製造業の税理士顧問料の相場は?原価計算・仕掛品の評価まで頼む時の月額

製造業の税理士顧問料の相場と原価計算まで頼む時の考え方を解説する記事のアイキャッチ

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材料を仕入れて、加工して、出荷する。製造業の経理は、売上と経費を記録するだけでは終わらないですよね。

結論から言うと、製造業の顧問料も年商で決まる目安がベースです。ただ、原価計算や仕掛品の評価まで頼むかどうかで、金額と税理士選びの基準が変わります。この記事では、製造業ならではの費用の考え方と、頼む範囲の決め方が分かります。

製造業の税理士顧問料の相場はいくら?

先に結論

税理士ドットコムが示す法人の目安では、毎月訪問の顧問料は年間売上1,000万円未満で月額25,000円〜、5,000万〜1億円未満で月額40,000円〜です。これに決算料が年1回加わります。製造業は在庫や原価の処理が多い分、目安より上がることがあります。

まず押さえておきたいのは、税理士の報酬に公的な料金表は無いことです。税理士会の報酬規定は平成14年(2002年)3月31日で廃止され、今は各税理士が依頼の中身を見て金額を出しています。

そのため、ここで紹介する金額は民間の目安です。税理士ドットコムが公表している法人の顧問料を、年間売上ごとに並べてみます。

年間売上顧問料(毎月訪問)3か月に一度記帳代行(月額)決算料(年額)
1,000万円未満25,000円〜20,000円〜+5,000円〜100,000円〜
1,000万〜3,000万円未満30,000円〜25,000円〜+5,000円〜120,000円〜
3,000万〜5,000万円未満35,000円〜30,000円〜+5,000円〜140,000円〜
5,000万〜1億円未満40,000円〜35,000円〜+10,000円〜160,000円〜
1億〜5億円未満60,000円〜50,000円〜+10,000円〜240,000円〜

『うちは売上の割に利益が薄いんだけど…』と思う方もいますよね。この表は売上の区分なので、利益が少なくても売上が大きければ上の区分に入ります。

例えば、年商5,000万〜1億円未満の部品加工の会社が毎月訪問で頼むと、顧問料40,000円〜×12か月に決算料160,000円〜が加わります。年間では640,000円〜が出発点です。

製造業だと、なぜ顧問料が上がりやすいの?

製造業の決算で手間がかかるのは、期末に「まだ売れていない物」をいくらと見るかです。ここが大事なところです。

材料の在庫、加工の途中の仕掛品、できあがったけれど出荷前の製品。これらは期末に数えて金額を付け、その年の経費から外す処理になります。

この金額がずれると、利益がそのままずれます。在庫を少なく見れば利益が減り、多く見れば利益が増えるんです。

『数えるのは現場がやるから、税理士は関係ないのでは?』と感じるかもしれません。実は、税理士が見ているのは数え方そのものより、金額の付け方です。

  • 材料をいくらで仕入れたかの単価の拾い方
  • 仕掛品に、どこまで加工の手間を乗せるか
  • 古くなった在庫や不良品をどう扱うか

例えば、こんな会話は製造業の顧問でよく出てきます。

「期末に半分まで削った部品が200個あるんですが、材料代だけで計上していいですか?」
「加工にかかった人件費や電気代をどこまで含めるか、毎年同じやり方で決めておきましょう」

こうしたやり取りが毎期あるので、記帳だけの会社より決算の作業が増えます。決算料が目安より高めに出やすいのはこのためです。

製造業の顧問料が在庫・仕掛品・原価計算で変わることを示した図解

原価計算まで頼むと、何が変わる?

