イベント会社が税理士を選ぶ時の基準は?会場費の前払いと中止時の損失処理

イベント会社の税理士選び方を、会場費の前払いと中止時の損失処理から解説する記事のアイキャッチ

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半年先のイベントの会場費を先に払った。天候や事情でイベントが中止になり、キャンセル料や準備にかけたお金をどう処理すればいいか分からない。イベント会社を経営していると、こんな場面に出会いますよね。

結論から言うと、イベント会社の顧問税理士は「前払いのお金の扱いに慣れているか」と「中止になった時の処理を一緒に考えてくれるか」で選ぶと安心です。

この記事では、イベント業ならではのお金の流れと、税理士に聞いておきたいことをお伝えします。

イベント会社の税理士選びで何を見ればいい?

先に結論

イベント会社の税理士は、開催前に払う会場費や手配費の扱い、中止や延期になった時のキャンセル料と準備費用の処理、出演者への報酬の源泉徴収に慣れているかで選びます。案件ごとの収支を一緒に見てくれるかも確認しておきましょう。

イベントの仕事は、お金が出ていく時期と、売上が立つ時期が大きくずれますよね。会場の予約は何か月も前、売上が立つのは開催の後ということもよくあります。

『入ってきたお金と出ていったお金を記録すれば十分でしょ?』と思う方もいるかもしれません。

ただ、決算をまたぐ案件があると、どの期の費用にするかで利益が変わってきます。中止や延期が起きると、処理はさらに複雑になるんです。

こうした事情に慣れた税理士だと、決算の前に相談しながら進められます。案件ごとの制作が多い業種として、映像制作会社の税理士選びも参考になります。

会場費を前払いした時はどう扱う?

イベント会社にとって、会場費の前払いはごく普通のことですよね。ただ、税金の上では「払った時の費用」にならない場合があります。

開催前の支払いは「前払い」として持つ考え方

例えば、3月決算の会社が、2月に7月開催のイベントの会場費を払ったとします。

イベントが開かれるのは翌期です。このお金を払った期の費用にせず、開催するまで前払いとして持っておく考え方があります。

短期前払費用の特例との関係

国税庁のタックスアンサーでは、支払った日から1年以内に提供を受ける役務の前払い費用を、継続して支払った期の損金にしている場合に、支払った期の損金にできる取扱いが説明されています(国税庁 No.5380 短期前払費用の取扱い)。

ただ、1回きりのイベント会場の予約金が、この取扱いに当てはまるかは中身で変わります。『1年以内だから全部費用にできるはず』と自己判断せず、税理士に確認しておきましょう。

相談の場面は、例えばこんな感じです。

「来期の展示会の会場費を今月払いました。今期の経費にできますか?」
「契約の中身と、毎期の処理を確認してから決めましょう。開催日まで前払いとして持つ形になるかもしれません」

こんなやり取りを決算の前にできる税理士だと心強いですよね。

イベント会社が税理士に確認したい会場費の前払いと中止時の処理と源泉徴収の3つの論点を表した図解

イベントが中止になったら、損失はどう処理する?

ここがイベント会社にとって一番頭の痛いところかもしれません。

中止になると、会場へのキャンセル料、すでに作った印刷物や装飾、手配済みの機材費など、いろいろなお金が宙に浮きますよね。お客様から受け取った代金を返すこともあります。

『どれを損失にして、どれを返金にすればいいの…』と迷うのは自然なことです。

中止の時に出てくるお金処理の考え方の例税理士に確認したいこと
会場に払ったキャンセル料中止が決まった期の費用として検討前払いしていた会場費との差額の扱い
準備で使った制作費中止が決まった期の費用として検討他のイベントに転用できる物の扱い
お客様から受けた前受金返金するか、キャンセル料として受け取るか受け取るキャンセル料を売上にする時期
延期になった案件の費用開催まで持ち越す検討延期と中止で処理が変わるか

キャンセル料は、受け取る側と払う側で扱いが違いますし、消費税の扱いも中身で変わります。個別の判断は税理士に確認してください。

中止のリスクに備えて記録しておきたいこと

中止が起きてから慌てないように、ふだんから次の記録を残しておくと、処理がずっと楽になります。

中止に備えて残しておきたい記録
  • 会場や業者との契約書と、キャンセル規定
  • 案件ごとに支払った費用の明細
  • お客様から受け取った前受金の明細
  • 中止や延期を決めた日と、その理由が分かるメールや議事録

出演者や外注スタッフへの支払いで気をつけることは?

イベントには、司会者、演奏者、パフォーマーなど、個人の出演者が関わることも多いですよね。

国税庁のタックスアンサーでは、映画、演劇その他芸能(音楽、舞踊、漫才等)の出演等の報酬・料金が、源泉徴収の対象として挙げられています(国税庁 No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは)。

税額は、1回の支払いが100万円以下なら支払う金額の10.21%です。出演者の交通費や宿泊費も、原則は報酬に含めて源泉徴収の対象になります。ただし、支払う側がホテルや交通機関に直接払った通常必要な範囲の金額は除くことができます(国税庁 No.2795)。

源泉徴収したお金は、原則として支払った月の翌月10日までに納めます。出演者が多い月ほど、計算と納付の手間が増えるんです。

設営スタッフや音響、照明の外注先には、インボイス登録をしていない個人もいますよね。免税事業者からの仕入れの経過措置は令和13年9月30日までです。取引先が多い会社ほど、確認の手間が増えます。

出演者への報酬の扱いは、芸能事務所の税理士選びでも詳しくお伝えしています。

イベント会社はどこまで税理士に頼む?

会社の状況の例向いている頼み方
年商1億円で社員8人、イベントが毎月ある顧問契約で毎月の記帳から決算まで
代表1人の法人で、年に数本の案件記帳は自分で、決算と申告をスポットで
大型案件の前払いや中止が気になる期末前に相談できる顧問契約

例えば、年商1億円で社員8人のイベント会社なら、出演者や外注先への支払いが毎月たくさん発生します。源泉徴収の確認と案件ごとの収支管理まで任せられる顧問契約が合いやすいでしょう。

料金の目安は、イベント会社の税理士顧問料の相場で詳しくお伝えしています。

前払いの多い大型案件を控えている、中止や延期が続いて処理に困っている、出演者への支払いが増えて源泉徴収が不安。こんな状況なら、顧問税理士を探してみると楽になります。

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よくある質問

イベント会社は、どんな税理士を選べばいいですか?

前払いや前受金の扱い、中止の時の処理、源泉徴収に慣れているかを見てみてください。面談で、自社のイベントのお金の流れを説明して、話がすんなり通じるかが一つの目安です。

会場費の前払いは、払った期の経費にできますか?

短期前払費用の取扱いに当てはまる場合もありますが、契約の中身や毎期の処理で変わります。開催まで前払いとして持つ形になることもあるので、税理士に確認してください。

イベントが中止になった時のキャンセル料はどう処理しますか?

払う側か受け取る側か、延期か中止かで扱いが変わります。契約書とキャンセル規定を用意して、税理士に相談してみてください。

まとめ

この記事の要点
  • イベント会社の税理士は、前払いと中止時の処理に慣れているかで選ぶ
  • 会場費の前払いは、開催まで前払いとして持つ考え方がある
  • 中止の時は、キャンセル料・準備費用・前受金をそれぞれ確認する
  • 出演者への報酬は、源泉徴収が要るかを確認する
顧問税理士の選び方ナビ

顧問税理士の選び方ナビ 編集部

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