
記帳や申告に手が回らない、法人化を考えている、今の税理士の対応に不満があるといった場合は、条件に合う顧問税理士を紹介してもらうのが近道です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から、予算や業種に合う税理士を無料で紹介してもらえます。
紹介料無料税理士ドットコムで顧問税理士を紹介してもらう(税理士ドットコムの紹介ページに移動します・24時間365日受付)
顧問料の一般的な決まり方は税理士の顧問料相場で、職員の給与まわりの税務は人材派遣会社の税理士の選び方でも詳しく紹介しています。
よくある質問
社会福祉法人の顧問料の相場はいくらですか?
社会福祉法人向けの公的な相場はありません。拠点の数、記帳を任せるか、給与計算や収益事業の申告を頼むかで変わるので、頼む範囲を決めてから複数の見積もりを比べてみてください。
税理士に会計監査を頼めますか?
会計監査人による監査は、公認会計士や監査法人が行います。税理士や税理士法人は、監査を受けない法人の事務処理体制の向上に対する支援などで関わることができます。
計算書類の提出期限はいつですか?
厚生労働省の説明では、毎会計年度終了後3か月以内(6月30日まで)に所轄庁へ提出します。
まとめ
- 社会福祉法人の顧問料に公的な相場はなく、頼む範囲で決まる
- 計算書類は法人全体・事業区分別・拠点区分別に作り、6月30日までに所轄庁へ出す
- 会計監査は公認会計士・監査法人、事務処理の支援は税理士にも頼める
- 監査をする相手と帳簿づくりを手伝う相手は分けて考える
参考: 厚生労働省「社会福祉法人会計基準」、厚生労働省「会計監査及び専門家による支援等について」、国税庁「新設法人の届出書類」