原価計算は、製品1個を作るのにいくらかかったかを出す作業です。決算のためだけでなく、値付けや受注の判断にも使います。

ただ、原価計算をどこまで税理士に頼むかは、事務所によって考え方がかなり違います。頼む範囲で整理すると、次のようになります。

頼む範囲税理士の作業こんな会社向け
決算の在庫評価だけ期末の棚卸表を見て、在庫と仕掛品の金額を確認少品種で、原価は社内で把握できている
月次の原価の確認毎月の材料費・外注費・労務費の動きを一緒に見る受注ごとに利益の出方がばらつく
原価計算の仕組みづくり製品別・工程別の原価の出し方を一緒に決める品目が多く、どれが儲かっているか分からない

下に行くほど税理士の作業が増えるので、顧問料とは別に料金がかかることもあります。見積もりを頼む時は、どの段階まで期待しているかを先に伝えておきましょう。

『毎月の原価まで見てもらうのは高そう…』という方は、決算の在庫評価だけをしっかり頼み、月次は会計ソフトの部門別集計で自分たちが見る方法もあります。

外注加工や設備投資の相談も増える

製造業では、工程の一部を外注に出すことも多いですよね。外注先が個人の場合、支払う時に源泉徴収が要るかどうかの判断が出てきます。

インボイスの登録をしていない外注先への支払いも、仕入税額控除の扱いが変わる論点です。免税事業者からの仕入れには経過措置があり、令和13年9月30日まで段階的に控除できる割合が決まっています。

機械を入れ替える時の減価償却や、どの年に買うと有利かという相談も製造業ならではです。個別の判断は、税理士に確認してから進めてみてください。

『設備の相談は、買った後に話せばいいよね』と思いがちです。ただ、買う時期や支払い方で決算の数字が変わることもあるので、発注の前に一声かけておくと安心です。

融資を受けて設備を入れる会社なら、事業計画書や試算表を税理士と一緒に作れるかも確認しておきたい点です。顧問料の中でどこまで見てもらえるかは、契約前に聞いておきましょう。

見積もりを取る前に準備しておくこと

製造業の見積もりは、年商だけを伝えると実際より安く出てしまい、後から追加料金になることがあります。最初に作業量が伝わる情報をそろえておくのがコツです。

見積もり前に用意しておきたいこと
  • 直近の決算書と、期末の棚卸表
  • 製品・品目のおおよその数と、在庫を数えるタイミング
  • 外注先の数と、個人の外注先がいるかどうか
  • 従業員の人数と、給与計算を社内でするか頼むか
  • 原価計算をどこまで税理士に期待するか

給与計算を頼む場合、税理士ドットコムが示すスポットの目安は1人1,000円、年末調整は従業員10人まで2万円+1人増えるごとに1,000円です。工場のパートが多い会社は、この部分も合わせて見積もってもらいましょう。

税理士の探し方全体はスタートアップの税理士法人の選び方、顧問料の決まり方は税理士の顧問料相場でも詳しく書いています。業種の近い会社の例として運送業の税理士顧問料も参考になります。

在庫の評価を毎年なんとなく決めている会社や、品目が増えてどれが儲かっているか分からなくなってきた会社は、製造業の決算に慣れた税理士を探すと話が早く進みます。

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よくある質問

製造業だと顧問料は高くなりますか?

一律に高くなるわけではありません。品目が少なく、在庫や原価を社内でしっかり把握できていれば、年商の目安に近い金額で収まることもあります。在庫の評価や原価計算をどこまで頼むかで変わります。

決算だけを税理士に頼むことはできますか?

できます。税理士ドットコムは、法人の決算申告のみの目安を15万〜25万円としています。ただ、期末の在庫や仕掛品の金額を年1回だけで決めるのは負担が大きいので、在庫が多い会社は顧問契約の方が楽なことが多いです。

法人税の申告期限はいつですか?

原則として、事業年度が終わった日の翌日から2か月以内です。定款の定めなどで一定の要件を満たし、申請をすると原則1か月延長できます。棚卸に時間がかかる会社は、税理士と日程を早めに決めておきましょう。

まとめ

この記事の要点
  • 製造業の顧問料も、税理士ドットコムが示す年商別の目安(法人で月額25,000円〜)が出発点
  • 在庫・仕掛品の評価や原価計算の手間があるため、決算料が上がりやすい
  • 原価計算は「決算の在庫評価だけ」「月次の確認」「仕組みづくり」で頼む範囲を決める
  • 見積もりは棚卸表・品目数・外注先・従業員数をそろえて頼むと、後からの追加料金を防げる
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顧問税理士の選び方ナビ 編集部

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